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2014/07/25

「ニュー・ライフ・ヴァイブレーション」 地球の子供たちから愛をこめて 今上 武蘭人 <4>

<3>からつづく

Nlv
「ニュー・ライフ・ヴァイブレーション」地球の子供たちから愛をこめて<4>
今上 武蘭人 (著) 1976/12 ブロンズ社 単行本  221ページ
★★★★★

1)この本、なかなか面白いのだが、ついに貸し出し期限が切れてしまった。本日返却しなければならない。本来であれば、さらに二週間延長できるのだが、司書さんたちの懸命の手配により県外である関東圏の図書館から転送されてきた本であるので、延長はできないのだ。

2)リアルタイムで著者の活躍を知っていた私としては、今回この本について書くことによって、もっと現在の著者についての情報が集まってくるものと期待していた。しかし、今のところ、まったく手掛かりなし。残された本が一冊。あとは、販売用の古書が二冊、売りに出ているだけだ。

3)この本、古書で4200円。微妙な値付けである。買いたいと思えば買えないわけではない。しかし、我が友ニュートンの蔵書のように、私がいなくなれば、いずれ遺品回収者の手を煩わせることになるだけだろう。もう蔵書は増やしたくない。

4)しかし、この本を買えない理由は、もっと他にありそうな気がする。少なくとも二つの点において。

5)一つは、やはり、本を作った当事者が2014年の現在、しかとした存在として認知できないこと。つまり宙ぶらりんなのである。どんないいことが書いてあっても、貴重な一冊であったとしても、そこからの発展経路が見えないと、面白くない。別段、当ブログは古書を愛しているわけではないのだ。そこから現在の地平までどう繋がっているのかを感じたいのだ。

6)二つ目は、この本は、どうも「夢」見過ぎている。つまり、貴重な情報がたくさん詰まっているのに、それをリアリティに置き換える時、やや恣意的にぼかし過ぎている。つまり、自らの方へ引きづり込んで、自分の味付けをしすぎているのだ。それもこれも、決して当時の一冊として見た場合、この本だけが責められるわけではない。しかしながら、原点に帰れば、やはり、書いている「主体」が見えてこないことには、やはり、夢まぼろしを見た一冊、と言ってしまうことになるのではないか。

7)この本は多くの協力者で成り立っているのだが、表紙を書いたとされる山崎某という人の存在も、実は気になる。この人はすでに10冊以上の著書を表している人でもあるし、また、メディアの中に一定程度の位置を占めているような存在である。しかしながら、大きく見れば、現在の彼の存在は、この本の延長線上にはないだろう。ある意味、そこに唾棄して、敢えてそこから「脱出」してしまった方である。

8)つまりだ。この本に取材されている人々の動きは、いまだに脈々と息づいているのに、取材した側は、悪いけど、全部腐っている、と言ってしまいたくなるのだ。当ブログは別に読書のための読書をしているわけではない。本が面白ければそれでいい、という訳にはいかない。むしろ、本やその他の表現物に表されなかった部分にさえ、もし共感できるものがあるとすれば、フォーカスし、小さな情報でも集めたい、と思っているのだ。

9)そもそも今上は一体、何をしているのだ。死んだのか、生きているのか。狂ったのか、病院にでも収容されているのか。もう別人格で世渡りしているのか。それが分からない。これだけのことをして、あとは知りませんでは、ああ、情けない。それは悲しすぎるだろう。

10)彼らの書いた文章はともかくとして、協力者達が提供した文献や画像は、貴重なものが多数収容されている。できれば、あと少なくとも数点、画像を当ブログにアップしたかった。多分、仲間内では大うけすること間違いない。みんな、まだまだ、「生きている」。この本が出てから40年近く経過しても、人間なんて、そう変わるものではない。あの当時の意識を携えて生きているのである。

11)ああ、どうも私の想いは空回りするばかりだ。今回はこの辺で終わりにする。再開を期す。だれか、この本について、あるいは著者について、もっと生きた、現在の情報があったら、教えてください。生きていく人間があってこその文化であり、アートであり、表現物である。表現者なくして表現はない。

12)ニュー・ライフ・ヴァイブレーション。このタイトルの意味を、活かすのか。殺すのか。笑い話にして立ち去るのか。あるいは、そこに命をかけて、生きるのか。問われる。もちろん、私も問われている。

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