「いのちのレポート1980」出産・子育て・そして性をひらく 「やさしいかくめいシリーズ2」
「いのちのレポート1980」出産・子育て・そして性をひらく
やさしいかくめいシリーズ2 1979/11 プラサード出版 B5判 253ページ
Total No.3260★★★★☆
創刊号の方は語られるが、こちらの二号のほうはあまり語られることは少ないようだ。当ブログでも初出のようだ。今あらためてこの一冊を手にとってみると、さまざまな想いが去来する。今回は、本文に入らず、ざっくりと周辺の印象をメモしておくことにとどめる。
このムックの経緯については、最近、編集長だったあぱっちが「スペクテイター」誌30号に「『やさしいかくめい』創刊顛末記」を詳しくレポートしているので、そちらも参照していくこととする。
この号はまず編集が「末永蒼生+浜田光+星川まり+細田喜久江」、となっている。あらためて当時のスタッフやその周辺のネットワークが思い出される。30人ほどいる執筆者の中には、今になって、ほう、と思うような人も含まれている。
詩人、ジャーナリストとして塚本晃生の名前が見える。この方がどのような経緯でこの雑誌に執筆することになったのか不明だが、この方の「もし僕らが生き続けるなら」 自由の世界への出発(1972/12 大和書房)に、取材を受けた当時高校生だった私が登場している。内容はともかく、このタイトルが大好きである。「もし僕らが生き続けるなら」。
ジャズピアニストとして菅原秀の名前も見える。この後、翻訳者、ジャーナリストへと転身していく方であるが、当時の肩書としては、極真空手山形支部員も加えられている。そのほか、永田朝路、新島淳良、兵頭桂子、菊田昇、村瀬春樹、などなども、今回目についた。印刷所もCCC印刷となっているのは、同慶にたえない。
リアルタイムで、この雑誌の編集過程をそれなりに知っているので、客観的にこのムックを評価したり語ったりできない。思い入れがありすぎる。ただ、私はこのムックを持っていたのだが、いつの間にか紛失してしまった(探せばでてくるかも)。幸い近くの図書館に収容されているので、私はいつでも見ることができるわけである。
テーマとなっている「出産・子育て・そして性をひらく」も、軽めのようでいて、実に重い。深く潜行すれば、限りなく広がっていくテーマである。このテーマに向かって、当時のスタッフやネットワークが、雑誌のテーマということではなく、生活丸抱えのリアリティの中で探求を進めていった、ということに、深い感動を覚える。
この本が出たのは1979年11月。やがて80年代の地平が切り開かれる未明の中で、何年もじっくりと探求されていった、そのことのレポートとして、このムックを読めば、いまあらためて、関係者の心境を思い知ることができる。
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