「よみがえる日本語」 ことばのみなもと「ヲシテ」 青木純雄他<2>
「よみがえる日本語」 ことばのみなもと「ヲシテ」<2>
青木純雄・平岡憲人・著 池田満・監修 2009/05 明治書院 単行本 366p
★★★★☆
原理原則が強調される本書は、どうかするとアバウトな性格の私には窮屈だ。そこまでやらなくてはならないかね、と、ちょっと冷やかし気味だ。しかし、すくなくともヲシテのキホンを確定しようとしている人々にとっては、必要不可欠なプロセスということになろう。
この本の中のヲシテの文法やらを読んでいて、「Linuxカーネル2.6解読室」(2006/11 ソフトバンククリエイティブ )を読んだときのことを思い出した。細かいコマンドやら、アルゴリズムやら、精緻を極めるワークが必要とされるプログラミングの世界は、私には無理だろうと思う。あの時の絶望感に似た、絶望を、ヲシテに感じる。
別に私はLinuxをプログランミングしないでも、Linuxを楽しむことはできるので、ホツマを楽しむのに、ヲシテを習得しないでも済むだろう。誰か、専門家がやってくれればいいのだ。専門家が一人楽しむだけでは完結しないので、いつかはLinuxもヲシテも、私たち一般ユーザーにも使いやすいように降りてくるだろう。
ヲシテは、縦書きでないと意味をなさない。縦書きを絶対必要とするようにできているのである。このことはほとんど知られていない。「秀真伝(しゅうしんでん ホツマツタエ)」という文献があることはかなり知られているのだが、こういう肝心なことは知られていないのである。p101「ヲシテ分析の準備」
今現在、当ブログは飯沼史観における「解き明かされる日本最古の歴史津波」(飯沼勇義 2013/03 鳥影社)を読み進めようとしているのであるし、その中の「秀真伝」(!)に関わる部分の理解を進めるために、千葉富三 「甦る古代 日本の誕生」ホツマツタヱ―大和言葉で歌う建国叙事詩(2009/7/1 文芸社)をパラパラめくってみようかな、という段階である。
しかるに、千葉ホツマは、キホン的に横書きされているので、この本のヲシテ研究チームから見れば、最初から間違い、ということになるだろう。分かってない、と。
なんだか、これって、窮屈。ましてや、飯沼史観における、歴史年代分類法など、このヲシテ研究チームの前では、まったくのまやかし「秀真伝」語り屋、と見えて来さえするのではなかろうか。
しかし、まてよ、と思う。正直言って、この本を監修している池田満著「ホツマで読むヤマトタケ(日本武尊)物語―古事記・日本書紀が隠した日本神話の真実」(2010/08 展望社)は、あまり面白くなかった。そこに書かれていることが、原典に忠実かどうかはともかくとして、その原点だけが正しいなんてことはない。原理原則が過ぎるのは、ちょっと困るのではないだろうか。
ちょっと名前の語感が似ているので、現在でも混同しているのだが、この池田満という人と、「幻想の荒覇吐(アラハバキ)秘史―『東日流外三郡誌』の泥濘」(1999/03)の原田実という人あたりの雑音を、もう少し拾ってから、これらの世界の全体的な動向をつかもうと思う。
でなくても、どこのどんな研究をしている人であっても、どれほど立派な人物であっても、少なくとも、3・11を、しかも仙台平野における予測を立てることができた人は飯沼勇義をおいて他にない。
彼の研究にホツマが資しているのであれば、ホツマを研究したいし、飯沼史観が重要視しているホツマ研究が千葉富三ホツマなら、私はそれでよしとする。すくなくとも飯沼史観に、ヲシテとか、池田満という名前などがでてこないことの、この本を読んでなんとなくその理由がわかってきた気がする。
なにはともあれ、飯沼史観と千葉ホツマの整合性を、これからみていこう。池田満ホツマは、この際においては「傍証」に留まる。
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