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2014/01/29

エックハルト・トール わたしは「いま、この瞬間」を大切に生きます パワーオブナウ宣言 飯田史彦・責任翻訳


「 わたしは『いま、この瞬間』を大切に生きます」 
エックハルト・トール (著), 飯田 史彦 (責任翻訳)  2003/07 徳間書店 箪行本: 170ページ
Total No.3168★★★☆☆

エックハルト・トール。1948年ドイツ生まれ。本名はウルリッヒ・レオナルド・トール。いつの頃からか、エックハルトと自分で名前を変えたらしい。エックハルトと聞くと、マイスター・エックハルト「神の慰めの書」を連想する。

エックハルトは教育を受けなかった。多くの神秘家が無教育だったというのは不思議だ。教育はどこか間違っているに違いない。そして人が神秘家になるのを妨げている。確かに、教育は破壊する。幼稚園から大学院まで、25年間というもの、教育は人間の中の美しいもの、美的なものを破壊し続ける。蓮の華は学問によって押し潰される。薔薇はいわゆる教授、教師、総長というような人間たちに殺される・・・・なんともまた素晴らしい名前を自ら名乗るものかね。
 真の教育はまだ始まっていない。それは始まらければならない。それは頭の教育ではなく、心(ハート)の教育になる。男性的なものではなく、女性的なるものの教育だ。
OSHO「私が愛した本」p124

 Oshoは、13~14世紀のドイツに生きたエックハルトは、東洋で生まれるとよかっただろうに、と残念がる。

 多分、ウルリッヒ・レオナルド・トールは、自らの名前を変える時には、この8世紀前のドイツの先輩を、自らに重ねていたかもしれない。

 さて、この翻訳者の飯田史彦という名前だが、当ブログでも、何点か著書を読んだ気がする。「ソウルメイト」(2005/9 PHP研究所)。あとは検索できない。この人を検索すると、図書館には30冊以上あるにも関わらず、今だ深追いしなかったところを見ると、一読者としての当ブログは、必ずしも、自らの方向性と一になるものと見ていなかったのかもしれない。

 最近、クルマを運転中にカーラジオを聞いていたら、教養番組で講師がうまいことを言っていた。「よく言われることですが、翻訳という仕事はとても興味深い仕事で、それはまるで楽譜を見ながら、演奏するに似ているのです」ということであった。なるほど、うまいことを言うもんだな、と感心した。

 とするなら、エックハルト・トールを日本語で読むということは、その楽譜を飯田史彦という演奏家がどのように演奏するのか、という興味になってくるのかもしれない。

 もし、楽譜が完璧であっても、演奏者がドジを踏めば、聞けたものではない、ということになってしまいかねない。しかしながら、凡庸な楽譜であっても、演奏者の腕次第では、まれにみる名曲になる、ってことだって、あるかもしれないのだ。はて、この本においてや、どういうことになっているだろう。

 エックハルト・トールは、Youtubeに結構短いビディオがアップされていて、だいたいどのような人か、それを見ただけでわかる。ごく気さくな服装で、若干猫背、歯は虫歯があるのか、煙草の吸い過ぎか、ちょっと黒いように見える。そして、話しながら、ちょっとはにかむような笑みを浮かべる。なんともチャーミングな男だ。

 SNSでちょくちょく友人たちがアップしてくれているので、気にはなっているのだが、キチンと彼の本を読んだことはない。図書館にはこの本を含め数冊入っている。必ずしも多作な「作家」ではないようだ。

 「地球人」で検索すると、当ブログなんぞは、ずっとずっと末席のほうにしか登場しないが、まっさきに登場するのは、「地球人のためのスピリチュアル・レッスン」とかいう奴。あら、お先にやられたな、とは思うが、まぁ、「ジャーナル」と「レッスン」では、ちょっと矛先が違うから、いいか、と思っていた。

 でも最近気付いたことだけど、この「地球人のためのスピリチュアル・レッスン」とやらは、ひょっとすると、エックハルト・トールの「教え」を下敷きにした一連のセミナーやトレーニング、セラピーなのかもしれない。

 ところで、この本にある「飯田史彦=責任翻訳」とはどういう意味だろう。いままで無責任翻訳という単語も聞いたことがないが、責任編集とやらは聞いたことがある。むかし、「面白半分」という雑誌が、半年か一年に編集長を有名人でとっかえひっかえ変えていた時、責任編集という言葉を使った。実際は、もともとのスタッフが行ない、セールスプロモーションで有名人の名前を出していたように思う。

 となると、はてさて、飯田史彦は有名人なので、監修とかではなく、お飾りで、本当の素の翻訳は、別なスタッフがやったということだろうか。あるいは、内容を、キチンと、全うに翻訳したぜ、という翻訳者の粋がりが、このような表記にさせたのだろうか。出版社が、徳間書店、というのも、なんだかなぁ、と、ちらっと思う。

 本書は、2002年に徳間書店から出版された「さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる」(E・トール)の要点を、実践的に解説したものです。「つらい過去や未来への不安を手放し、『大いなる存在』とつながって『今』に生きよう」と述べた前作は、テロ攻撃で打撃を受けたアメリカの人々から、心の拠り所として大歓迎されました。一方、日本では、前作は一定の評価を受けた反面、疑問の声も多数あがりました。p168飯田「翻訳者の言葉」

 なるほど、楽譜どおり演奏してみましたが、聴衆が納得しなかったので、自分なりに編曲しなおしてみました、ってことなんだね。

 私が日本人の読者にご提案したいのは、本書の内容を鵜呑みにするのではなく、「本当にそれで良いのだろうか?」「自分にフィットしているだろうか?」と、懐疑的に読み進めてみることです。p170飯田「翻訳者の言葉」

 もとより当ブログは、物事は鵜呑みにしないで、すべて懐疑的にみるようにはしているが、これもまたワンパターンになるから、あの手この手といろいろ作戦は変えてみる。いずれにしても、アメリカほどは受けなかったので、日本人向けに味付けしなおしてみました、ってことだけど、このマーケティング、うまく行ったのかな?

 いずれ、この本よりは「さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる」のほうが、より楽譜には近い、ということになるのかしらん。

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