DVD 「ノルウェイの森」 原作 村上春樹
松山ケンイチ (出演), 菊地凛子 (出演), トラン・アン・ユン (監督) 2011/10 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント DVD 134 分
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ようやく自分の番が来たようだ。待ちに待っていたわけではないが、いつかは見ないといけないだろう、と思っていた。村上春樹の作品って、どれだけ映画化されているが知らないが、やはり、この小説が映画化されなければならない代表作であるだろう。年代は1969年、映画「いちご白書」の時代設定は1968年、ほとんど日米同時代と言える。
なんだか、素面で見るような映画でもないが、まさか焼酎を飲みながら見るのも、ちょっと、違う気がする。ビールでもないな。そういえば、先日酒屋でもらった試供品のリキュール35度のミニボトルがあった。封を切って、氷を入れたお猪口に注いだ。
これで酔えるわけはないが、何もしないよりはましかも。35度のリキュールを飲んだなんて、たぶん、初めてか、あるいは何十年か前に、あったかどうか。あまりに、甘すぎる。シロップを舐めているようだ。喉がチクチクする砂糖菓子のよう。金平糖のようだ。
リキュール 試供品 食品添加物:香料 アルコール分:35度 容量:50ml 原産国:アメリカ合衆国 続いて、輸入者及取引先、東京の会社名が書いてある。傍らで一緒に見ていた、奥さんが、この映画、全然昭和の雰囲気ないね、という。現代の韓流映画を見ているようだ、という。うん、私もそうだと思う。
このところ、っていうか、私たちは以前から、本当は、韓流ドラマは好きではない。だから、韓流ドラマ、といっただけで、二人の間では、この映画のレイティングが大体決まってしまう。それでも、お互い、画面から目を放すことはない。
小説を映画化することは容易なことではないだろう。この映画、原作のストーリーなんかよく覚えていないが、でも、映画を見ている限り、あの雰囲気をうまく出せているんじゃないか。
リキュールのストレートはいくらなんでも甘すぎるので、黒焼酎25度で割る。おいしいのかどうかなんて、私にはよく分からない。酒の味もよく分からないまま、大人になって、まもなく死んでしまう。結局、酒の味なんか、楽しめない人生だった。テーマになってるビートルズだって、ほんとうに分かったかどうか。
この映画、ソフトポルノって位置付けでみたらいいのかな。村上春樹をそのように見ている読者も多いらしい。特に女子に。「ノルウェイの森」って、一人自閉的に読む小説なのかな。二人でDVDで見る映画なのかな。どちらもありか。
風の吹いているシーン、山の中で、二人で座っている。この風が吹くシーンの撮影、以前、撮影風景をテレビでやってたね。うん。いよいよアレだな。ってなに。
お猪口に更に焼酎を継ぎ足すと、だんだん甘さがすくなくなってきた。胃にこたえる。たばこを吸うシーンが出てくる。たばこの臭いは、この映画に似合うかもな。でも、たばこはもう吸ってない何年も。やめたのは、もう何十年も前だ。
あっと言う間に半分過ぎた。そして、もうすこし過ぎた。ああ、この調子で、最後まで行くのかな。行くんだっけかな。本当は、このDVD見る前、とても眠かった。最後まで見ないで眠ってしまうかも。その時は、明日もういっかい見るね、と言っておいたが、結局、眠らないで、最後まで行きそう。
アルコールを入れたから、ますます眠くなるかと思ったが、結局、むしろ目が冴えてきた。どうしてかな。どうしてって、どういうことなのかな。あなたのことが好きだからよ。この映画、時代設定は1969年だけど、小説が発表されたのは1987年。映画化されたのは2010年か。
時代背景はともかく、もう、これは時代はあってないようなもの。あるのは、登場人物の世界だけ。とくに、内面が、独白の部分が多くある。どら焼きでも食べようか。いやいや、それはただ目にはいったから、いっただけ。それでは甘すぎる。しょっぱいもの食べたい。煎餅? やっぱりそれはこの映画には似合わないね。漬物でもないし、なにかチーズかなにかな。
あと30分、この映画をがまんできるだろうか。いちおう、これだけ見ておけば、この映画、見たって言えるだろう。全部見なくたっていい。あなたはあなたの人生を生きるべきよ。私になんで関わるの。あなた、自分に嘘ついている、と、思わないの。
おそらく、たぶん、きっと、この映画は面白いと思う。結局最後までみることになるのだろう。たぶん、思うけど、この映画って、あんまり経費かけてないよな。山と人物の風景で、ずっと繋いでる。雪のシーンとかきれいだけどね。
きっとこの映画、大画面で見たらきれいかも。うちの小さな40インチだかの小さな画面では、この程度なのかも。もっともっときめ細かに見るべきかもな。酒もさ、もっとピタってあうものあるのかも。
ああ、いやだなぁ。若いって、いやだな。もう戻りたくない。ファンタジックで、リアリティがあって、原寸大だ。もちろん、チャンバラはない。淡々と、ノーマルな時間の運び。この世に、ノルウェイの森っていう小説があって、ノルウェイの森って映画がある、ってことは一応確認した。これって、やはり、名作かな。つっけんどんな、僕にも、少しづつ入ってくる。
もう9時だよ、一旦DVD止めて、テレビ見るの。いやいや、最後まで見るよ。もういちど、この映画見る気ないでしょ。テレビのほうは、途中から見たっていいよ。若い人たちの感傷だな。誰にも、こういう若い感傷あるよね。だから、みんなに受けるんじゃない。って、誰もがみんな一度は若かったんだし。
おれ、若い時、紀伊半島の先端で、一晩海岸で寝た時、こんな感じだったな。18だった。あんとき、幽霊がでたんだ。怖くない幽霊。話をした。会話はきちんと成立したんだよな。熊野の神様だと思うよ。あの時、あんだけ絶望しなかったら、サニヤシンになんか、なるわけないよな。
私がいたことを、いつまでも忘れないでほしいの。私がこうして存在していたことを、いつまでも覚えておいて欲しいの。どうかな。結局、忘れることなんかできなかった。 でさ、韓国の監督が撮影して、日本語映画になってるけど、これって、韓国語にできなかったのかな。思いっきり、韓流映画にしてしまったほうが、よかったかも。
もう戻りたくないね、あの時代。もう、戻れるわけないよね。すべての意味において。公衆電話と黒電話だけが昭和。なにもかにもが、現代であり、時代を超えている。いまどこにいるの。わからない、どこにいるんだろう。暗転。
まぁ、こんなもんだろうね。入れ込んで読んでないからだけど、大体こんなもんだろうね。そうかなぁ、こんなものかなあ。この映画、性に対するコンプレックスで始まって、最後までそのまま行くよね。小説では、もっと別なシーンがいっぱいあったよね。中学生の春休みの読書課題にするような小説を映画化したなんて、思えないよね。
あのエリートだってさ、恋人に自殺されて、初めて自分がやった間違いを後悔するわけでしょ。そういうとこが、でてないよね。寮の友人が、伸びきったビートルのテープを聞いていたりする、あのシーン、好きだったのに、でてこなかったよ。
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