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2014/11/18

訃報 清水芳孝先生 「花―生殖と遺伝」 (評論社の児童図書館・科学の部屋 6)

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「花―生殖と遺伝」 評論社の児童図書館・科学の部屋 6
清水 芳孝(著), 加藤 俊一(著) 1973/01 単行本: 203ページ 出版社 
Total No.3336 ★★★★★

 喪中の葉書が、奥さまから届きました。清水芳孝先生(東北大名誉教授・生物学)が、今年3月4日に自宅でお亡くなりになったということでした。99歳と11ヶ月の天寿を全うされたということです。

 こころから哀悼の意を表し、ご冥福をお祈りいたします。

 清水先生と私たちの出会いは、1980年代末に遡ります。清水先生はすでに東北大学を退官され、東北学院大学の教授をされておられました。その学生生協の書店で、「反逆のスピリット」をお読みになり、出版社へ読書カードを寄せられたのでした。

 非常に感動した、という内容でした。その連絡を受け、仙台の御自宅に私たち瞑想センターのスタッフがお訪ねした時には、すでに沢山のOshoの本を読んでおられ、私たちを大変歓迎していただきました。

 1914(大正3)年お生まれだから、当時でもすでに70代の半ばでしたが、先生の感性は実に柔らかく、その教養の高さと、受容性にはいつも感動しっぱなしでした。

 八木山の御自宅のちょっと広いお庭は、ほとんど植物園と化していて、ひとつひとつ珍しい植物が植栽され、名札がついていました。私たちが、あれこれお話をお聞きすると、なんの惜しみもなく、私たちに株分けをしてくださいました。

 ツル首ひょうたんや、ホワイトベリー、ほど芋、宿根そば、蝦夷へびいちご、斑入り菖蒲、ツルどくだみ、斑入り山吹、などなど。当時、名前も初めて聞くような植物をいただいては、我が家でも植えてみたりしました。

 1991年の国際環境心理学シンポジウム「スピリット・オブ・プレイス」では、日本における蜂の生態についての講演をお願いしました。日本の旧来のカヤ葺き屋根が、蜂の生態にとっては極めて好都合である、と語られ、満場の称賛を受けておられました。

 同じくシンポジウムで講演した山尾三省氏を紹介し、三人で会場のロビーにあるテーブルで談笑したのは、一生の思い出になりました。清水先生はその後、ほどなくして、他のシンポジウムのスタッフたちと屋久島の屋久杉を巡るツアーに参加されました。実に軽快な人生を送られていた方でした。

 その後、何事かあると、いつも気さくに電話をいただき、私たちも珍しい遠来の友人が来たりすると、先生のお宅にお邪魔して、たくさんのお話をしていただきました。時間をたっぷりとっていただき、沢山の本も紹介していただきました。いつも、奥さまにはおいしいお茶やお菓子をいただいたことも忘れることができません。

 あれから、ずっと一年も欠かすことなく、毎年年賀状をいただきました。先生の年賀状は、前年にどの様な活動をされたかが簡潔に要約されており、ああ、このような後半生を送れるのは、なんて素敵なことなのだろう、といつも思っていました。

 ところが、この1~2年、年賀状は終わりにします、という挨拶があり、その後、どうなさっているかなぁ、とちょっと気がかりでした。ご無沙汰ばっかりで、そのうちまたエコビレッジのことなどについても、ご指導いただきたい、と思っていたところでした。

 そんな折、今日、喪中のお葉書をいただき、あらためて先生からいただいたご厚情を思い返すとともに、先生の安らかなる旅立ちをお祈りいたしました。

 清水先生、ありがとうございました。   合掌

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