「来たるべき地球人スピリット」<11>森の生活
「来たるべき地球人スピリット」--読書ブログから見たポスト3・11--
<11>森の生活
ヴァーチャルなライフスタイルが深化すればするほど、リアルなアナログ生活がバランスをとることになる。そもそも、一時は農業大学校に入って、農業を目指した人生である。大病を患い、肉体労働はドクターストップがかかってしまったために、断念したとは言え、どこかアウトドアライフにあこがれを持つのはどうしようもない。
山尾三省やゲーリー・スナイダー、あるいは宮沢賢治と言った人々が、本当に農業をやっていたかどうかは、意見が分かれるところであろう。現実的な生活のかかった産業としての農業は、そう甘くない。甘くはないが、農業が魅せる世界は大きい。
病弊していく農村、東北の主なる産業の農業は、もはや完全に斜陽になっている。そもそも金では換算しきれないのが、農業であり、農村暮らしである。いつか、何かのきっかけで、農業回帰できないか、という思いの中で、一つの可能性がやってきた。
2010年に見つけたひとつのきっかけは、私に大きな可能性を与えた。標高700メートルの山地とはいえ、数万坪の敷地は、かなりの魅力を持っていた。夢が膨れ上がった。それまで読んできた本と、リンクした。ソフトとハード、うまくかみ合う筈だった。
雪が溶けたら、ベースを作り、年間計画通りイベントを行ない、数年かけて、完全にこの地を機能化できるのではないか。夢は広がった。そして、その夢は、決してすでに萎んでしまった、と決めつけるわけにはいかない。いずれはそういう方向に行かざるを得ないことは分かっている。
春になって、現地で仲間たちとミィーティングを行ない、さぁ、スタート、というタイミングで、あの3・11がやってきた。
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