« 2015年2月 | トップページ | 2015年4月 »

2015年3月の51件の記事

2015/03/28

「カミを詠んだ一茶の俳句」 希望としてのアニミズム 山尾三省<2>

<1>からつづく 

カミを詠んだ一茶の俳句―希望としてのアニミズム
「カミを詠んだ一茶の俳句」 希望としてのアニミズム <2>
山尾 三省 (著) 2000/09 地湧社 単行本: 302p

1)藤沢周平の、しかも森繁久弥朗読の「一茶」に触発されて、三省のこの本を思い出したのだった。そもそも、この本で一茶を知った時、他には深く一茶を考える機会もなかったので、三省の紹介するままに一茶を拾い読みしたのだった。

2)ところが藤沢周平ワールドにはまり、そのエンターテイメントに触れてみると、実にその虚構性が楽で、肩の力が抜けることに気付いた。虚構でありながら、虚構であるがゆえに、ものごとをシンプル化することができ、しかも、そこに残る余韻は、実に実人生を深く考えさせるところがあったのだ。

3)その藤沢周平にして、実在の人物をモデルにした小説が5~6編あるらしい、ということに気がついた。その代表作がこの「一茶」である。小説として読むのはいずれ先になるとしても、いまはCDの音源を頼りに、その世界を楽しんでいるところである。

4)そして、何度も聞いているうちに、三省のこの本を思い出し、300ページの本を約半分、ちょうど150ページあたりまで読み進めたところである。いずれ全部読み切ったらまたメモしようと思うが、ここまでのところをざっとメモしておく。

5)半分とは言え、ちょうど50歳を境目に、一茶は江戸から故郷の信濃に帰るところであり、それまでの芭蕉を師とした風狂な旅暮らしから、田園生活にもどろうとするタイミングである。これから後、一茶には、親族との争いや結婚、そして度重なる幼児たちの死が待ち構えているのだが、今の段階ではまだ、それは分かっていない。

6)さて、ふと何故私は藤沢周平にはまったか、ということを考えると、彼の世界は実にシンプルであるということに尽きる。さまざまな時代設定があったり、時代がかった小道具があったりはするが、そのシンプルさが実に小気味いいのだ。

7)そしてまた、あるいみ一茶の道とする俳諧の世界も実にシンプルで、五七五の言葉の世界に粋を感ずる芸道だ。

8)そしてそれらのシンプルかつモノトーンにさえ見える世界と、三省の世界は親和性が高いと見られていたのだが、実は、こうして二つ並べてみると、三省の世界は、実はシンプルではなく、思っていた以上に重層的で、複雑なのではないか、と思えるようになってきた。

9)つまり、理屈っぽい。なにかかにかとコジツケ過ぎるのではないか。物事を物事として、シンプルに見るだけでいいのではないか、と思う。

10)この本で、いまひとつ気に食わないのが、三省は自分のことを第一人称として「ぼく」と連発していることだ。ここがどうもひっかかる。最初に読んだ時は、そんなことを感じなかったのだが、今回はやたらとひっかかる。

11)三省は他の本で、「ぼく」と書いていただろうか。もしそうではなく、この本に特徴的に「ぼく」と書いたとするならば、なぜそうだったのか、あとでよく調べてみたいと思う。

12)今日は、まもなく森へ出かけるので、そちらでまた作務をしながら思いを巡らすとして、まずは今朝のところは、どうも気になったところだけメモしておく。

<3>につづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/03/27

今日の気分はこの3冊<10>

<9>からつづく

今日の気分はこの3冊
<10>

Img_3311

「一茶」 藤沢周平傑作選 森繁久彌のNHK日曜名作座 CD  

「カミを詠んだ一茶の俳句」希望としてのアニミズム 山尾三省

「野性の実践」 ゲーリー・スナイダー

1)音源CDとしての藤沢周平ワールド「一茶」でかなりキマッてしまった。くっきりとイカリを下ろしてしまったような観さえある。

2)そして一茶から三省への道というものもあった。ここまでくると、五七五の一茶に比べれば、今となっては三省ワールドも、すこし理屈っぽい。

3)そして三省と親和性のあるところでスナイダーの登場となる。しかも、ここから山の椒へとつなげようという意図のある当ブログとしては、「野性の実践」でなくてはならない、ということになる。

<11>につづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/03/25

「一茶」 藤沢周平傑作選 森繁久彌のNHK日曜名作座 <2>

<1>からつづく

122
「一茶」<2>
藤沢周平 森繁久彌 加藤道子出演 「藤沢周平傑作選 森繁久彌のNHK日曜名作座 CD2 小学館  60分
No.3459★★★★★

1)なんとも、息詰まる。

<3>につづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「一茶」藤沢周平傑作選 森繁久彌のNHK日曜名作座 CD1  <1>

11
「一茶」藤沢周平傑作選 森繁久彌のNHK日曜名作座 <1>
藤沢 周平原作  森繁久彌 加藤道子出演 小学館 CD1 60分
No.3458

1)なんともいい。すでに30分番組の6回分を全部聞いている。それにしても、藤沢周平→一茶→森繁久彌のコンビネーションがいい。脇役の女性の声の加藤道子も上手である。

2)しかし、ここからが難しい。ここから森繁久彌ワールドに入ってしまうと、まとまりの悪いものになってしまう。一茶つながりで、山尾三省「カミを詠んだ一茶の俳句」 希望としてのアニミズム(2000/09地湧社)あたりまでバックすることも悪くはないが、そうすると三省ワールドに立ち戻ってしまいそうだ。

3)ここはとにかく藤沢周平ワールドをもう少し突き破ってみようじゃないか。西沢周平はフィクションテラーだが、この一茶のように実在の人物を描いた文章がいくつかあるらしい。例えば、歌麿、とか。少しづつ、そのうち見えてくるだろう。

4)それにしても、いつかはこの俳諧の世界をも覗いてみたいな、と思ってはみたが、これが一つの機会となるか。芭蕉や、蕪村や、一茶。基本、常識の部分だけでも、なぞってみたいなぁ。

91blo0ccsl_2

<2>につづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「坐禅三昧」 山田無文 CD

6110lvtrl__sl500_
「坐禅三昧」 
山田無文 1979/05/16収録 当時満78歳 ビクターエンタテインメント CD (1998/1/21) 収録時間: 54 分
No.3457★★★★★

