「仕事するのにオフィスはいらない」 ノマドワーキングのすすめ 佐々木俊尚<2>
「仕事するのにオフィスはいらない」ノマドワーキングのすすめ<2>
佐々木俊尚
2009/07 光文社 新書 243p
★★★★☆
久々に著者の新刊「自分でつくるセーフティネット」(2014/08 大和書房)を読んで、なんとなくこちらも読み返してみようと思った。読み返してみて、なるほど面白かったのだが、なんせ、時代は5年半も経過している。しかもその間に3・11という大きな事件が挟まっているのだ。
政権の交代劇があり、原発事故の後始末の行方もいまだ分からない。能天気にノマドなどとばかりも言ってはいられない時代であることを再認識した。
しかしまた、この本で語られている「ノマド」環境は、実にごくごく一般的になっている2015年だなぁ、とつくづく考え込んでしまった。そのノマドが「ワーキング」まで高められているかどうかは定かではない。
人は、決して「ノマド」を望んでいるわけではないのだ。ノマド「ワーキング」を好む人は一定数いるだろうが、決して多数派ではないのではないか。人々は「ワーキング」を求めている。そして、求めることができたワーキングが「ノマド」だったりしているに過ぎないのではないか。
積極的にノマドワーキングを取り入れる層もあることはあるだろう。しかし、モバイル環境と、クラウド環境と、そしてもうひとつの要素と言われるサードプレイスと言われる、自宅でもオフィスでもないワーキングの場所を日々求めてノマドする、ってのはどうなのかな。
私なんぞは喫茶店とかでノマドする気にはほとんどなれない。だったら自宅で、あるいは車の中で、あるいは森の中で、ということになるだろう。まぁ、これはこれでひとつのノマドではあるのだが。
iPadにブルーツゥース・キーボードを付ければ、小型パソコンになり、テザリングができるスマホを持てば、即、モバイル・ノマド環境ができてしまう。ワーキングそのものが、そのように作り替えられてきている。
あとは、ファックス送信と、モバイル・プリンターが必要となるだろうが、これも、ぜひとも必要とあらば、すぐにでも解決できるところまで時代は進んでいる。
この本で言えば、あとはジル・ドゥルーズ、フェリックス・ガタリ、ジャック・アタリあたりを、もう一度スキャンする必要ありそうだな、と感じた。
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