「甦る古代 日本の誕生」ホツマツタヱ―大和言葉で歌う建国叙事詩 千葉 富三 <1>
「甦る古代 日本の誕生」ホツマツタヱ―大和言葉で歌う建国叙事詩 <1>
千葉 富三 2009/7/1 文芸社 ハードカバー 1227ページ
Total No.3132★★★☆☆
この度の東日本大震災の巨大地震発生に伴う大規模津波襲来の破壊力はすさまじいものだった。この破壊が、宮城県沖の海域から南下し始めていることで、改めて、日本最古の書と言われる「秀真伝」の内容の信頼度が高まってきている。p27飯沼勇義「解き明かされる日本最古の歴史津波」
以前の書より、飯沼史観においては「秀真伝」がしばしば登場するが、今回のこの書においては、その度は、極めて高くなる。
「秀真伝」は、今回の大震災を通じてその信用度が高まってきているが、その「秀真伝」を引用し、高見産霊・日高見を解説した人がいる。岩手県遠野市に住む千葉富三氏である。千葉氏は21年7月に「甦る古代 日本の誕生」(文芸社)を刊行した。飯沼勇義「解き明かされる日本最古の歴史津波」p81
うへへへ・・・・・、あると聞いてリクエストしてみたが、実際に手にとってみると、ド迫力である。後続の「日本の真実」と合わせてみるとご覧のとおり。
おーい、年末の多忙な折、これほどの大冊と取り組んでいる時間はないよ~~ん。泣いてしまった。ましてや図書館の貸出期間中に、ページだけでもめくることはむずかしい。
日本最古の書「秀真伝(ほつまつたえ)」には、日本の歴史の夜明けともいうべき新時代の始まり、神々の登場が克明に書かれており、現在この古書の真実性が高まってきている。この「秀真伝」は、「甦る古代 日本の誕生」(千葉富三著、文芸社)によると、今を遡ること3730年前、紀元前1718年に書かれた書である。飯沼勇義「解き明かされる日本最古の歴史津波」p47
しかしながら、飯沼御大がこうおっしゃるなら、一度は目を通しておかなければならないだろう。
この本、1227ページの大冊ながら、1000ページ近くはいわゆるホツマ文字で書かれた「ホツマツタエ」そのものである。三段対訳となっている。だから、いままでも他の文献で翻訳されている「ホツマツタエ」とどう違うのか、ちょっとわからないし、この本でなければ読むことができない内容でもないかもしれない。
敢えて読まなければならないとしたら、1227-1000ページの残り数百ページであろう。であったとしても、二冊併せて500ページあまり、いささか、そそっかしい当ブログの読み方では、その真奥を覗き込むことは不可能なのではないだろうか。
「秀真伝」に書かれている日本の神の源神・縄文神の居住地は、縄文時代から規則性をもって何回も何十回も繰り返し巨大地震と大規模地震を齎(もたら)した震源地を特定できる場所だった。それは巨大地震と大規模津波を起こす震源地の東西直列上の西方で、牡鹿半島の内陸部を流れる北上川の河口より約30キロ上流の宮城県石巻市桃生町太田地内にある高台だった。
この高台は、縄文人の居留地であった。飯沼勇義「解き明かされる日本最古の歴史津波」p56
さぁ、こうたびたび「秀真伝」が登場するのであれば、いずれは、この書と格闘せねばならないのだろう。逆に言えば、これが万が一、原田実「幻想の荒覇吐(アラハバキ)秘史」が揶揄するような、立証、反証、検証を拒否するような、「騙り」に類するようなものであったりすれば、即、飯沼史観の全体像が崩れかねない、大変な問題なのである。
日高見国は紀元前1176年、864人にわたる天下り、天孫降臨があった。天孫降臨に関わった神々は、このような帝王学を学んだ人々である。日高見国(宮城県石巻市桃生町太田地内)と日高見の山手宮(多賀城)、そして、日高彦の日高見国(宮城県角田市)は、こうした帝王学を学ぶ聖地であった。この二つの日高見国は少なくとも数千人規模の神々たちの住まわれた聖地であった。飯沼勇義「解き明かされる日本最古の歴史津波」p97
文脈の流れから、割り引いて読み進める必要があるものの、すでにこの辺では断定口調である。その遺跡や痕跡としての神社などは現在でも「検証」できるものの、記紀にはなく、「秀真伝」にあるとされる、これらの「史実」は、いわゆる飯沼史観の「空白期」研究の、大きな「傍証」となりえるのだろうか。
千葉氏は永年、「秀真伝」の研究に携わり、何が真実でどこに誤解があったのか詳細な研究を積み上げてきた。その集大成が「甦る古代 日本の誕生」である。これは平成21(2009)年に出版された。
この本の中で、縄文神、高見産霊・日高見を取り上げ、日本誕生について、その原点は日高見であるということを叙述している。現代の日本の歴史では、日本古来の神は天つ日嗣神でこの神は元を正せば、縄文の一神教「荒脛巾神」の信仰を源流としていると考察している。飯沼勇義「解き明かされる日本最古の歴史津波」p331
さあ、いよいよ大変だぞ。
日本にも紀元前に、エジプト文明同様、縄文文化が高見産霊・日高見と言われる地方に存在していたのに、どうしてこのような歴史文化が消滅してしまったのであろうか。ただ憤りを覚えている。
千葉氏の「秀真伝」の研究は、その真実性が解明されるきっかけになった。飯沼勇義「解き明かされる日本最古の歴史津波」p352
この本、5000円を超える高価本である。おいそれと購入できない。地元の公立図書館でも、県内では一か所しか所蔵していない。そうそう簡単に読めないな、と思っていたところ、どうやら、この本は、電子本で、しかも700円(一章)という安価な値段で購入できるらしい。おいおい、ホントかな。
「秀真伝」に限らず、言い伝え、伝説の中の真実をどのように掘り起してゆくか、これからの歴史学、そして防災対策にとって重要課題である。飯沼勇義「解き明かされる日本最古の歴史津波」p31
なんにせよ、なにはともあれ、当ブログでは、今さらながらに、おっとり刀で、この領域に、風車と大男を見間違うようなドンキ・ホーテよろしく、突っ込んでみようと思い始めているのである。
つまり、当ブログは、まあ、ドンキホーテを乗せて旅するロシナンテあたりの役回りかなぁ。
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