山崎浩一の「世紀末ブックファイル」 1986‐1996
山崎浩一の「世紀末ブックファイル」 1986‐1996
山崎 浩一 (著) 1996/04 小学館 単行本 253ページ
Total No.3246★★★★★
1995年4月に、コイツは「週刊ポスト」にトンデモないことを書いている。あれを読んで以来、こいつはいつか一矢報いてやろうと、構えていた。ケチをつけるにしても、まずテキを知らなければならない。そこで何冊か書いているらしい本として取り寄せてみた。いったい、コイツ何書いてんじゃい?
って、鵜の目鷹の目で、パラパラめくってみたのだが、はっきり言って、こいつ、面白い。タイトル通り1986年~1996年の10年間にわたって、DIME誌に書いた文章がまとめられている。一般に流通している雑誌であるがゆえに、編集者の手を通り、多くの読者の目にさらされてきた文章だからだろうが、そうとうに洗練されている「雑文」だと言える。
こいつ、トンデモない奴だと思ってきたが、私とは二次の繋がり。多くのルートがある。場合によっては、壁ひとつの隔たりだったこともある。なんじゃぁ、隣人かよ。時には、「名前のない新聞」のあぱっちと数年にわたって、同じフロアを共有していたらしいから、ほとんど他人として罵ってはいけないな。すこし、トーンを落とそう(汗)
最先端のテクノロジーによる未来のコミュニケーションを模索し創造し続けている<MITメディア研究所>の活動をルポした「メディアラボ」は「第三の波」や「メガ・トレンド」が提示したよりも、さらに鮮明で新しい未来のヴィジョンを見せてくれる。
あらゆるメディアをひとつのテクノロジーとして扱う<情報の収束現象>と、情報が双方向に流れる<対話性>が、この本全体のキー概念だ。
ヒューマニズムと情報民主主義へのあまりに楽観的な信仰と、産業共同体の影が随所にチラつくのがやや気になるうらみはあるものの、少なくとも今ぼくたちの周囲で進行しているテクノロジーの進化が、全体としてどんな意味と可能性を持っているかは、把握することができる。
ちなみに著者はあの「ホール・アース・カタログ」の編集発行人。p45 1988/07/07 「耳タコ的常套句<コミュニケーション>の正しい意味」
「メディア・ラボ」を初めとするWECやスチュアート・ブランド関連を読み込み中の当ブログとしては、この本を見つけたのは貴重だ。このブックファイルには、当時の数百冊の本の書評が含まれている。
冷やかし半分で開いた本書であったが、これはいずれ、ゆっくり通読する必要がありそうだ。後日にためにとっておこう、
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