「小さな家、可愛い家」 世界の一流建築家による傑作タイニー・ハウス34軒 ミミ・ザイガー(著), 黒崎 敏(翻訳)
「小さな家、可愛い家」 世界の一流建築家による傑作タイニー・ハウス34軒
ミミ・ザイガー(著), 黒崎 敏(翻訳) 2012/06 二見書房 単行本: 167ページ
Total
No.3359★★★☆☆
この二見書房のシリーズはとても気になるシリーズである。「可笑しな小屋」 ジェィン・フィールド=ルイス(2013/12二見書房)の中に、お気に入りの一軒があり、そのシリーズとしては、ほとんどの本に目を通しているはずである。
しかるに、この本を以前にメモすることはなかった。なぜであろうか。
今回は、この「小屋」で検索したのではなく、「タイニーハウス」で検索したところ出てきた一冊である。見覚えがあり、なるほど、素敵な一冊であることには変わりない。前回検索した時は「小屋」だった。小屋としては、すこし立派すぎるのではないか、というのが、多分その時の私の感想だったのだろう。
ところが、どうやらタイニーハウスというキーワードも重要だぞ、と気付いたのが最近なので、そちらの視点から見れば、なるほどこれもまた、とても重要な一冊である、と思えるようになってきたのだ。
しかし、やはり私としては異論を唱えたい。この本は「世界の一流建築家による傑作」というサブタイトルがある。これがどうもいけない。私にとっては、「小屋」や「タイニーハウス」は、DIYが基本なのであって、設計も含め、ユーザー自らが行うべきだろう、という思い込みがある。どうもその基準に沿っていないのではないか、とクレームを付けたいのだ。
前回、この本を手に取った時は、そう感じて、この本は、私のブログに似合わない、と判断したに違いない。
今回、またまたこの本を手にとって、そのような私自身の判断基準のゆらぎをも読みこんだうえで、さらにもう一回見直すと、これはこれ、素敵なタイニーハウスがいっぱいである。なるほど~と、うなづかざるを得ない34軒が紹介されている。
私は現在、現場といえるものは3つ+1つ、合計4つ持っている。どれもDIYで進行中であり、DIYである限り、完成というものはない。もうこの辺でいいかな、という妥協はあっても、もう少し、もう少しと改良を加えていけば、どこまでも、終着点はない道行きなのである。
そう言った意味においては、この一冊は、実にインスピレーションを与えてくれる一冊である。もちろん、「一流建築家」の手を煩わせる予定は一切ない。すべて自分の手でやる予定だ。しかし、ひとつひとつに実に手が入っていて、想いもまた素晴らしく込められている。学ぶべき点は多くある。
そのようなレシピ集として活用できれば、この本は実に有意義な一冊となるはずだ。あまりにも立派、あまりにも綺麗な点が、へそ曲がりな私にとっては「不満」なのだが、そうは言わず、素直に受け取ることができるのなら、この一冊を眺めていれば、時間が経つのを忘れる。この一冊の中にすっぽり入り込んでしまう。
夢想の中に入り込んで、DIYなんか忘れてしまいそうだ。いやいや、そうではない。本当のタイニーハウスは、自分の手で、現実に作ってこそのタイニーなのだ。夢想の中で終わってしまってはいけない。
本としては素晴らしい。素晴らしすぎる。だが、それはモデルさんの着こなしにごまかされて、「素敵」なファッションに身を包もうとする、メタボ親父と同じことになってしまう。「現実」を見ないとな~。
タイニーがこれだけうまく処理されると、タイニーこそが最先端と思ってしまう。シェフのまかない料理というジャンルがある。そもそもまかない料理なんていうレシピなどあるはずはないのだ。その日の余りモノで作るわけだから、毎日同じものになるはずはない。このトリックを、この本に感じる。
そういう意味では、やはり、この本は魔物である。この本を打ち捨てて、ちょっと素敵じゃないかもしれないし、ちょっと不完成かもしれないし、ちょっと不便かもしれない、自らのタイニーな現実を見つめ直すことが、私のタイニーだったりするのだ。
結局は、痛し痒しの一冊である。
| 固定リンク
「20)絆の都」カテゴリの記事
- 「ダイヤモンド・スートラ」 - OSHO 金剛般若経を語る<14>(2015.01.24)
- 「世界のエコビレッジ」 持続可能性の新しいフロンティア ジョナサン・ドーソン<14>(2015.01.23)
- 「タイニーハウス」―小さな家が思想を持った レスター・ウォーカー<2>(2015.01.21)
- 再読したいこのカテゴリこの3冊「絆の都」編(2015.01.24)
- 地球人スピリット・ジャーナル・ダイジェスト版<53>「絆の都」カテゴリについて(2015.01.24)
コメント