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2013/12/11

飯沼 勇義 「仙台近郊の歷史資料 第一報」 1953年 <1>

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「仙台近郊の歷史資料 第一報」 <1>
飯沼 勇義 1953/04 地域社会研究会(東北大学教育教養部内) ガリ版小冊子 28p
Total No.3135★★★★★

 飯沼勇義という方を知りたいとするなら、貴重な資料となろう。発行は1953年。私もまだ生まれる一年前のことである。この時代から、教員生活を始めながら、地域の資料を集め始まったようだ。

2  特段に「津波」に特化しているわけではないが、調査している地域が、まさに今回の3・11で津波を被災した仙台市若林区の仙台平野であることが、分かる。地域を愛して調査しているうちに、次第に「歴史津波」があぶり出されてきた、ということになろう。

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 奥付を見ても、極めて真面目。ガリ版であるが、口絵がオフセット印刷で一枚綴じ込まれている。非売品ながら1000円の定価がついているのは、この資料が図書館が受入れた1992年3月13日に、何らかの古書店などが介在したからだろうか。

 どういう経緯で図書館資料になったのかは定かでないが、1986年の「知られざる中世の仙台地方」が出されたあとに、前後の資料が必要となった人がリクエストしたのだろうか。受入れ3年後の1995年に「仙台平野の歴史津波」 巨大津波が仙台平野を襲う!(宝文堂)が出版されるわけだが、著者は、すでに1993年当時には、その原稿をほぼ完成させていたに違いない。

 いずれにせよ、学校区内の「地域研究」から始まり、郷土史としての「仙台平野」にその視野を広げながら、やがて、規則的な「歴史津波」の存在に警鐘を鳴らし、自ら「被災」して自説を立証し、そして自らの歴史観を「ホツマツタエ」に求めつつある、という著者の生涯を語る上で、貴重な資料となろう。

<2>につづく

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