「原発ゼロ世界へ 」ぜんぶなくす 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章<2>
「原発ゼロ世界へ」 ぜんぶなくす<2>
小出裕章 2012/01 エイシア出版/出版共同販売 単行本 309p 京都大学原子炉実験所助教
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<23>から続く
「来たるべき地球人スピリット」--読書ブログから見たポスト3・11--
<24>小出裕章
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シリーズ「ありがとう」<14>小出裕章
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最初リストアップした時には、真っ先に思いついたのに、書き込み準備をしていた時に、どうも書き落としてしまったらしい。この人を「来たるべき地球人スピリット」として捉えるよりも、どちらかと言えば、シリーズ「ありがとう」で捉えるほうが、よりウェイトが大きかったからかもしれない。
分からないことは専門家に聞くことに限る。自分の分野以外のことまでに、いちいち調べなくてはならないなんて、本当は異常なことだ。大体において、通常の民間人が、原発の原理を調べたり、放射線量を何マイクロシーベルト毎時なんて気にするなんておかしなことだ。
ところが、その専門家という奴が、どうも怪しい。専門家と自称する連中の言っていることがバラバラだと、ああ、こいつら、どいつもこいつもインチキ野郎だなぁ、と思ってしまうと、なんだか、自分の人生そのものがいい加減に思えてきてしまう。
そういういわゆる原発の専門家たちの中において、唯一と言っていいくらいに当ブログが信頼を置いているのが、この人、小出裕章氏である。彼を原発の専門家ということにやや躊躇する。もちろん、原発の専門家であることは間違いない。しかし、それでは、なにか言い間違っている。
この人は、科学者である。信頼できる科学者、と言ったほうがいい。たまたまこの人の分野が原発だった、というだけだ。そして、この人を科学者と言ってしまうことにも躊躇する。この人は、人間だ。信頼すべき人間だ。この人が、たまたま自らを科学者と自称し、原発を生涯かけて研究してきた、ということなのだ。
そして、この人を、ただただ、人間、とだけ表現してしまっていいのだろうか。おそらくこの人は、地球人としての視野と自覚を持った人間なのだ。そして、このような存在、このような生き方こそは、信頼されるべき、人間の在り方なのではないか。
この人は、ずっと私達の傍らにいてくれた人である。ずっとずっと側にいてくれている。そういう有難さがある。あらためて、ここで「ありがとうございました」と言っておきたい。
この人は科学者でありながら、科学一辺倒な人ではない。この人を貫いているのは、ヒューマニズムだ。彼の宮沢賢治論を見てみたらいい。彼が座右の言葉としている田中正造への傾斜を見てみたらいい。
結果として、「来たるべき地球人スピリット」人物編をこの人で締めくくることができたことを嬉しく思う。
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