「宮沢賢治 」存在の祭りの中へ 見田宗介 <2>
「宮沢賢治」―存在の祭りの中へ <2>
見田 宗介(著) 1991/8/12岩波書店 同時代ライブラリー 新書 290ページ
Total No.3317★★★★☆
石川裕人(ニュートン)蔵書市の第14弾。私もすでにこの本を読んではいたが、1984/02岩波書店発行の、古いヴァージョン。読んだのは2012/02/18だからごくごく最近のこと。宮沢賢治と山尾三省の繋がりのなかで読んだのだった。
この本はいくつかのヴァージョンがあるようであり、収蔵のされ方によって、すくなくとも4種類以上はあるようだ。ニュートンは、この1991/8/12発行の本を1991/8/21に読了(あるいは購読)している。巻末の鉛筆メモにはそう記してある。いずれにしても、まいど相変わらずの速効で読みたい本は直ぐに購入しているようだ。
本書では、元本になかった「補章 風景が離陸するとき シャイアンの宮沢賢治」p255以下、およそ25p分が追補されている。彼はこれが読みたかったのだろうか。あるいは初読だったのかは、明らかではない。
アメリカ原住民シャイアンの人タシナ・ワンブリが日本に来て、宮沢賢治に強く魅かれ、「鹿踊りのはじまり」や「なめとこ山の熊」をシャイアンの使うことばに訳して書き送ったところ、アメリカに住む原住民の人たちのほんとうに深い共感を呼んだという。
彼女が日本に来て親しくなった日本の友に、シャイアンに伝わるいくつかの話をしたところ、その友人がおどろいて、「日本にもそれと同じ話がある。」と語ってくれたのが、賢治のいくつかの童話だという。
賢治が自分の童話集の序に、
これらのわたくしのおはなしは、みんな林や野はらや鉄道線路やらで、虹や月あかりからもらってきたのです。 (「注文の多いレストラン」)
と記しているのは、ふつう言われているように賢治の謙遜でも空想でもなく、ほんとうのことだとわたしは思う。
それは文化を超えナショナリティを超えて、人間が動物たちや、木や石や虹や月あかりたちと直接に交わるところで、これら気層と地層の綾なす現象の語ることばに、ただ心をすきとおらせて耳を傾け、刻(しる)されたことばにちがいないからだ。p279見田 「補章 風景が離陸するとき」
石川作品には賢治にまつわる話は多い。今回の蔵書市でも、他にも賢治関連本を入手してきた。それらとの関連で、いずれ、まとめて眺めてみることにしよう。
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