「小屋の力」 マイクロ・アーキテクチャー 仙波喜代子/今井今朝春<2>
「小屋の力」 マイクロ・アーキテクチャー<2>
ワールド・ムック仙波喜代子/今井今朝春
2001/05 ワールドフォトプレス ムック 475p
★★★★☆
前回この本を読んでメモしたのは2011/03/06。3・11大震災の5日前のことであった。
私たちの森は、この釜房ダムからやや蔵王山寄りの上流にあり、私が住む街は、そこから流れてできた一級河川、名取川30キロ下流の南岸にある。
いつも私はこの土手をウォーキングしたりミニサイクルで散歩したりするのだが、その土手の河川敷に、昔から、家庭菜園のような小さな農地が広がっている。
中央のやや左寄りの向こうにかすかに見えるのが、私たちの区名の由来にもなっている太白山である。
ここに、実に様々な小さな農機具小屋が存在している。
戦後、政府は困窮した時代から脱却するために、食糧増産政策をすすめ、もともと荒れ地だった河川敷内で農業することを奨励した。
当時の建設省が管理する土地もあるが、もともと個人で所有されている部分もある。
時代は変わって、今はほとんどが個人所有の土地でのみ農業がおこなわれている。
だが、実際は、もともとの所有者が使っているとは限らず、小分けにして、近隣の希望者が、家庭菜園として使っているのが大部分のようだ。
本来は、土手の内側の河川敷は農地ではない。だから現在は農地として奨励されているわけではないが、私有地に限って、荒廃するよりはいいだろうと、家庭菜園レベルの農業が許されている。
家庭菜園とは言え、最小限の農機具が必要となる。
その収納にもスペースが必要になり、小さな小屋が出現することとなる。
本来、河川敷に建築物をつくることは許されていない。水が上がってくるところではないが、万万が一の時は水が上がってくる可能性はある。
だからこそ河川敷にしているわけで、この小屋が流出するようなことがあると、下流に影響がでてくることも考えられる。
現在の国道交通省は、小屋を作ることを認めていないので、利用者たちは、あたかも、農機具を畑に置き忘れたような形で、農業資材や廃棄物で簡易な小屋を作っている。
場合によっては、即撤去を命令されるので(実際そうされた人と話した)、実に簡易に、しかも安価な予算で立ててある。
しかしまぁ、私はこの付近をウォーキングや散歩するたびに、「エコビレッジでパーマカルチャー」っていうテーマを思いだすのである。
この簡易な小屋に住んでいる人はいないが、ちょっと手を加えれば、私なんぞは定住できる(笑)
その中でも突出しているのは、この小屋である。棒や杭などの置き場になっているのだが、材料はすべて河川敷で調達できるものばかりだ。
なんとも魅力的なたたずまいだ。
骨組みは近くの河原に野生している竹を利用している。
どことなくゆとりとユーモアにあふれる一角である。
はてさて、森におけるわがタイニーハウスだが、まずはすでに森にある枕木を大地に置くことは決まっている。
次には、手押し車から外したタイヤを利用して、移動式にしようと思う。
さらには壁や屋根には、この先輩にならって、ススキや葦などを利用したものを考えようと思っている。
あとは柱やガラス窓であるが、これもまた廃棄物として再利用を待っている資材が森にはあるので、これで、かなり構想は前に進んだのではないか、と感じるのである。
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