「来たるべき地球人スピリット」<7>ボランティアってなんだ
「来たるべき地球人スピリット」--読書ブログから見たポスト3・11--
<7>ボランティアってなんだ
そもそも私は特別に公共心にあふれていた人間だとは思ない。公共性のない人間とも思わないが、まぁ、まずまず平均的な人間だろう。小学校時代は「道徳」の時代がそれとなく好きだったし、中学校時代は、バスケット部や、新聞部と同時に、「JRC」つまり子ども赤十字クラブに属していた。所詮校内のゴミ拾いをしていた程度であるし、特段に目立っていたわけではない。
そんな私がボランティアを意識して始めたのは85年ころからの、某自殺防止機関の電話聞き取りサービスである。キチンとしたボランティア活動であり、一定期間の教育を受け、手弁当持ち出しの活動だ。自分達で維持するための努力を重ねていかなければならない。
この時点で、私は、ボランティアという意識より、電話相談員という意味合いのほうに重きを感じていた。その活動は、瞑想カウンセリングや、産業カウンセリングという概念の中で、ややボランティア性を薄めていった。
私が、ボランティアという基本に戻ったのは、93年の、社会性の希薄性に起因するダークサイドへの落とし穴に気づいた時あたりからである。私はそれから、積極的にボランティア活動をした。自らの思考の可能性を拡大し、行動範囲をさらに広げた。
最初は、偶然やってきた、子供たちの登校時における交差点での旗振りだ。PTA活動の一環ではあったが、母親達に混じって、子供たちを見送っているだけで、なんだか、とてもいいことをしているような気になった。次にやってきたのは町内会の班長さん。資料の配布、ごみ収集場の清掃、お祭りの準備、かたづけ、年中行事の裏方さん。自らの世界に閉じこもっていては見ることができない景色を、たくさん見ることができた。
まもなく40代を迎えようという時に来たのが、町内会に青年部を作ってほしいという話だった。中年になって青年部とはこれいかにとは思うが、壮年、老年が多い町内会活動においては、40才前後で活動的な青年は貴重である。私は、積極的に参加した。これがなかなか面白かった。意外や意外、結構、手を上げて参加する若者たちも多くいたのである。
下の子がまもなく小学校を卒業しようという段になって、登場したのが、子供たちの父親による、父親の会である。これも面白かった。いたずら小僧が、そのまま大きくなったような父親たちが、続々湧きだした。ミニ四駆大会。学校キャンプ、ミステリー・トレイン、まぁ、よくもこれだけアイディアが続くものだ。父親たちは、子供たちと遊ぶのが大好きだ。そしてもちろん子供たちも父親と遊ぶのが大好jきなのだ。
そんな動きを誰かが見ていたのか、今度私にやってきたのは、中学校のPTA活動だった。そんな~~~。そろそろ仕事に戻ろうと思っていたのに~~。個人的な趣味もやりたい。遊びたい。だけど、PTAもやってみれば面白い。また、参加しているからこそ分かってくるということもたくさんあった。もちろん、校内の不祥事もあった。ひとつひとつが、想い出である。そして、学びであった。
私は高校PTAでも深くかかわることになった。中学校ほどではないよ、と、誘われ、仕方なく関わったものの、なぜか、わが高校の野球部は、県内大会で優勝して、甲子園に乗り込むことになったのである。それにしても、その資金が必要でしょう。私は、甲子園出場支援実行委員会の委員長として、資金集めに奔走することになった。
そして大会後、余ってしまった資金で、野球部の雨天練習場を作ることになったのだから、物語はどこまでも続く。公共事業の建設に準ずるようなプロセスで、私は入札行為の主体になって、建設計画を全体的に進める立場になってしまったのだった。
もうその頃は21世紀になっていた。高校PTAの後も、経歴を見込まれたか、県の教育委員会外部委員として、校長さん達や教育委員会の幹部連に意見を求められる立場になっていた。子供が巣立っても、なかなか、この動きから離脱することができなかった。
同時期においては、業界団体のボランティア活動も待っていた。そもそも別段避けようと思っていたことではない。私は積極的にその渦の中に入っていった。事務的な会議の他に、河原清掃や、交通安全キャンペーン、他のイベントへの参加など、楽しむネタは沢山あった。
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