« 「ツリーハウスで遊ぶ」 ポーラ ヘンダーソン | トップページ | 「蝶を放つ」 長澤 靖浩 <2> »

2014/09/07

「バックパッカーズ読本 保存版」 旅行情報研究会

91hrlm17bul
「バックパッカーズ読本」保存版
旅行情報研究会(著), 『格安航空券ガイド』編集部(著) 2014/7 双葉社 単行本 288ページNo.3329

 ぶらりと立ち寄った図書館の入り口にある新刊本コーナーにこのような本があると、やはりすまして通り過ぎることはできない。まずは手にとりパラパラとめくり、そして借り出すことに。読みだすまでは時間がかかったが、やはり、この手の本は面白い。なんだか、魂をくすぐられる。

 私は現在60才。旅を始めたのは16歳の時だから、もうだいぶ前のこと。高校生だった私の最初の旅は自転車の旅だった。通学用の自転車に、体育の時間に使う運動着を着て、後ろに最小限の必要物を積んでバイパスを走り出した。

 自転車の旅も快適だったが、結局は山越え峠越え、長距離となると、自転車まるごとトラックの荷台へとヒッチハイクということが多くなり、次回からは、結局バックパックひとつの旅となった。

 世界を渡り歩いてきた猛者どもの前では、私の旅などほんの可愛いものだが、それでも、こうして還暦も過ぎてみると、旅に費やした日々と言うものは、ほんの短い日々ではあったが、わが人生の中でも、極めて重要で貴重でリマ―カブルな日々である。ぜひぜひ若い人々にも旅を進めたい。

 って、今の自分だって、本当は旅が必要なのかもしれない。

 この年になって、いまさら国内をバックパックでヒッチハイクはしないだろうし、ローカル線を乗り継ぐような旅なら、いまさらバックパックはないだろう。軽めの荷物を肩にかけるか、小さな車のついたバックを引っ張るスタイルがせいぜいだ。

 ましてやヒッチハイクなんて考えもつかない。せいぜい、ベーシックハイブリット車で軽く荷物を詰めてお出かけ、ってスタイルだろう。もっとも、最近は、近場の日帰り温泉まで足のを伸ばし、帰り道にある道の駅で晩飯の材料を仕込み、家に帰って、ハイ、お休み、っていうのが近年の旅のスタイルになっている。

 だが、しかし、それでいいのか、という、魂の奥から声もあることは確かなのだ。

 この本、いろいろ書いてあるが、私は結局、なんだかんだ言っても、旅におけるネットやWiFiの繋がり具合や活用状況が書いてあるところが一番気になった。ノマドという言葉が今でも流行っているかどうかしらないが、現在の私はノマド環境が好きであり、また必需品でもある。

 おそらくノマド環境があれば、まず私の仕事の80%はできる。だから、地球上、どこにいようと、ノマド環境さえあれば私は仕事ができ、生きていける可能性は80%あるということだ。残り20%も、実は非常に大切なのだが、それはそれ次に対策を考えればいいだろう。

 残っているスタッフ(って、つまり家族だが)に多少の無理をお願いするとか、帰宅してから処理すればいいことなのだ。なにも一年中バックパックして、もうオフィスに帰らないというわけでもない。

 すくなくとも、この本を読む限りにおいては、世界中どこでも(という表現をとりあえずしておく)ネット環境は整いつつあるのであり、あとは、旅する本人の意思ひとつである、ということがわかる。そしてまた、この本においては、ネットを忘れて旅をすることも勧めているが、ああ、それもいいだろう。だが、それは私にとっては、ほとんど生存権を失ってしまうことだ(笑)。

 このバックパッカーズ読本は、日常の生活を振り返ってみることにも役立つし、例えば街の喧騒を離れて山のエコビレッジで暮らす自分の夢のスケッチにも役に立つ。すくなくとも30リットルのバックパックに詰まる程度の荷物で、人は十分に生きて世界中を旅することができるのだ。なにも車いっぱいいっぱいに余計なものを埋め込んで旅する必要もない。

 この本、似たようなタイトルで何冊かでている。シリーズ化しているようだ。この本が人気本になる意味がわかるような気がする。人間には旅が必要であるし、また人生は旅だとも言える。その旅にいかに上手に、そして無理なく快適に出発できるかは、いかに人生を生きるかの鍵でもあるのだ。

 自分の人生の再チェックのリトマス試験紙に、この本は適格であると思う。

|

« 「ツリーハウスで遊ぶ」 ポーラ ヘンダーソン | トップページ | 「蝶を放つ」 長澤 靖浩 <2> »

21)さすらいの夏休み」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「バックパッカーズ読本 保存版」 旅行情報研究会:

« 「ツリーハウスで遊ぶ」 ポーラ ヘンダーソン | トップページ | 「蝶を放つ」 長澤 靖浩 <2> »