1)普段なら、なかなかこの方の本には手がでないのであるが、この度はCDトリップにハマっていることでもあるし、かと言ってなかなか良いCDにも出会わないというタイミングでもあるので、「つい」手がでた。

2)二つのパートに分かれていて、一部は「生いたちの記」、二部は「生かされている自分」。一部において、この方は10代にして(1920年頃?)河口慧海の内弟子であったことを初めて知った。おお、なるほど~。

3)あちこち聞きかじるに、宗教家として大成される方には、いくつかの共通項があるように思う。この方にも、随所にそれを感じる。一つは、若くして生死を問わざるを得ない体験をする。二つ目には、機縁となるマスターと出会う。三つめには、「努力」。この方は、その三要素を見事に融合されたかたとお見受けした。

4)しかしながら、二部などを聞いていれば、やはり今までの私のうちにあったイメージとはそれほど変わらぬ「宗教観」をお持ちの方で、例えば日本文化に対する姿勢であるとか、仏教歴史に関する理解であるとかは、いままで日本社会で醸成されてきた価値観にうまく融合するように作られている。

5)作られているというより、そのような価値観を受け入れ、自らのものとし、それを宣教するからこそ、名をあげられた所以ということになろう。

6)坐禅三昧というからには、このCDでなにごとかを体得し得るかと、やや拙速な期待を持ったが、それは甘かった。まぁ、それでもいずれにせよ、この方は「間違い」がない。
あ、こりゃまた失礼な言い方になってしまったが、そう思わせる、何か余裕がある。

7)それでもなお、「正統的」な宗教観に対する、こちらの「へそ曲がり」な期待感が、この人への距離感の量り方を考えさせる。 伝統文化への融合のしかたが、正当的であればあればこそ、いっそう頭は自然と下がるのだが、私自身は、私自身への「瞑想」へと入らざるを得ない、「何か」を感じる。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/03/24

「マネーと国家と僕らの未来」茂木 健一郎, 堀江 貴文, 金杉 肇<1>

 

81aj3lkferl_2「マネーと国家と僕らの未来」 <1>
ハッカーズ、 茂木 健一郎, 堀江 貴文, 金杉 肇  2014/12 廣済堂出版 単行本 197ページNo.3456★★☆☆☆

1)ビットコイン追っかけも、この本が今のところ最後になるか。他の10冊がほとんどマウントゴックスが話題となった2014年春にでているが、この本だけは、満を持す形で、昨年末にやってきた。まだ新刊に属する一冊である。

2)しかるに、この本から得られる新しい情報は少ない。仕組みや騒動、可能性や未来などについては別段にこの本に頼らなくても、大体分かっている内容である。

3)もしこの本に特徴があるとするならば、ここにハッカーズとして登場する人物達ゆえであろう。茂木健一郎にはそれなりに期待もし、それなりに追っかけをしてみたのだが、 「意識とはなにか」 (2003/10 筑摩書房)という命題とは裏腹に、どこかで裏切られた気分が残ったまま、フェードアウトしてしまっていた。

4)その理由は2009年に起きた「脱税」事件である。詳しいことは知らないが、この話題が報道されたあとは、マスメディアへの登場も少なくなったので、それなりに因果関係があったのだろう。マスメディア的には「売れっ子」だったから、逆に「仕事」の方は「荒れて」いたと思う。

5)その彼にビットコインなどの説法を受けると、私なんぞは、なんだか素直に心を開く気にはなれない。

6)そしてそれに与するところの登場人物はホリエモンである。ライブドアとフジテレビなどの激突が報道されたのは2005年のことであった。ああ、あれからすでに10年が経過したのか。しかしながら、10年が経過したからと言ってホリエモンの功罪は、簡単に消えるものではない。

7)いろいろ評価があれど、私としてはそもそもが、その前々年あたりにリナックスをウィンドウズ・ライクに使えるというリンドウズというOSの日本語版とともに登場したホリエモンには、それなりに期待したが、結局はマネーライクな顛末には呆れもしたので、そもそもがあの事件が起きなくても、ガッカリしていたものだ。

8)それに続く金杉とやらの人物像はまったく未知だが、音楽やゲームのプロデューサーということで、まぁ、同類項なのだろう、と推測する。この人たちがハッカーズという名称を使うのは、どうであるのか知らないが、私は、この人たちをハッカーとは見ない。バッカーズ、くらいにボケてくれたら良かったのに。

9)この人たちは盛んに何かを否定している。否定することは構わない。しかしそれを超えるナニカをこの人達が本当に作り出せるかどうかが問題となる。少なくとも、私はこの人たちに期待はしないし、その以前に「信頼」していない。

10)この人たちに説法されなくても、ビットコインをもっと上手に教えてくれる人たちはいくらでもいる。野口悠紀雄「仮想通貨革命」---ビットコインは始まりにすぎない(2014/06 ダイヤモンド社)なんて本は結構真面目。ビットコインの可能性を性善説で教えてくれる。

11)一方、高城泰「ヤバイお金」 ビットコインから始まる真のIT革命(2014/07扶桑社)は、結局なんだかんだ言っても、ビットコインの投機的な性悪論を肯定する形で実体をレポートしている。

12)そもそも、現在では金にまつわる詐欺まがいのことは、それこそ浜の砂子のごとくはびこっている。こと仮想通貨やビットコインだけが正常で、ご清潔である、なんてことはない。むしろ、やっぱり未だに「ヤバイ」のだ。

13)国家や国境がやがて消えていくのは当然のことであり、必然である。しかしながら、性急に、しかも唯一のスーパーヒーローのようにビットコイン待望論を真に受けるのは愚の骨頂である。仮想通貨に未来があるとしても、それは必然なのであって、時間軸に限度をつけなければ、それは当然のことだ。

14)しかしなんでもかんでも、明日でも明後日にでもそうなるかのごとくの「嘘」をまきちらすのはやめてほしい。こいつら、嘘つきだ。

15)あれこれ、あちこちを引用して、ケチをつけておこうと思ったが、それもなんだか面倒くさい。こいつらあんまりマジメじゃないから、キライ。私はもっと根があるマジメな人たちが好きなので、そういう人たちが、もっとキチンとマジメに解説してくれるようになることを期待する。

