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2014/02/23

「スピリチュアリズム」  苫米地英人 <2>

<1>よりつづく


「スピリチュアリズム」 
苫米地英人 2007/08 にんげん出版 単行本 221p
★★★☆☆

1)今回、この本をふたたび取り上げようと思ったのは、あるSNSで、つながりのある人物が、最近この著者について盛んに触れるようになったからである。出版直後の6年半前に店頭で、わずか数分手に取っただけの本書であるが、今回、きちんと読んでみようと思った。

2)著者にはたくさんの著書があり、別にこの本でなくてもかまわないのだろうが、前回、立ち読みしただけだったので、今回は、完読したほうがいいだろう、と思った。

3)著者については、私には直観というか、先入観があり、本としてはもはや読まなくてもいい、という結論がある。でも、それでは、著者のことはともかく、あのSNSつながりの人物のことが良くわからないことになる。

4)私の見る所、その人物は、Oshoの学生であり、弟子であったことはあるが、Oshoの帰依者というレベルで自分をみたことはないようである。その彼が、どういう経緯でか、今回、この著者の言説に痛く感動して、著者の学生を始めたようなのだ。その彼が、学生になることもあるだろうし、著者の弟子にもひょっとするとなるかもしれない。しかし、たぶん、帰依者にはならないだろう、という予感がある。

5)この本は、2007年の段階におけるスピリチュアリズムという日本の流行語についての、著者の反応であり、そもそもきちんとした定義付けの上の論理ではない。ただ広範な情報をもとに、当時流行していた江原啓之に対する反論・反感がベースとなっており、そこに再び麻原集団事件の影を見て、なんとかしなければ、という義侠心が基となっているようだ。

6)著者は、いわゆる上裕史裕のディペート技術を指導したことがある、と自負しているところからわかるように、そもそも著者自身の論法が、いわゆるディベート流である。もちろん、上裕某のふるまいに危機感を持っているわけで、上裕をほぼ完全否定している。

7)島田裕己荒俣宏に対する見方も厳しく、中沢新一に対する目はもっと厳しい。この辺は当ブログも同意するものである。しかるに、全体としては、結局なにを言わんとしているのかは、よくわからない。

8)ヒッピー・ムーブメントのニューエイジを根に持つスピリチュアリズムは、70年代頃から広まって、統一教会、ハーレ・クリシュナ、バグワン(Osho)と言った新宗教の団体やグル運動によって、多くの若者たちを取り込みました。p36「壮大なスケールの神話」

9)前回は、立ち読みゆえ見逃していたが、Oshoの名前もでていた。しかし、この一か所だけである。このようなセンス、このような流れでしか表記されていないのは、Oshoサニヤシンの一人としては残念である。

10)私はある仏教系のハワイ別院と親しくしていますが・・・・・ p67「第二の人生」

11)この本の出版当時は、まだ秘していたのかもしれないが、現在ネットなどで確認できる範囲でいうと、著者は天台宗で出家しており、そのハワイ別院の何事かの役職についているようである。さまざまな肩書や経歴を持つ著者ではあるが、伝統的日本仏教の出家者のひとり、という見方で把握したほうが、より分かりやすいようだ。

12)つまり、本格的な仏教を学んでいるはずなので、その言説の中に、色濃くでてくる仏教的思想観については、詳しい、などと驚くべきことなのではなくて、たんに、当然詳しくなければならない、という立場のようだ。

13)近年、著者は、政治家を目指し、立候補しては、落選などをしているようだ。一体何を目指しているのか、私にはわからない。空や中観、仮観などについての言説も展開されているが、その元がわかってしまえば、著者からしか学べない、というものではない。むしろそこに自らのオリジナリティなどを付加しようとするならば、やっぱ、こいつ、おかしいぞ、と思われても仕方ないだろう。

14)当ブログとしては、時期をはずした読書となったが、まぁ一読しておいてよかった。SNS上の人物が、著者のことを過大評価していたので、ひょっとするとなぁ、と考えて再読してみたが、結論として言えば、当ブログとしては、前回、立ち読みした程度で離れていた、という態度は、決して間違いではなかった、と思う。

