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2014/01/01

日高見神社 「解き明かされる日本最古の歴史津波」 飯沼勇義 <12>

<11>からつづく


「解き明かされる日本最古の歴史津波」 <12>
飯沼勇義 2013/03 鳥影社 単行本 p369 飯沼史観関連リスト

日高見神社 宮城県石巻市桃生町太田字拾貫1-73

 日高見国が最初に成立したのは日高見川の日高見神社、日高見水神であった。「日本三代實録」によると、その五年後に阿武隈川に「阿福麻水神」が祀られていることがわかる。

 ①日高見神社・・・・日高見水神・・・・・北上川
 この日高見神社は、宮城県石巻市桃生町太田の地内にあって、桃生の発祥の地といわれている。(中略) 

 日高見水神は、日高見川を祀る神で、日高見川は北上川のことである。この北上川から南東北地方を視界とし、さらにここより北東北地方の蝦夷地を展望できる日高見国であった。 

 また、この北上川の中流域には水沢(現・奥州市)があって、ここにも日高見神社が祀られている。この日高見国から東北を望み、ここから内陸の南方東北の前沢、平泉、一関、古川方面の蝦夷地を望む下降の情報を得るところであった。p106 飯沼勇義 「国づくり創世記の津波」

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 元旦そうそう、未明に目が覚めた。老人性とも云えるが、そもそも、紅白歌合戦もそこそこに床に入ったのだから、当然と言えば当然だ。今日は、正月元旦、どこに初詣しようか、と考え、このところずっと気になっていた石巻市の日高見神社を参拝することにした。
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 現地についたのは、まだ4時前、ひっそりと静まり返っている。初詣客でにぎわう社殿を予想していたので、ちょっと拍子抜け。門前には人っ子ひとりもなく、車さえない。ひとり参拝する勇気もなく、朝になるのを待った。

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 日の出は6時50分ということだったが、6時になると、町内の共同スピーカーからチャイムが流れた。まだ暗がりだが、朝が始まった。

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 ひっそりとしてはいるが、どこか奥深い。雰囲気としては、奥州市の日高神社より、角田市の熱日高彦神社の雰囲気に近い。

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 門前のいわれ書きの看板も、それなりに書いてはあるが、教育委員会の危なげない範囲の説明がしてある。
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 参道には、樹齢1000年と推定されるケヤキの木がある。

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 こちらの言われもそれなりである。
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 なだらかな砂利の参道を登っていくと、ほのかに明かりが見えてきた。

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 紅白の幕が横に張ってあり、一風、独特な雰囲気だ。初詣の準備であろうか。たいまつも焚いてある。

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 しかし、実はこれ、もう片付けなのだという。正月の行事は、大みそかのうちに獅子舞などが奉納され、すでに氏子たちは仮眠を終えて、片付けに入っていたのだ。これは古来そのようなやり方で進められてきたらしい。
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 この神社にも、南から北へと進む参道とは別に、西から東へと進む参道がある。現在の社殿こそは南向きに建てられているが、東向きの参道の存在は、角田市の熱日高彦神社や、多賀城の荒脛巾神社に通じるものがある。
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 片付け中にもかかわらず、氏子の役員の方に、社殿の中を案内してもらう。両脇のカラフルな立像があるものの、至って、質素な拝殿と言っていいのではないだろうか。

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 「実は、この次の間が奥殿になっていて」と、役員の方に扉を開けていただいたが、おそれ多くて、中には参拝できなかった。いえいえ、今日のところは、ここまで十分でございます。13
 外で雪は降ってはいなかったが、ごく最近降ったのであろう雪が、日高見の静けさを更に演出する。
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 境内も至って質素である。華美をひたすら戒めているようにさえ感じられる。社殿に向かって左側(西側)が水の神様であり、右の神様が「おんなの神様」であるという。詳しくは聞き損ねたが、ひょっとするとアラハバキに通じる何かがあるのではないか、と直観した。お社の中には、小さな祠があるだけで、それと分かるものは見ることはできなかった。
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 どこか力強く、どこかで、何かを抑えているような、神様である。そんな感じがする。

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 社殿の鰹木は6本。奇数の鰹木は男性、偶数の鰹木は女性の神様、とどこかで聞いた気がする。しかし、縄文の日高見まで戻るとするなら、それらのシンボルは、とうに超えられてしまうことだろう。
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 日高見が北上川になったのか、日高見川が北上になったのか。この地に、確かに日高見国があったのだと、人は言う。

<13>へつづく

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