« 「マルチバーシティ・ジャパン」 多次元的な「新人類」の星へ<5>統合へのプロセス | トップページ | 「世界のエコビレッジ」 持続可能性の新しいフロンティア ジョナサン・ドーソン<4> »

2014/10/24

「サンショウ」―実・花・木ノ芽の安定多収栽培と加工利用 (新特産シリーズ)内藤一夫<2>

<1>からつづく

51dzfqtaw4l_3
「サンショウ」 実・花・木ノ芽の安定多収栽培と加工利用  (新特産シリーズ)<2>
内藤一夫(著) 2004/04 農山漁村文化協会 単行本: 190ページ
Total No.3332★★★★★

 薪づくりのために、枯れた間伐材をカットしようとしていたところ、どこからともなく良い香りがしてきた。それが山椒の小さな木だったのである。

Imgp2818
 枯れ木の間から芽をだしてきたので、ちょっと折れ曲がって、決して形がよいとは思えないが、それでも枯れやすい山椒としては、なかなか元気に頭をもたげてきた種類のようだ。

Imgp2941
 見渡してみると、たくさんの山椒の木を見つけることができた。山の椒エコビレッジの名に恥じない生態系である。

Imgp2978

 街に帰り、すぐ近くの親戚の家で山椒の話題をしたら、うちにもあるよ、という。拝見すると、蔦類に取り囲まれてはいたが、たしかにあの山椒独特の香りがする。さっそく、蔦類を取り除いてみると、なかなかの古木であった。まもなく60歳になる当主が子供の時に苗を貰ってきて植えたということだから、ほぼ樹齢50年ということだろうか。見事な太さである。

Imgp2979

 サンショウの収量は植え付け後10年目ぐらいがピークで、14年目あたりから徐々に減少してくる。これは樹が衰退してくるために充実した結果母枝の育成が困難になり、また一つ一つの房も小さくなってくるためである。さらに、果粒の着色や肥大も悪くなって品質の低下も問題になってくる。p86 「サンショウ栽培の実際」

 かつて花芽どきになると近所の人が芽を摘んで、佃煮にしたそうだが、最近は来なくなったとか。古老たちが亡くなってしまったからばかりではなく、この古木の樹精が衰えてしまったからかもしれない。

Img_3617
 それではと、最初に見つけた小さな苗を鉢上げして街に持ち帰ってみたが、いまひとつ元気がない。

 サンショウの鉢植えと栽培は、鉢の土壌がよく乾燥するので、常に注意し適正なかん水を行うこと。夏場や春は非常に土壌が乾きやすいので注意し、また、梅雨はかん水がすぎて湿害と酸素不足による生理障害が発生するので注意すること。

 冬季のかん水については、朝の10時ごろに行ない、決して午後にはしない。午後にやると、それが夜に凍結する原因となるので考えなければならない。

 また、鉢の表土の上には、常に水ゴケ、切りワラなどで土壌を保護する。かん水をたびたび行うので、敷き物がないと土がしまり固くなり酸素の供給が悪くなるので、十分水ゴケを施用して土壌の乾燥と固まりを防ぐ。そして常に土壌を適湿に保つことが大切である。p169同上

Img_3623

 サンショウの鉢植え栽培についての鉢の場所は大別して、冬と春は室内に、夏と秋は室外におくのが良いと思う。

 冬場は気温が低く、低湿障害を受けやすくなる。春でも萌芽期は霜害をこうむりやすいので、とくに夜間の置場所については十分検討しなければならない。

 夏や秋でも、雨が直接当たらない家の軒下で、光線のよく当たるところがよい。

 室内の置場所は、とくに日光の当たる明るいところがよい。p168同上

 なかなかデリケートな植物である。長いつきあいになりそうだから、これから少しづつ観察して、よりよい環境を作れるように、研究してみよう。

|

« 「マルチバーシティ・ジャパン」 多次元的な「新人類」の星へ<5>統合へのプロセス | トップページ | 「世界のエコビレッジ」 持続可能性の新しいフロンティア ジョナサン・ドーソン<4> »

21)さすらいの夏休み」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「サンショウ」―実・花・木ノ芽の安定多収栽培と加工利用 (新特産シリーズ)内藤一夫<2>:

« 「マルチバーシティ・ジャパン」 多次元的な「新人類」の星へ<5>統合へのプロセス | トップページ | 「世界のエコビレッジ」 持続可能性の新しいフロンティア ジョナサン・ドーソン<4> »