15)一時期、当ブログへの、著者関連のアクセスログが多発して見られたことがある。ある意味執拗で、なおかつ、著者関連のページへ誘導するかのような暗示が色濃く見られた。

16)当ブログは、著者との一定のつながりを持つことをしたくなかったので、一時期、そのアクセスを遮断したことがあった。これは、著者の名誉のために言えば、著者本人のふるまいではなかった可能性が高いし、こちらの勘違いであったかもしれない。

17)いずれにせよ、この本を突破口として、著者の本をもっと追っかけてみようとは、やはり思わなかったことを、ここに明記しておく。

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24)無窮のアリア」カテゴリの記事

コメント

「無知な人は断言するが、賢者~仏陀はためらう」とは、言い得て妙ですね。確かに知人は、とうに還暦を過ぎているのに、常に今は亡き父親の影とたたかっているようです。

The Discipline of Transcendence 、楽しみにしてます。

投稿: bhavesh | 2014/02/26 13:27

そうですか。
騙されやすい体質と言うのは、他人への依存度が強い人、Oshoがよく言う、父親的存在を求めている人、子供っぽい人なのですね。
そういう人というのは断言的に主張する自信の強い人物に惹かれるようで、だからこの著者に惹かれるのでしょう。
ちょうど今、翻訳しているOshoの「超越の訓練」The Discipline of Transcendence 3巻で同じようなことが語られていたので、シンクロしていておもしろいと思いました。
「無知な人は断言するが、賢者~仏陀はためらう」と。

投稿: Devayana | 2014/02/26 09:09

私の趣味で言えば、著者の本は、一回店頭で手にとってパラパラ目を通せば、それで終わりでしかない。今回、一冊通読してみようと思ったのは、SNSつながりの知人が著者について語り始めたからだ。

この知人は、何度か「詐欺」にあっており、その経済的苦境から脱出しようとしている。その過程で著者の一連の作品と出会っているようだ。

この知人は、当ブログにアクセスした際、ついていた広告に「騙された」ことがあると主張している。困ったことだ。

このことは一年ほど前だったか、当ブログの編集日記で注意をうながしている。無料ブログゆえ、いらぬ広告がついてしまうが、もちろん当ブログ「推奨」のものではない。

今朝もその知人の最近の書き込みを幾つか見ていて、それとしての(つまり、騙されやすい)特徴的な「体質」は、どこまでも残るんだな、と痛感した。

その言説はともかくとして、気になる人ではあるので、今後もチラチラ見ていようとは思うけれど、もともとあった距離感が、ますます広がりつつあることを感じた。

投稿: bhavesh | 2014/02/26 08:23

Amazonでも彼の本に対する賞賛のレビューが多いですが、その世界について詳しく知っている人からは、彼の知識の間違いや論法の不備さを冷静かつ分析的に批判しています。
ここがポイントでしょうね。
要は、彼の理論や知識の嘘を指摘できる人が少ないことです。ある意味、スピリチュアルに対する全般的な知的レベルの低さを象徴していますね。
こういう人が多数から支持されるというのはある種の洗脳とも言えるし、だから危険に感じるのです。支持者は狂信的に見えますね。
政治家を目指しているらしいですが、当然だなと思いました。彼は本質的には政治家、野心家ですね~

投稿: Devayana | 2014/02/26 07:32

Devayana
ですね~、それぞれのスタイルがあるわけですから、これもありかな。でもなぁ、個人的には満腹の状態で、食べ過ぎには注意しないといけない。著者には旺盛な表現欲望があるようだし、この手のエネルギーに惹かれる人もいるんだろうな。知情意で言えば、知が勝ってるかな。

投稿: bhavesh | 2014/02/25 17:03

タイトルが気になって苫米地という人の話をYouTubeで見ましたが、ムチャクチャ独断と決め付けで話を進める人ですね。話の内容もすごく一面的、表面的で、ただ押しの強さで展開しているだけ、それに周りの人が飲まれてしまう、という危険さを感じました。

投稿: Devayana | 2014/02/25 15:02

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