「解き明かされる日本最古の歴史津波」 飯沼勇義 <10>「秀真伝」
「解き明かされる日本最古の歴史津波」 <10>
飯沼勇義 2013/03 鳥影社 単行本 p369 飯沼史観関連リスト
★★★★★
「秀真伝」 ホツマツタエ ほつま
本書を読み進めるにあたって、いちいち気になるキーワードとしては、「秀真伝(ホツマツタエ)」という謎の古文書の存在がある。さまざまなテーマが並列して書かれている本書であるだけに、そのことにだけ集中して考えることはしなかった。
そこで、今回は、このキーワードだけに集中してページを駆ってみた。すると意外なことがわかった。
あれだけ頻繫に飛び出してくると感じていた「秀真伝」というキーワードだが、「はじめに」と第一章、そして「むすび」にしかでてこないのだった。例外的には第六章(p185)に一回でてくるだけである。
「はじめに」4回、「第一章」約20回、「第六章」1回、「むすび」8回。
あれだけ頻繫にでてくると思っていたこのキーワードだが、意外な偏りを見せている。しかも、その取り上げ方は、「古事記」「日本書記」の元本、といいう紹介の仕方だ。さらには、その引用箇所も決して多くはない。
そして決定的なのは、その「秀真伝」研究としては、岩手県遠野市在住の千葉富三「蘇る古代 日本の誕生」(2009/07 文芸社)のみに依拠しているように、見えることである。他の文献のことは、姉妹編の千葉富三著「日本の真実」(2012/08 文芸社)を含め、一切でてこない。
そして引用箇所は、
『秀真伝(ほつまつたえ)』の第十一章に、
「・・・・・・日高見のみくらのあとに又、都。移して名づく多賀のこう」
みくらとは御座のことで、日高見に山手宮があったことを言っている。即ち、みくらは王が住まわれるところで都のことを言う。 p185
と、この部分が突出している。多賀城ができる前に日高見の都があったかどうか、というポイントである。
ところで、千葉富三の著書の表紙は遮光器土偶がデザイン化されている。
そして、よくよく見ると、飯沼新刊のこちらの表紙も、実は遮光器土偶がデザインされていたことを、今さらながらに気づいた。
う~む、これは誰の装丁デザインなんだろう。本文イラストとしてたびたび出て来る長谷隆なる人物の手によるものだろうか。こちらの遮光器土偶は、「キチン」と左足を折ってある。
なんだか、こうして見ると、「奥松島縄文村歴史資料館」のみやげもの売店で買ってきた我が家の遮光器土偶も、一層、価値がでてきたような気がする(笑)
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