<2>につづく

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2015/03/23

「女難剣雷切り」 シリーズ藤沢周平を読む 

41nguj1aswl
「女難剣雷切り」
シリーズ藤沢周平を読む
朗読: 松平定知 2004/08 NHKラジオ第1放送 「特集 藤沢周平を読む」より  再生時間 49:10 No.3455★★★★★

1)小説なんて読まない。それが長年のわが矜持であった。いや、今でも読んでいない。しかしながら、なんの拍子でか藤沢周平映画を見、藤沢周平ドラマを見終わると、次は、なぜか、ラジオ番組などのCDが読みたくなった。この調子だと、いつかは小説そのものに手を出すだろう。

2)眠られない夜、というものがある。こんな夜は、いままでだったら浴びる程の酒を飲んで、寝てしまえば、翌日、やや体調は悪いが、まぁ、忘れたり、考えなおしたり、時間が過ぎて、また、別な話題に入っていけるのだった。

3)しかし、なぜか最近は、酒に酔わない。一辺に酒量が減ったせいもあるが、どうも、本質的に、酒でごまかしてはならないことも、知っている。

4)こんなタイミングで藤沢周平CDに出会った。これが、私には結構な新地平を切り開いてくれているようだ。

5)頭の中には、悶々と、いろいろな問題が渦巻いている。布団の中にくるまりながら、イヤフォンで藤沢周平ワールドに遊ぶ。

6)遊ぶと言っても、耳から小説は聞こえてくるものの、なかなか頭の中ではグルグルと、今日あったこと、なかったことを、思い返す。

7)小説は小説で勝手に進行する。本で小説を読むなら、こういう訳にはいかないだろう。CDは勝手に動き続ける。

8)小説は有体な話題で、特段に為になるようなストーリーではないが、やはり物語になるような好奇な話ではある。こんなことは、いいよ、聞きたくないよ、とは思うが、それなりに面白い。

9)面白いけど、心の中は悶々、今日あったことを考えている。あちこちストーリーはぶっ飛んでいる。わずか1時間足らずのストーリーなのに、あちこち聞いていない。そりゃそうだ、別段に知りたいと思ったストーリーでもなければ、お手本になるような話ではない。

10)しかしだ。

11)小説には、酒と同等の効果がある。いや、ひょっとすると酒よりも効能がある。もちろん併用も可能だ。そういうことが、藤沢周平ワールドにあそび始めて、そういう感じが強く感じるようになった。

12)小説そのものに救いはない。別段に為になる教訓めいたものではない。しかし、その好奇なストーリーにリアリティを持てば、そこにつられて、頭のなかの悶々は相対化される。

13)忘れる、というほどではないが、一時、自分の悶々から離れることができる。

14)みんな、こういう効果があるから小説を読むのかな。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/03/20

「雪あかり」 藤沢周平

Yuki
「雪明かり」 藤沢周平
CD 横浜録音図書株式会社 (2001)
No.3454★★★★★

1)まだ藤沢周平の文章の世界にはなじんではいない。他の作業をしながら、二度聞き直してた。なるほど、これは「暗い」。

2)救いがない、というほどではないが、決して軽快なコミカルなストーリーではない。身につまされるというより、心が痛い。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/03/19

「一茶」藤沢周平傑作選 森繁久彌のNHK日曜名作座<3>

<2>からつづく 

Takeo_wthumb1391859087213920
「一茶」藤沢周平傑作選 森繁久彌のNHK日曜名作座<3>
2010/09 CD3 60分
藤沢周平/著 著者名2 森繁 久彌/出演 各巻著者名 加藤 道子/出演 出版者等 小学館 No.3453★★★★★

1) 3枚シリーズの3枚目、まずはこれが来てしまった。 耳できく藤沢周平ワールドもなかなかいい。ましてや「一茶」である。 「一茶」は山尾三省「カミを詠んだ一茶の俳句 希望としてのアニミズム」(2000/09地湧社)でも読んだ。

2)藤沢周平→「一茶」→森繁久彌、という組みわ合わせが、なんともよい。1、2が来たら、また3も聞き直してみよう。

14984b1_2

<1>に戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「人情しぐれ町」第3巻 藤沢周平原作

<第2巻>よりつづく 

219qrtlhz2l
「人情しぐれ町」 第3巻
藤沢周平原作 石田ひかり 山口祐一郎(出演) 2001/01 NHK  DVD 129分
No.3452★★★☆☆

1)これで今のところ最寄りの図書館で借りることができる映画とテレビドラマの藤沢ワールドの終わりである。若干の映像作品は残っているが、他のレンタルショップなどで探すしかない。すでに気持ちはCDの録音作品に移っている。

2)あれだけ新風を感じた「人情しぐれ町」シリーズだが、作品それぞれが短編なので、受け入れやすくもあるが、深みがあまり感じられない。小さなショートショートが積み重なっても、どこか大きなうねりが感じられない。

3)荒れたストーリーがあると、それが一辺に全体にザラツキをまきちらす。今となっては、それがどうも痛々しく、受け入れがたい陰部とさえ感じてしまう。

<完>

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「合本 極道辻説法」今東光

512xd4ynkl

「合本 極道辻説法」
今東光 2013/12 ソニー・ミュージックダイレクト CD2枚 113 分
No.3451

1)「極道辻説法」(1977集英社)、「続 極道辻説法」(1977/07集英社)、「最後の極道辻説法」 (1977/12集英社)、が合本になってCD化されたもの。このCDが出たのはもとレコード化されていたものとは言え2013/12であるという。それだけ愛された人物だったということだろう。

2)現在、当ブログは「Yahman Osho」カテゴリを進行中である。残り3分の1だが、はてさてどういう道行きになるかと見ていたら、ここにもうひとりのOshoがやってきた。このカテゴリ、ここでこの人に締めてもらってもいいかもなぁ。

3)この本、何度も読んでいるので、内容はほとんど聞いた内容だが、声がなんとも若い。最初、誰かが吹き替えているのかと思ったが違う。いやぁ数え80歳の御仁にしては、なんとも声が若くて活舌が見事である。

