「一万年の旅路」―ネイティヴ・アメリカンの口承史 ポーラ アンダーウッド著 星川淳・翻訳
「一万年の旅路」―ネイティヴ・アメリカンの口承史
ポーラ アンダーウッド著 星川淳・翻訳 1998/05 翔泳社 単行本: 545ページ
Total No.3206 ★★★★★
この545ページにわたる書物をゆっくり読むことはしなかったが、その成り立ちからして、とても貴重な本のように感じられた。文字を持たないイロコイの人々が口から口へ、親から子へ、語り伝えてきた口承史の、正当な継承者の女性による英訳出版だ。「人類共有の財産」との評価もある。
「The Walking People」を「一万年の旅路」とするあたりに、かつて「Supreme
Understanding」を「存在の詩」とした翻訳者のセンスが光る(イヤミっぽいかなw)。
話は変るが、最近、害獣駆除で地元の山中で仕留められたというイノシシの肉のおすそ分けがあった。話のネタにと、さっそく塩焼きにしていただいた。決して悪臭ではないが、特有のハイテンションを感じるにおいが細く残り、肉そのものは脂肪分や筋が多く、なかなか噛み切れない。しかし、山々の植物や小動物たちの存在が、どことなく感じられた。
この本、表紙の絵もバッファローの群れがデザインされているが、まさに、イノシシ肉にも通じるような、原始の野生の香りのする本だった。
「ネィティブ・アメリカンの口承史」とはいうものの、一般的には、「東日流外三郡史」(つがるそとさんぐんし)にも通じるような「偽史」に分類されかねない分野の本だが、この物語から何かを学べるとすれば、その魂は祝福されている、と思える。
(2006/02/22記) mixiコミュより転載
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