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2013/11/18

プレムバヴェシュの孫たちとの対話 <36>

<35>からつづく

「プレムバヴェシュの孫たちとの対話」

<36> バトル

 狭いながらも楽しい我が家。それもまぁ、老妻と二人ならなんとか満足できる言葉である。子育て中であっても、次第に子供達が外にでていけば、それはそれなりに安住の地であった。

 しかしながら、この空間に、私と老妻、さらに孫が二人と、それに付随する家族がどーんと増えれば、さすがに、「我が家は狭い」と痛感せざるを得ない。週末ともなると、さらに近所の友人やら、遠くの親戚やらが来客するので、まぁ、我が家は、右へ左への、てんやわんやが続いている、ということになる。

 私自身は、もともと常時10数人の大家族の中で育ったので、家族が多いのは苦にならない。長じて、共同生活体やらコミューン活動に身をやつしたのだから、これはこれで、ある意味、理想形なのである。

 みんな楽しく笑いながらの共同生活なら、これはこれでユートピアなのであるが、そういう状態ばかりが永く続くとは限らない。時には、大家族ゆえの軋轢が生まれる。

 その最たるものが、子ども同士の、おもちゃの取り合いである。本当はまだ1歳10ヵ月だが、自称2歳の孫と、まもなく3歳の誕生月を迎える孫の、男同士の戦いは熾烈である。日々毎日行なわれる。

 その対象は、アンパンマン・グッツはすでに通り過ぎ、機関車トーマスもほぼ卒業し、今夢中なのは、トミカのプラレールである。ほう、いまどき、こういうおもちゃが主流なのか、と、ゆっくり眺めている暇さえなく、次から次と、子どもたちは、これらのミニカーやら、新幹線やらを取り合う。

 名前をいろいろ覚えていて、「ハヤブサとコマチの連結!」、などと、叫んでいる。こちとら乗り鉄でも撮り鉄でもないので、列車の名前など、ちんぷんかんぷんだが、2~3歳児の頭脳には、すぐ刷り込まれてしまうようだ。あれやこれやを、よく覚えているものだ。

 彼らには彼らのやり方があり、しかもそれぞれの理想形がある。そして、使ってもいないおもちゃを、他の子どもに触れられるのがイヤなようだ。だから、同じ部屋で、同じおもちゃで遊んでいると、常にバトルが始まる。

 キッズルームにいて(というか、我が家全体がすでにキッズルーム化しているが)、観察していると、まぁ、どちらが悪いとか良いとかいうこともなく、お互いにの主張にはそれなりの根拠はある。けんか両成敗といきたいところだが、ある程度までは、自治に任せている。これらのバトルの中で、学んでいくことも、彼らには大切であろう。

 てなわけで、爺さんは、自らの空間を明け渡し、退却しつつ、自らの新境地を開拓しようとしているわけである。

<37>につづく

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