4)べらんめい調だから、もっとメッチャクチャのような印象があったが、どうしてどうして、言っているのは実にマトモ。こんなにマトモであったか、と二度びっくり。

5)日本の最初の神智学といわれる今武平の息子にして、場合によってはクリシュナムルティの身代わりに「マイトレーヤー」になったかもしれない人物だ。そして大本の出口王仁三郎に見染められて、その後継者にさえなったかもしれない人物でもある。

6)マイトレーヤでも大本でもなかったが、天台宗の大僧正にして平泉・中尊寺の住職であった。決してマイトレーヤにも大本にも負けない存在になられた方である。

7)優しみがあり、まさに宗教家である、と思わせる。何度聞いても素晴らしい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/03/16

「The Philippine Experience 」第3回国連防災世界会議

Ph45

「The Philippine Experience 」第3回国連防災世界会議
No.3450★★★★☆

1)こちらもフィリピンからの作品。カード情のメモリースティック。マニラ大学などが関係して制作さえている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「Your Gide for Emargencies] 第3回国連防災世界会議

Img_2566

「Your Gide for Emargencies」 第3回国連防災世界会議No.3449★★★★☆

1)アラブ首長国連邦からのDVD。読んで字のごとく、緊急対応ガイドが説明されている。英語の他、アラブ語らしき言語で印刷もされており、そのヴァリエーションの広さを味わうことになる。

2)いずれゆっくり吟味する時もあろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「Ⅸ Congreso Internacional sobre Desastres」 第3回国連防災世界会議

Img_2569

「Ⅸ Congreso Internacional sobre Desastres」 第3回国連防災世界会議
No.3448★★★★☆

1)これもキューバからのDVDのようだ。2014年に行なわれた何かの会議の報告だ。

2)かなりの量の情報が詰まっているので、あとでゆっくりみよう。バックミュージックが素敵。世界言語としては、やはり音楽は不可欠だと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/03/15

「CENTROS DE GESTION PARA LA REDUCCION DE RIESGOS」 第3回国連防災世界会議

Img_2558

「CENTROS DE GESTION PARA  LA REDUCCION DE RIESGOS」 第3回国連防災世界会議
No.3447★★★★☆

1)キューバからのパンフレットである。PDFのCDが一枚ついている。言語が何語かわからない。

2)今回は、資料をもらい始めたら、膨大なものになってしまうので、CDやDVD、メモリーステッィクなどの電子資料を中心にもらってきた。だから、意味がよくわからないものや、再生方法が分からないものもある。

3)されど、わずか5日間のイベントはすぐに終了してしまう。その後の時間を利用して、それぞれの資料の位置づけを理解し、全体を整理してみることにする。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

河北新報「震災体験 未来の糧に」 第3回国連防災世界会議

Img_2562
河北新報「震災体験 未来の糧に」 第3回国連防災世界会議
No.3446★★★★☆

1)宅配新聞を取らなくなって久しい。本来であれば自宅で読むべき内容だが、会場のテーブルで手に取った。これを読めば、だいたい、今回のイベントがどういうものかわかるだろう。ないしは、この程度の理解でいいのだろう。

2)5日間に渡って開催される世界会議は、天皇、首相、国連事務総長、その他の要人が一気に仙台に集まる稀な機会である。おそらく、もう私の生きている間にはもうないだろう。それだけの大きなイベントである。

3)仙台で行われるイベントとしては最大であるらしい。

4)であるがゆえに、全体を見通すのは難しい。

5)今回は、個人の参加者として、無理のないところで、縁のある企画を、いくらかづつ覗いて、個人的な精神性の糧としたい。

6)今回はアトランダムに記事の項目を作っておき、後で追記すべきものがあったら、上書きをしていくことにする。

7)今までのところ気付いたのは、災害といいつつ、原発災害を扱ったものは圧倒的にすくないということ。各国がたくさんの資料を持ち込んでおり、全体を理解するには時間がかかるということ。その中でも、気になるものがいくつかあれば、儲けもの、ということだろう。

8)あと3日間残っている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「Messages of Life」 第3回国連防災世界会議

Img_2555
「Messages of Life」第3回国連防災世界会議
DVD
No.3445★★★★☆
 

1)3・11の日本の画像に英語のナレーションがつき、手話の解説もつく、そして文字では、多言語の通訳がつく

2)映像、写真、ある意味、すでに被災地の人々の「見慣れた」風景。3・11の現状を世界に伝えるためのVDか。

3)日本財団の助成で制作されたDVDか。日本財団のブースにあった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

第3回国連防災世界会議 Upstream & Downstream Game

Dd
「Upstream & Downstream Game」第3回国連防災世界会議
DVD  ゲーム
No.3444★★★★☆

1)話されている言語は何語かわからない。インドネシア語? 英語の文字ナレーションがついている。

2)被災後のなにかのヒーリング・ゲームのようである。

3)あとでゆっくり理解することにしよう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

第3回国連防災世界会議「自閉症の人たちのための防災:支援ハンドブック

Img_2549
「自閉症の人たちのための防災:支援ハンドブック」第3回国連防災世界会議
社団法人日本自閉症協会
No.3443★★★★☆

1)こういう視点で物事を考えておく必要がある。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

第3回国連防災世界会議「脱原発をめざす首長会議」

Bosaisendai_logo150x150_2

Mayors_npfree_logo300x150
「脱原発をめざす首長会議」
2015年01月18日
No.3442★★★★☆

国連防災世界会議でのパブリック・フォーラム開催
◆日時:2015年3月14日(土)17:30~19:30(開場:17:15)
◆場所:TKP ガーデンシティ仙台勾当台 ホール5(宮城県仙台市青葉区国分町3-6-1)

◆登壇者
桜井勝延 福島県南相馬市長
馬場 有 福島県浪江町長
村上達也 前茨城県東海村長
上岡直見 環境経済研究所代表
オリビエ・フロラン(ヴォクリューズ県議会副議長、フランス)ほか

