「アイ・アム・ヒッピー」 日本のヒッピー・ムーヴメント’60-’90 山田 塊也<3>
「アイ・アム・ヒッピー」 日本のヒッピー・ムーヴメント’60-’90 <3>
山田 塊也 (著) 1990/05 第三書館 単行本: 324p
★★★★☆
>「ヒッピー」という言葉
もともとしっかりした概念があったわけではない筈だが、日本のメディアを通じてこの言葉が紹介された60年代後半に、すでにさまざまに脚色されていたと思う。当時のフラワーチルドレン、カウンターカルチャー、スチューデントパワー、ドロップアウトなどなどと、いろいろまぜこぜに紹介されていた。もちろん自覚的なヒッピーもいたわけだけど、ファッションとしてヒッピーを取り入れていた層も相当厚いと思う。
ポン(山田塊也)は、まさに日本のヒッピー・ムーブメントの中心地近くにいた代表的な人だけど、それぞれユニークなパーソナリティの中にあって、ポンは必ずしも標準的(??)なヒッピーとはいえないよね。
70年代後半にはすでにヒッピーという言葉は死語となっていたのだけど、90年になって、ポンが敢えて「アイ・アム・ヒッピー」と言い切って、過去30年を総括してみせたのは、素晴らしかった。
しかしそれは、たとえば唐十郎がテント演劇などが下火になってから、敢えて再び「アングラ」という原点に復帰しようとしたのと似ていて、時代的背景がすっかり変わっているのだから、アイディンティティの再確認という意味はあっても、再び何かを明確に取り出すには、ふさわしい言葉にはならなかったと思う。
>他の言葉が欲しいよね。
さて、どんな言葉がとびだすか楽しみ。
(2006/02/28記 mixiコミュより転載)
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