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2014/04/27

「来るべき種族」 エドワード・ブルワー=リットン 小澤正人訳 <2>

<1>からつづく 

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「来るべき種族」 THE COMING RACE <2>
エドワード・ブルワー=リットン 小澤正人訳 原作1881 出版2007/11 連絡先愛知県立大学文学部英文学部 小冊子 p132

 そんなに長い小説でもないし、面白くない小説でもない。だけど、例によって、私の小説の読み方は遅い。途中まで読んで、今のところ、一時ストップしたままになっている。さあ、もう一度、心入れ替えて、読むぞー、と思っていたところで、SNSつながりのk-komoriさんの日記に、なんとリットンの名前が登場した。

 おお、と思い、「COMING RACE」について質問したところ、新たなる情報を提供してくれた。許可を得て、ここに転写することにする。

「リットンとブラヴァツキー」

いまリットン関係の記述を調べていると、昨日の記述がちょっと不正確であったことがわかった。

ブルワー・リットンという名前が出てきたら、みな『ザノーニ』の作者のブルワー・リットンだと思って読んでいたのだが、よくみると、ジョージ・ブルワー・リットンという名前とエドワード・ロバート・ブルワー・リットンがいる。

おや、よく似た名前だなと思ったら、親子らしい。前者が小説家、後者がインド総督になっていて、どちらも身分の高い貴族である。

1879年に創刊された"Theosophist"の第二号(1879年11月)で、インドでの神智学布教活動に関して妨害や邪魔が入るのを、ブルワー・リットンが神智学のために戦ってくれていることに感謝する記事がある。息子のインド総督のブルワー・リットンが、神智学のシンパないし神智学徒だったから、インドでの布教が当時は割合うまくいった面があるだろう。そのことにブラヴァツキーがふれた記事の中で、インド総督ブルワー・リットンの父についてブラヴァツキーが次のように述べている。

『ザノーニ』『来るべき種族』『不思議な物語』の作者であるブルワー・リットンは、数少ない真正な、神秘的(mystical)な著作家であり、あらゆる神智学徒にとってその名前は親しく神聖なものである。リットンの名前は、単に文学者のみにとどまるものでなく、それ以上のものがある。(全集2巻141-142頁)

昨日の日記に書いている、ブラヴァツキーと手紙のやりとりがあったというのは、息子のエドワード・ロバート・ブルワー・リットンの方だった。ブラヴァツキーがリットンの本を書評しているというリストにはあるのだが、その書評そのものが全集の中には残念ながらないようである。

息子のリットンは、その後のブラヴァツキーの文章中にも頻出していて、どうやらこちらは神智学に入っているようである。
k-komoriさんの日記 2014年4月26日 00:56

 彼には「英文学の地下水脈」(小森健太朗 2009/02 東京創元社)などの研究がある。私には細かいことは分からないが、とにかく、上の一文を読んで、ゾクゾクッときた。なんでなんだかよくわからないが、こちらの知性というより、情動に訴えかけてくる何かがある。なんでだか、わかりません。

 なんでこの小説やこの作家リットンに私がこだわっているのか、自分自身でもよくわからない。自分でわからないものを、他の人がわかるわけがない。だから、すこし控え目に書いてきているのだが、自分では、いつまでも分からないものだ、とは思っていないのだ、不思議と。

 でも急いで分かろうとしていないのも不思議である。いつか分かる時に分かるだろうと、いい加減ほっぽいている、という感じがする。でも、ほっぽいている割には、決して忘れていない、というのが、我ながら、ますます不思議である。この作家とこの小説には、何かがあるといまだに感じている。

<3>につづく

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コメント

今となっては、この人物を猟奇的視点から眺めることは避けるべきだろう。敢えて今後もこだわりを持つとするならば、「ペンは剣より強し」という言葉のルーツと、我が人生の繋がりについてであろう。10歳の私にこの言葉を繋いだのは、当時の担任だった越前千恵子先生であったに違いない。では 先生は、どのような思いで、私にこの言葉を繋いだのか。正義感の強かった先生。純粋だった先生。現実にも真っ向からぶつかって行った先生。挫折や 優しさも知っていた先生。彼女との繋がりとの、トライアングルを感じている、と今は記しておく。

投稿: Bhavesh | 2018/08/27 01:13

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