1235496_1002069069805207_58707795_2

1422346_1002072346471546_52048239_4

1510721_1002069429805171_1304515586

1511065_1002068763138571_6852085902

1907591_1002115016467279_6461657791

10351008_1002097013135746_311399084

10403645_1002080566470724_453966005

10430854_1002073819804732_647073897

10457849_1002073126471468_499006891

10462314_1002076149804499_837180637

10476261_1002071386471642_251080513

10686598_1002070466471734_830857217

10686631_1002071689804945_581391708

10930149_1002071953138252_613599180

10996358_1002073649804749_860081707

11008636_1002068956471885_182852681

11009852_1002068863138561_56902411611026063_1002084509803663_7272710_2

11026063_1002084509803663_727271054

11026063_1002084509803663_7272710_3

11048620_1002091606469620_258995986

11071408_1002076243137823_9185315_2

11070223_1002085686470212_797639909

11069260_1002114943133953_321310062

11067940_1002100073135440_355872483

11066806_1002114786467302_6028885_2

 

10351008_1002097013135746_3113990_2

10686598_1002070466471734_8308572_2

11062697_1002114813133966_134590492

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「禅と武士道」柳生宗矩から山岡鉄舟まで 渡辺誠

515madm8wtl_2
「禅と武士道」柳生宗矩から山岡鉄舟まで
渡辺 誠 2004/09  ベストセラーズ 新書 243ページ
No.3441★★★☆☆

1)なんの因果か、虚を突かれる形で、現在当ブログは藤沢周平ワールドを散策中である。小説を読むのはカッタルイが、映像作品あらば楽だろうと、映画作品やテレビドラマをほぼ見終わって、これから小説が音読録音されているCD作品に進んでいこうという矢先である。

2)しかしながら、ここまでくると、なんでまた藤沢周平なの?という疑問が湧く。また、いままでの当ブログと、どのような繋がり? と、その「合理」性に悩むことと、あいなった。

3)一つは、剣である。チャンバラ、戦い、刀剣、日本刀。サムライ、武士道、といった、これまでは忌避してきた分野への踏みこみである。当ブログは、必ずしも自分の得意分野に浸ろうという主旨で始まってはいない。むしろ、タブーを作らず、あらゆる分野を闊歩してみようじゃないか、という好奇心にあふれているつもりである。

4)もう一つは禅。大和魂、などと呼ばれるところの精神性についての言及である。

5)「禅と武士道」。なるほど、この一冊は、当ブログと藤沢周平ワールドの間隙を埋める形で、橋をかけてくれるか、と、多少の期待をしながら読み始めてはみたのだった。

6)結論から言えば、この本は遠い。

7)最近3000冊ほどを当ブログにメモしてからは、あまり読書に身がはいらなくなった。そもそもが読書家でない私は、むしろいままで読むべきなのにサボって読まないできていた本を、ようやく読みこんでやろう、という気力に押されて本を読み、メモしてきたのだった。

8)ところが、どうも最近は、一巡した感じが強い。だいたい読み終わったのだ。沢山ある本たちのなかで、私が読み得たものはごくごく当り前のごく一部にしかすぎないのだが、まぁ、こんなもんでいいではないか、という満腹感がある。

9)それに比して、ブログはブログで存続していってもいいに違いないという、チグハグな感情から、最近は図書館から借りだしたDVDを見て感想を書くような傾向に移ってきている。

10)文字ではなく、映像、視聴覚なのである。まずここでひっかかる。新書といえど、文字を追うのが、なぜか苦しい。せせこましい私の頭にはもう入らない。

11)さらには、藤沢周平の世界にうつつを抜かす当ブログの、その共感という部分は、一般大衆の暮らしであるし、農民であるし、農村風景である。また東北であり、雪であり、つましい日々の暮らしである。そこらあたりに落涙することが多い。

12)または、人情、とくに愛情、子と親、男と女、使用人と雇用人といった、人と人の情の繋がりに、どうしても目がいく最近である。

13)逆に考えてみると、この「禅と武士道」には、まずほとんど「男と女」がでてこない。禅と武士道とは「男」の世界だ、とばかり、男オンリーである。ここがつまらないところの第一。

14)そして禅の極意は「無」であるといいながら、ここに取り上げられているのは「有」名人ばかり。「無」名人は、まったく登場しない。

15)「海坂藩」というフィクションを借りた藤沢周平の世界には、まず「有」名人は登場しない。どんな高位な役職であっても、それはフィクションという「無」名人である。そこが、読み手のイマジネーションを広げる。またエゴを邪魔しない。

16)そして「剣」の扱いだが、こちらの本は「剣」から無理に「無」と繋げたがる「真摯」な姿勢が見えるのだが、今となっては、むしろそのシリアスさが、邪魔である。藤沢周平の世界の「剣」は、むしろ、「エンターテイメント」である。そこに意味を問わない。あえていうなら「美」しか問わない。

17)この渡辺誠という人、筆も立ち、剣も使うということだから、むしろ、この人自身の心境を一冊にまとめたほうがよかったのではないか。タイトルも、内容も、まったく個的な書物にしてしまう。そのほうが、この人が言いたかったことを言いきってしまうだろう。

18)あまり有体な文脈に落とし込まないで、自らのフォーマットで、自由に語ったほうが、読み手としての私には響くものが増えたと思う。

19)すくなくとも、映像にうつつを抜かす現在の私には、そう思えたのである。

20)禅ならZENのほうが好きだし、日本人より地球人が好きだ。あえて武士道などというなら、むしろ現在のビジネスマンとでも言い換えて、「ZENとビジネスマン」とでもしたほうが、より実利的であろうし、多くの読者を得るに違いない。

21)藤沢周平の世界は、江戸時代の下級武士という世界を借りてはいるが、実際は、それを読んでいる同時代人たちを活写しているのである。婉曲に、江戸時代にその姿を置いてみることによって、現代人を写し取ることに成功している。

22)こちらの本は、江戸や侍に戻ってしまうところが辛いところである。ここから現代人に戻るに、しばらく時間がかかってしまう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/03/14

「蝉しぐれ」藤沢周平原作 NHK <2>

<1>からつづく

512nwzqnxnl
「蝉しぐれ」<2>
藤沢周平原作 内野聖陽 水野真紀 勝野洋 竹下景子 平幹二朗(出演) 2003/08 NHK DVD 315分

No.3440

1)映画「蝉しぐれ」2005/10東宝)はすでに見ている。これを偶然見ることなかったら藤沢周平ワールドには足を踏み入れなかったかもしれない。原作小説も読まないまま、映画を見て、傑作だと思った。これをテレビドラマでやるなんて、と思っていた。

