「『いいね!』」が社会を破壊する」 楡周平
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「『いいね!』が社会を破壊する」
楡周平 2013/10 新潮社 単行本: 239ページ
Total No.3365★★☆☆☆
以前より図書館の書棚で気になるタイトルの本であったが、よくある手の本だろうと、手に取ることもしなかった。正月休みの暇つぶしの一冊にいいかな、と借りておいた本だが、これは実は割とマジめなビジネス書だった。
タイトルは、ツカミである。タイトルの内容を期待して読み始めるとオヨヨとなる。そしていきなり自分がかつて務めていたコダック社の話になるのだが、これもまた、ツカミである。どんどん、自らの世界へ読む者を引きづり込んでいく。
著者の名前から、スリラーやハードボイルドを得意とする小説家を連想出来る人は、むしろ、このタイトルの意外さで本書を手にとるのかも知れない。だが、小説にはとんと縁がない当ブログとしては、多数ある彼の本の中でも、この本以外に読むものはないかもしれない。
私はソーシャルメディアの類は一切やっておりませんので、実感に乏しいのですが、伝え聞くところによると、たとえばフェイスブック上にアップしたコメントや写真に対し、「いいね!」ボタンを押さないと怒る、あるいはそれを強要するといった人たちが結構いるらしく、最近では会社の上司が部下にこれを強いる「ソーハラ」(ソーシャル・メディア・ハラスメント)という言葉まで生まれているそうです。p181「『いいね!』ほど怖いものはない」
この本のタイトルに対する著者からの問題提起はこの程度のものである。ちょっと拍子抜け。考えようによっては、ドン引きの一冊である。たくきよしみつ「デジタル・ワビサビのすすめ」 (2014/04 講談社)のようなウィットに富んでいる本ではない。デジタル反動、アナログ保守とさえ呼べるような一冊に仕上がっている。
本人自身は一生懸命、陰謀論者ではないことを強調しているが、表面的な事象を語る上では、まるで彼らが心配していることとと、そう変わらない次元のことを著者は「心配」している。
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