「一九九九年地球壊滅」 桐山靖雄 <2>
「一九九九年地球壊滅」
桐山靖雄 1988/12 平河出版社 単行本 394p
★☆☆☆☆
この本についてメモしたのは、すでに5年前のことである。さらにこの本を読んだのは、その20年近くとあって、なにを今さらと我ながら思う。だが、いくつかのメモを追加しておこう。
その前に、前回の記事にコメントがついていたのを今気付いたので、それを転記しておくことにする。
<一九九九年地球壊滅>って出版年が 約23年前じゃないですか!? 先週末の大震災後の原発事故の進展状況はその内容に近い部分を示しているように思います。 (2011.03.19 15:31:14) 富豪九龍ケン さん
この日付の時点で、私は3・11被災まっただなかにあったため、電気はかろうじて復活していたものの、通信手段がダメージを受けていたため、メールやブログの点検ができなかった。すぐ返信できなかったことを、あらためておわびします。
さて、今回思い出したのは、「先週末の大震災後の原発事故の進展状況はその内容に近い部分を示している」からだった。だが、どこまで「近い部分」か、となると、問題なしとはしない。
1999年直前の原発事故がテロリストの手によるとするところ。その原発は福島ではなく、福井県の三浜原発であるとするところ。世界中で事故が起き始めているところ。そして、それは単に一人の老人の夢だった(p337)とするところ。もちろん、この年代の設定も間違っている。
「大震災後の原発事故の進展状況」に似ているというのは当然のことと思われる。破断とか電源喪失とか、それらの用語については、1986年のチェルノブイリ事故の直後1988年にこの本がでていることを考えれば、どこかの本を「丸映し」した可能性はある。だから、これはオリジナルな予言とは言い難い。
逆に言えば、一般に、このような「最悪な事故」は常に想定されてきたのが原発なのであり、それを推進させてきた勢力は、みんなで渡れば怖くないの心理が異常に発達していたせいなのである。
すくなくとも、この本においては「原発事故」は「夢」なのであり、桐山靖雄自らを模したと思われる勢力が、この原発事故を止めることができる、と豪語しているかぎり、まぁ、「はずれた」と断言せざるを得ない。
いろいろ問題のある本であるが、この本の下劣なところは、337pから392pが「袋とじ」になっていて、「ネタばれ」しないように隠されているところである。一般の恐怖心を利用した悪宣伝なのであり、困ったものだ、と私なら思う。
これらの汚点はまず置いておくとして、今回またこの本に触れたのは、前回もメモした口絵が思い出されたからである。
「その求聞持堂というのが、またユニークなのです。私も一度参加したのですが、巨大なドームの中には、大洋の怒涛に面した岩窟の瞑想場があり、サハラ砂漠のような果てしない砂漠があり、というように、空間を巧みに使って、さまざまな修行道場をつくり出しています。(後略)」p385 「地球壊滅」
転生魂・多火手が、仮に7世紀後半の津波に遭遇していたとすれば、それをイメージするには、この画像とどこかリンクするところがある。さらには、この時点で、ヒタカミとヤマトが拮抗していた場合、藤原京時代の「仏教」は、三論宗に依拠するらしいことがわかってきた。しかもそれは「阿含経」にも関連しているようだ。
そんなわけで、虎児を得んとすれば、まず虎穴に入らざるを得ないのかな、と、躊躇し始まっている。どうも口はばったい言い方になってしまうが、今はこの程度のメモだけして、今後、さらなる展開を期す。
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