2)他の映像作品を見るために、このテレビドラマは後回しになっていた。正直あまり期待していなかったので、油断していた。

3)はっきり言って、こちらのテレビドラマのほうが映画版を凌駕している。こちらのほうがより原作に忠実であるという。そうであろう、かたや130分あまりの映画。こちらは300分をゆうに超える長時間番組である。7週に渡って放映されたもの。

4)制作もこちらのほうが2年早い。このテレビドラマが評判になったので、そのダイジェスト版として映画が製作された、と考えるほうが正しいだろう。

5)こちらでは晩年の二人の邂逅は最初の最初から描かれており、その述懐という形でストーリーは進行する。

6)秘剣村雨。

7)刺客。

8)20年の歳月が過ぎていった。

9)再会。

10)剃髪、出家。尼寺。

11)文四郎、と、ふく。

12)このように終わるのでしょうねぇ。この世に悔いをもたぬ人など、おらぬでしょうから・・。

 

<3>につづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/03/13

「アナと雪の女王」ウォルト・ディズニー・ジャパン

91tzwbwdpbl__sl1500_

「アナと雪の女王」
出演: クリステン・ベル, イディナ・メンゼル, ジョシュ・ギャッド, ジョナサン・グロフ, サンティノ・フォンタナ 監督: クリス・バック, ジェニファー・リー 2013/11 販売元: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 DVD 102分
No.3439★★★☆☆

 

1)藤沢周平ワールド探索中に、いきなりディズニーCGの乱入である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「清左衛門残日録」第6集 スぺシャル版 仇討ち!播磨屋の決闘 藤沢周平原作

<第5集>からつづく

51urr3bial
「清左衛門残日録」第6集 スぺシャル版 仇討ち!播磨屋の決闘
藤沢周平原作 仲代達矢 南果歩  山下真司出演 1993/01 NHK DVD 120分
No.3438★★★★★

1)誤解、逆恨み、ということは、我が身に置き換えてもあり得る。

2)確かになぁ、この年になると、昔のことを自然と思いだすことが多くなる。反省、というのでもない、見直しというのでもない。振り返ってみたくなるのだろうな。

3)いろいろあったもの。見落としてきたこともたくさんある。いや、あるはずだ。

4)老年は、先は短い。どうせ死ぬなら、切腹か・・?

5)年をとると頑固になるのか、気が短くなるのか。

6)老年になれば、人生の終わり方を考える。死に場所をさがす。

7)藤沢周平ワールド

8)最終回にして穏やかな終わり方だったのに、付け足しのスペシャル版では、次々と人が切られる。切腹もある。ああ、江戸時代かな、と思う。

9)骨を拾う、とはどういうことだろう。

10)私も次々と、友の骨を拾い、別れを告げなければならない年代になってきた。しかし、本当の意味においての、骨を拾うとは、どういうことだ。

11)日残リテ、昏ルルニ未ダ遠シ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「清左衛門残日録」第5集 闇の談合/嫁のこころ/早春の光 藤沢周平原作

<第4集>からつづく

5131ie8wx2l_2
「清左衛門残日録」第5集 闇の談合/嫁のこころ/早春の光
藤沢周平原作 仲代達矢 南果歩 山下真司出演NHK 1993/01  DVD 150分No.3437★★★★★

1)藤沢周平ワールド。単なる隠居話ではない。生臭い話はまだまだ続く。もっとも、そうこなくちゃ、この物語ももたない。

2)ストーリー展開は、シリーズ後半に入って、ますます重厚。破天荒かつ、円満たるや。

3)誠実、出世、純情。たくらみ。

4)望みは捨ててはならない。生きることを考えろ。

5)武士としての一時の誇りよりも、人間として生きることだ。

6)人を切らぬ剣術は子供の遊びとおんなじだ・・・?

7)だんだん、最終回へと近づく。

8)権力争い。権力闘争。巻き込まれる若者たち。

9)その中で生きて行かなければならない人間たち。

10)情というものがある。

11)生き抜くことだ。

12)佐沼に帰る小料理屋の女将。

13)隠居などするから風邪をひくのだ。働けるうちは働くぞ。

14)生きる気力が萎えとる。

15)春も近い。

16)緑なす春。新緑。かがやく緑。

17)人は与えられた命を慈しみ、生きる努力をしなければならない。

18)人が幸せになるのはうれしい。

19)日残リテ、昏ルルニ未ダ遠シ

<第6集>へつづく

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/03/12

「清左衛門残日録」第4集 霧の夜/夢/立会い人 藤沢周平原作

<第3集>からつづく 

5131ie8wx2l
「清左衛門残日録」第4集 霧の夜/夢/立会い人
藤沢周平原作  仲代達矢 南果歩 山下真司出演 1993/01 NHK DVD 150分
No.3436★★★★★

1)後悔。裏切り。述懐。やり直し。

2)老年。

3)夕暮れまでは、まだ少しある、「日残リテ昏るるに未ダ通シ」なのである。
 例えば医者に避けを止められて、夕食後、就寝までの時間を持て余したら、この一冊。
「藤沢周平と<海坂藩>を旅する」 日本と日本人の原風景 p49

4)これを書いた時、藤沢周平は何歳だったのだろう。

5)若き日を存分に生きた人間は晩年も充実するのである!「藤沢周平と<海坂藩>を旅する」 日本と日本人の原風景 p49

6)正直な男とはいえども、人間は人間。後悔すべきことはある。

7)下手な陰謀論がないだけに、スッキリしたストーリーである。

8)この年で、楽しくないことはすべきではないの。

9)この年になると、生きたいと思うより、死にたいと考える。

10)なすべきことはすべて為した。それでも、何か他にできることはないのか。

11)あの世まで、遺恨を遺すこともあるまい。

<第5集>へつづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「清左衛門残日録」 第3集 梅咲くころ/花のなごり/草いきれ 藤沢周平原作

<第2集>からつづく 

51hbkghe3ml
「清左衛門残日録」 第3集 梅咲くころ/花のなごり/草いきれ
藤沢周平原作 仲代達矢 南果歩 南果歩 山下真司出演 NHK DVD 150分
o.3435★★★★☆

