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2014/05/25

「ミシンと日本の近代」 消費者の創出 アンドルー・ゴードン<2>

<1>よりつづく   

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「ミシンと日本の近代」―― 消費者の創出<2>
アンドルー・ゴードン   (著), 大島 かおり (翻訳) 2013/7 みすず書房 単行本: 434p

日曜の午前中、ケータイのベルが鳴る。

G「もしもし、元気? お久しぶり、Bってさ、ミシンに詳しいよね。ちょっと質問があるんだけど」

B「まぁまぁ、知らないわけじゃないな。どうしたの?」

G「ぼくの彼女がミシンが欲しいっていっていて、中古ってどうなの?」

B「中古ねぇ。どうして中古が欲しいの? 昔のとか、欲しいものがあるのかな」

G「いや、こだわっているわけじゃないが、ぼくはほらお金ないからさ、安いのがいいかな、と思って」

B「う~ん、必ずしも中古だから安くていい、ってことはないよ。今だったら、結構新品で使えるミシンが安価で流通しているよ」

G「大体どのくらいするものなの?」

B「それはピンからキリまでだけど、まぁ、3万もだせば、いいのが手にはいるよ。もっと安いのがいいのかな・・?」

G「その位ならなんとかなりそうだけど、メーカーとか関係ないの?」

B「例えばシンガーなんてブランドは今はインチキと言われるようになっているよ。ブラザーやジャノメってのもあるが、ジューキはまずまずミシンが好きな人たちには人気があるんではないかな」

G「へぇ、そういうメーカーがあるのね。ジュ・-・キ、ね。今ネットを見たら、15万とか20万って書いてあるよ」

B「それは、ミシン屋さんのためのミシンであって、通常使うミシンなら、そんなのは要らないよ。彼女ミシンで何したいんだろうね」

G「服とか作りたいらしい」

B「服をつくるなら、ふちかがり機能があるジグザグミシンが必要だね。ミシンには、家庭用、職業用、工業用とあって、家庭用は普通のわれわれの家庭で使うもの、職業用は背広とか職人さんが作る時に使うもの、工業用とは工場などで動力と繋いで使われるもの。一般的には家庭用で十分だよ」

G「ジューキのページを見ると、コンピュータミシンとかロックミシンとか書いてあるよ」

B「ロックは、さっき言った、ふちかがり専門のミシンで、服を作る人なら欲しがるだろうけれど、ジグザグミシンでもその機能を果たせないわけではない。ロックミシンはそれ専門で、切りながら縫うけれど、ジグザグミシンは切った後に、そのふちをかがるわけだね。」

G「う~ん」

B「家庭用にはさ、さらに三種類があって、電動ミシン、電子ミシン、コンピュータミシンってのがあるんだけど、電動はモーターが付いていれば電動ミシン。いまや足踏みミシンはないからね、全部電動ミシン。で、電子回路が組み込んであって、いろいろな模様が縫えるようになるのは、電子ミシンと言われている。それにもっともっと付加価値をつけたものが、コンピュータミシンと言われているけれど、実際は、そんなもの必要とする人は少ない。一般的には、電動ミシンで十分」

G「なるほど。安いものでも十分なんだ」

B「そうだね、価格コムなどで情報を得て、家電店やホームセンターなどで現物を見て、あとは実際に触ってみれば、買いだと思うよ」

G「あれ、ネット見ると、ブランド品でも2万とか、1万五千円なんてのもあるね」

B「そうだよ、現物見て気にいったら、それで十分だよ。リサイクル・ショップなどに行ったら、それこそ、昔20万もしたような高級ミシンがゴロゴロ8,000円位で売っていて、分かっている人なら、それで十分だが、あまり慣れていない人なら、むしろ調整するのが難しいかな」

G「重さもあるよね」

B「昔はポータルブルミシンで10キロくらいの重さがあったが、いまじゃ、3キロなんてのもある。まあ、あまり軽すぎると布を縫っている時に倒れたり、モーターの振動で揺れたりする可能性があるので、出きれば4~6キロ程度がいいんじゃない。1~2キロなんてのは、リカちゃんミシンのようなおもちゃと考えた方がいい」

G「う~ん、なんとなく分かってきた。どうもありがとう。彼女に話してみるね」

B「お役にたてればうれしいです。またね」

<3>につづく

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