「解き明かされる日本最古の歴史津波」 飯沼勇義<17>
「解き明かされる日本最古の歴史津波」 <17>
飯沼勇義 2013/03 鳥影社 単行本 p369 飯沼史観関連リスト
★★★★★
日本列島の歴史上、最も古いといわれる歴史津波のことを書きあらわした古書は何もない。
本書では、平安時代以前の古代の歴史津波について書いた。そして、それらの歴史津波をベースに2011年3月11日の東日本大震災の巨大地震による大規模津波が、日本列島のどの辺まで崩壊するのか、精査研究することを目的としている。
その結論は・・・・・
その崩壊の終末となる特定の地とは、日向灘と沖縄諸島の八重山地方である。
その根拠は、ここに天孫降臨があったからだ。日本歴史の誕生時、国づくり神話の初めに登場する八百万の神々たちが、火明(ほのあかり)、斑鳩(いかるが)へ下る騎馬三十二、総勢八六四人が、山手宮、新治宮、鹿島宮、越国、香取宮、根国、秀真国、原宮、九十九、扶桑国、大和国、伊勢宮、葦原中国、斑鳩宮、飛鳥宮、紀志伊国、阿波宮、伊予阿波二名国、出雲宮、細矛国(ほそほこのくに)、筑紫宮におり、最後はこの日向国(九州の大分、宮崎県)に来て、日本神話がつくられていったのだ。p233「l巨大地震と大規模津波による日本列島崩壊と甦る日本誕生」
期せずして、このページを読んでいて、身震いがきた。
そして、それらの歴史津波をベースに2011年3月11日の東日本大震災の巨大地震による大規模津波が、日本列島のどの辺まで崩壊するのか、精査研究することを目的としている。
これは予言の書である。3・11の影響がどこまで連動していくのか。飯沼史観によれば、今後、東海トラフ、東南海トラフと連動して、人々が住める地域ではなくなる、と言っているのである。そして、人々は、日向灘まで追われるとするのだ。
それは日本神話に書かれていることで、それを、ふたたび確認することで、神話の中に含まれている真実性をあぶり出すとともに、それを検証しよう、と言っているのだ。これらについて書かれている古書は、これまで一冊もない、と言っている。
その崩壊の終末となる特定の地とは、日向灘と沖縄諸島の八重山地方である。
日向灘ばかりではなく、沖縄諸島の八重山地方にまで言及している。決して、地域の郷土史家の視点ではない。郷土を精査する中で、大きくその視野は広がり、大きく列島をつつむ、地球全体へと拡大していく。
日本神話を部分的に肯定しつつ、その権威の中に逃げ込もうとしている池田満ホツマのようなケツの穴の小ささはここにない。記紀日本神話は、他の伝説や言い伝えと、なんら変わることはない。その中に多少の真実が隠されていれば、それだけの価値があるのであり、まったくあてにならない、ということさえある。
日本神話に依存しているわけでもなく、ホツマに依存しているわけでもない。何百年サイクル、あるいは何千年サイクルに起こるとされる歴史津波の現前性を確認することによって、かつての言い伝えである記紀日本神話やホツマツタエの真実性をも、検証してやろうじゃないか、という、とてつもない夜郎自大とさえ言えるような、前代未聞の科学心なのである。
これを検証するのに、どれだけの時間が必要なのだろう。すでに80才を数歳超えた著者の生存中に、この検証が完了する、という、恐ろしい予言なのであろうか。あるいは、何百年、何千年かかろうと、それを検証するに足る、というほどの真実が、そこに隠れている、とでも言っているのであろうか。
この予言は、ひょっとすれば、何百年、何千年も保存されて、その時代時代の科学者あるいは歴史津波学の徒によって、次から次と研究、検証されていく必要がある、と言っているのだろうか。
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