「新・腕におぼえあり」が若者たちの青春グラフィティーなら、こちらの「三屋清左衛門残日録」は、隠居男の回顧録である。対をなすような際立ったストーリーだが、どちらにも共感しうるメンタリティーがある。

2)青春と老年とは、そう隔たったものでもないではないか。一個の合わせ鏡、対となる貝の裏表のようでもある。

3)藤沢周平の世界は広い。同じようなことながら、裏と表から見通す。

4)いいお嫁さんだなぁ。つまり息子の妻、ということだが。自分の妻を亡くしたあとは、同居の息子嫁に、これだけ気遣いされ、世話をされるというのは、幸せなことだ。

5)晩年、こうあるべし、というようなお手本の一つだが、これが理想、と言いきってしまうのもどうかな。

6)周囲のいろいろな晩年がある。あれもこれも、いろいろあるな。述懐ばかりではなく、未来に向けた話はできないか。子や孫の話ばかりではなぁ・・・・、と自分のことを考える。

7)清左衛門は53歳だとか・・・。うへぇー。

<第4集>へつづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「新 腕におぼえあり」 よろずや平四郎活人剣 第3集 藤沢周平原作

<新ー第2集>からつづく

51pxz8mooyl 
「新 腕におぼえあり」 よろずや平四郎活人剣 第3集
藤沢周平原作  高嶋政伸.段田安則.原田美枝子.村田雄浩.松重豊.羽田美智子.榎木孝明.宇津井健(出演) 1998/09 NHK DVD 352分
No.3434★★★★☆

1)ストーリーに若干の無理があるようにも思うが、最後の最期まで付き合わされる。24話。約半年にわたって放送されたものを一気に見ることになる。まぁ、これもよし。

2)しかし、図書館から借りてきたDVDの調子がいまいち悪い。長年貸しだされてきたDVDだけに、あちこちに摺れ傷がある。ブツブツ、といいところで雑音が入ったり、切れたりするのは、どうも興醒めではある。

3)それでもなお、最後まで見させる力は、何事だろう。

4)おそらくこれは時代劇を借りてはいるが、立派な青春グラフィティーなのだ。

5)名画座、文庫本、友達の下宿での酒盛りで青春を送った人には郷愁を誘う一冊である。
 BGMはビートルズ? サイモン&ガーファンクルもあるな。いや、岡林、卓郎、揚水、サザンという人も・・・・・。
「藤沢周平と<海坂藩>を旅する」 日本と日本人の原風景 p46

6)追い続けた秘密文書と、慕いつづけた言い名付けを両手にした主人公の独り勝ちか、と早合点しそうだ。しかし、そうでもあるまい。

7)友人二人との共同経営の道場開きもでき、平穏な日々が始まる。

7)ところでこの作品の秘密文書となる「獄中記」の作者は高野長英ということになっている。高野長英は陸奥国仙台藩の一門である水沢領主水沢伊達氏家臣・後藤実慶の子として生まれている。つまり、日高神社の門前の出自である。

8)こまかい部分にも、東北を愛した藤沢周平の心遣いが見えてくる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/03/11

「清左衛門残日録」第2集 梅雨ぐもり/川の音/平八の汗 藤沢周平原作

<第1集>からつづく

51ks8zdsdkl
「清左衛門残日録」第2集 梅雨ぐもり/川の音/平八の汗
藤沢周平原作 仲代達矢, 南果歩, 山下真司出演 1993/01 NHK DVD 150 分
No.3434★★★★☆

1)本日は3・11の4年目アニバーサリーだ。テレビでは特別番組のオンパレード。あちらを見ても、こちらを見ても、3・11のオンパレードだ。

2)だが、私はあまりそれらを見たくない。別に忘れているわけではない。忘れたいわけでもない。しかし、あまりに強烈過ぎる。普段の毎日で、心はクタクタだ。なんだ弱虫、といわれそうだが、そういう話題では私はすぐに泣きたくなる。悲しくて、そんな話題に入りたくない。

3)だから今夜、せいぜい、「清左衛門残日録」にでも逃げようじゃないか。藤沢周平ワールドは「フィクション」だからいい。フィクション嫌いの私が、ノンフィクションに囲まれ過ぎたら、もう逃げるのは「フィクション」しかないではないか。

4)お話だったらいいのに。嘘だったらいいのに。夢だったらいいのに。悲しすぎる。そういう実話が実に多すぎる。特に3・11にまつわる話は、実に苦しい。何も言えない。

5)それに比したら、藤沢周平は「フィクション」じゃないか。お話だし、嘘だし、夢だし、もう現実ではない。そういう「逃げ」がある。

6)この「三屋清左衛門」、すこし重厚すぎではないだろうか。隠居なんぞ、もうすこし枯れていていいのではないか。

7)隠居とはいえ、この隠居はまだまだ生臭い。まぁ、そこはフィクションだから、「許せる」。

8)もしもだよ、あまりに隠居が隠居過ぎたら、それはフィクションでなくなるかも。あまりに身につまされて、「娯楽」じゃなくなるかもよ。

9)娯楽じゃ。フィクションじゃ。それも「上等」の。それくらいじゃなきゃ、「3・11」とは「対峙」できない。

10)藤沢周平は、これまで三屋清左衛門を重厚に描いたわけではないだろう。おそらくこのテレビドラマは仲代達矢のキャラクターが勝っているだろう。もと枯れた人物像だったのではないだろうか。

11)生臭い話も結構ある。隠居人とて、無縁でいることはできない。

<第3集>へつづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「藤沢周平と<海坂藩>を旅する」 日本と日本人の原風景<2>

<1>からつづく

71htcslumel_2
「藤沢周平と<海坂藩>を旅する」 日本と日本人の原風景<2>
Town Mook 2012/11徳間書店 ムック: 104ページ

1)あっという間に藤沢周平の世界にハマりまくり。小説は読むのが面倒くさいから、最寄りの図書館に所蔵されている映像作品から、と大体手に入る映像作品は目を通しつつあるが、手が届きそうにないものもある。

2)この本に紹介されている映像作品群。
「たそがれ清兵衛
p22 ほぼ最初期に見た映画。ネットでみた。トワイライトサムライだ。今度は大画面でDVDでみよう。
「武士の一分」p26 キムタクかよ、と最初は胡散臭く思ったが、どうしてどうして、涙々の連続、そのうちまた見たい。
「蝉しぐれ」p28 映画作品もあるが、テレビドラマもある。映画のほうはもう観たから、もうすこし経ったらテレビドラマのDVDも見てみよう。

