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2014/01/31

「一般意志2.0」 ルソー、フロイト、グーグル 東浩紀

東 浩紀 (著) 2011/11講談社 単行本: 266ページ
Total No.3171★★★☆☆

 てつがくカフェとやらに、ようやく参加してみようかな、と思ったのはごくごく最近のことである。タイトルも、使われる本も、私にとっては距離がある。敷居が高い、というより、距離感があるのである。

 先日、ジャン=リュック・ナンシー「フクシマの後で」 破局・技術・民主主義、とやらを話題とするてつがくカフェに参加してきたのだが、まぁ、あんなものかなぁ、というのが率直な感想。そもそも2時間で、約10人程度の「読書会」がそうそうまとまるわけもないのだが、ただ、その場の作り方のほうに関心があった、というのが本音かも知れない。

 ナンシー読書会はすでに8~9回続いているらしく、私の他にも新しい参加者がいたが、それでも、すでに議論は熟し始めているらしく、途中から入るのも、ちょっと怖気づくところがある。

 なにはともあれ、一通り目を通して行ったのだが、他のメンバーの話を聞いていると、いろいろな読み方があるのだなぁ、と感心するやら、困惑するやら・・・。でもやっぱりこの本は、七面倒だなぁ、と思っていた。

 ところが、他のメンバーも、そうそう易々と読んでいるわけでもなさそうで、次回からは、趣向を変えて、こちらの「一般意志2.0」を話題にするという。おやおや、あわてて、こちらも読んでみることにした。

 著者は1971年生まれの若い人である。あはは、若い人と言ってしまった。1970年というと、どうしても最近のように思ってしまう癖があるが、実際には、すでに40代に突入した立派な「中年」の方である(笑)。著者についてはどこかで名前を見かけたことがあるが、当ブログでは、「ネット社会の未来像 IT時代のジャーナリズム」(2006/1 春秋社 共著)で、一度ご登場願った程度である。

 いわゆる在野の哲学者、という分類であるようだが、諸説ある。この本は、2009年から2011年春までの1年半の間に雑誌に連載された文章をまとめたものであり、つまり、著者30代の総まとめ的位置にある本であろう。

 実際には3・11とほぼ同時に連載が終わり、その半年後に出版されたわけで、3・11を大きく取り込んだ本とはなっていない。また、出版されてから2年半経つので、彼が取り上げているネット社会の状況などは、すこし変化しているようである。

 この本のサブタイトルには、「ルソー、フロイト、グーグル」とあるように、いわゆる三大話し本であり、この三つの要素の位相を展開しているのだが、結局は、グーグルに象徴させている現代のネット社会のありようを考慮している、と言っていいだろう。

 要約するのは苦手だし、当ブログの任ではないので、極論すると、ルソーの「一般意志」を、フロイトの集合的「無意識」をくぐらせながら、現代社会のグーグルに代表される蠢きを、「民主主義」という下敷きに会わせながら、考慮している、ということであろう。

 いきなりルソーを持ってきたところに、どれほどの意味があるのかわからないが、「一般意志」という言葉を借りるには、ルソーを持ちださなければならないのはわかる。フロイトに関しては、古典的とはいうものの、コンシャスネスを語るなら、いまやフロイトでは古くて、意識、無意識論に加えて、超意識論まで持ってきていただかないと、本当に先端的とは言い難い。

 ネット社会については日進月歩、秒進分歩の発展途上であるので、3年前の論述ということを考慮しても、ミクシー民主主義、グーグル民主主義、の寓意は、やはりちょっと的外れになっているのではないか、と私は思う。

 いまでは、話題はフェイスブックはともかく、LINEとかより新しいトレンドに移りつつあるようで、なかなかこの手の話題の作り方は難しいな、と思う。

 とにかく一回読んだ。この本をテーマとしたてつがくカフェとやらに、私はあらたにまた行くのかどうか定かではない。行って見たい気分と、もうどうでもいいや、という気分が半々である。

 その原因は、結局は、この本にも書かれている「民主主義」という奴に、今後、もっともっとくっついて魅力をしゃぶりつくしてやろう、という気力が私にないのである。どうも、もう、諦めてしまっている、感じがする。どうにもならんな、という投げやりな気分があるのだ。

 しかし、いやいや、そうはいかんぞ、なんとかせにゃいけん、という気持ちもないではない。もし、この気分が大きくなれば、次回のてつがくカフェとやらに、参加することになるのだろうが、やっぱり、いまのところは、どうなるかわからない。

 

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