「山桜」p30 これがない。ネットでも見れなければ、近隣の図書館にもない。探してみていよいよなければ、レンタルDVDかな。主人公が女性だからなぁ。楽しみ。
「花のあと」p32 藤沢周平作品のなかでは、これが一番好きかなぁ。一番、綺麗。美しい。
「必死剣鳥刺し」p34 最初はこの映画は残酷だなぁ、と思ったが、見慣れてくると、この作品もなかなか印象に残る一本だ。
「小川の辺」p38 この作品はうまくまとまっているようで、完成度が高い。ぐっと揺るぎがなく、真一文字に上段の構えの一本か。

「立花登 青春手控え」p42 このテレビドラマ作品のDVDもない。これもレンタルショップか。あるいはCDとかでないかな。ダメな場合は小説を読むしかないか。
「腕におぼえあり」p44 ここがひとつのスタート地点だ。思いのほか長編であったが、ひとつの世界を切り開いていることは確認できる。清涼感ある作品群。
「新・腕におぼえあり」p46 すでに3分2を見た。現在、残りを見ているところ。これもまた、濃厚で、「為になる」一冊。境遇に親近感を感じる。
「清左衛門残日録」p48 これはちょうど見始まったところ。図書館の在庫確認しながら、順番に見れるように調整中。これも好きになりそうなシリーズ。役者群が濃厚すぎるが。
「風光る剣 八獄党秘聞」p50 これはまだ藤沢周平がなんたるかわからないうちに見た一冊。割と印象の薄い作品だが、そのうちもう一度見てみるかも。
「人情しぐれ町」p52 これも3分の2を見終わったところ。いいなぁ、これも。なんとも心が震える。藤沢周平のある極に作品群か。

「秘太刀馬の骨」p54 このテレビ作品もまだ見つかっていない。というかまだ本格的に探していないが・・・。なんとか探しだしてみよう。
「風の果て」p56 ある意味では、藤沢周平のステロタイプの一本か。一本だけ藤沢周平を挙げろと言われれば、これを挙げる手もある。
「花の誇り」p58 テレビドラマ作品だろ・・? という勘違いで、あんまり身を入れずに見た一本。だが、それはああ大きな勘違い。そのうち、もう一回見よう。

3)こうして見て来ると、少なくともこの本に紹介されている藤沢ワールドにも、かなり深く足を踏み入れていることになる。あと「山桜」、「立花登 青春手控え」、「秘太刀馬の骨」を探しだして、ここにメモできるように手順を汲んで見よう。

4)映像作品がなくなったら、あとはCD作品で、耳で楽しむ、という次のステップがある。

つづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/03/10

「清左衛門残日録」 第1集 昏ルルニ未ダ遠シ/白い顔 藤沢周平原作

51zrtgyaxvl 
「清左衛門残日録」 第1集 昏ルルニ未ダ遠シ/白い顔
藤沢周平原作 仲代達矢 南果歩 山下真司出演 1993/01 NHK DVD 125 分No.3433★★★★★

1)藤沢周平の世界もここまで追っかけるつもりもなかったが、乗りかかった舟、というか、毒喰らわば皿までというか、まだまだ追っかけは終わる気配はない。

2)ここに来て、仲代達矢主演とは、これまた重厚な。

3)昏ルルニ未ダ遠シ。残日録とは、これまた、隠居男のお話しである。

4)私も年齢的には定年期だが、生涯現役につき、特段に隠居する身ではない。そもそも、譲る家督などもなし、隠居して生計から退却できる身分でもない。

5)この主人公のような重厚なる老年を生きることができる人物はそう多くないだろう。

6)封建社会のほとぼりを、わずかながらに知っている身としては、これはこれなりの「社会」なのだなぁ、と、つくづく考える。

<第2集>につづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「人情しぐれ町」第2巻 藤沢周平原作

<第1巻>よりつづく

41mz6k7dxzl
「人情しぐれ町」第2巻
藤沢周平原作 石田ひかり, 山口祐一郎, 斉藤慶子, 萩原健一, 永島敏行 2001/01 NHK DVD  172 分
No.3432★★★★★

1)あ~あ、人情話だね~。涙が流れるというより、心が痛む。我が身がいかに怠け者か、身につまされる。

2)あ~~、人間だなぁ。YAH MAN!

3)あ~、なんだかなぁ。何処にも、どの時代にもありそうな話ばっかり。

4)ひとつひとつのお話が、身にしみる。

5)おそらく、私は藤沢周平と出会ったのは、こういうシリーズを見たかったから、というのが本当だろうな。

6)ハートにくるね。

7)いいね。

8)純情だなぁ。

9)はぁ、はぁ、胸に詰まる。青春。

10)青春を通り過ぎて、みんな大人になっていく。いいなぁ。いい男。

11)ああ、せつないねぇ、人情しぐれ町・・・・

<第3巻>へつづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「腕におぼえあり2」 第3巻 藤沢周平原作

<2-第2巻>からつづく

5131ssa4ztl
「腕におぼえあり2」 第3巻
藤沢周平原作 村上弘明 黒木瞳 香取慎吾 片岡鶴太郎 風吹ジュン(出演) 1992/09 NHK DVD 135分
No.3431★★★★★

1)1、2、3、と、すでにすべての「腕におぼえあり」シリーズは見終わったところだが、この2の3巻だけが、他の人が借りていたために、全体が繋がらないでいた。

3)「新」、そして「人情しぐれ町」を見始めてみると、そちらもなかなか素晴らしい。「新」のほうはよりチャンバラは少なく、より下町風情である。「しぐれ町」に至っては、城内のことなどまるっきり関係がないような人情ストーリーだ。

4)しかし、そうであると、逆にこちらの城内の権力闘争ものも、なんとなく新鮮に思えるから不思議なものだ。

5)後続編で知ってはいたが、この巻では相棒が剣道場を開くことになる。

6)チャンバラのシーンも、剣道のDVDでちょっとお勉強しただけでも、少しづつ見えてくる。なるほど、これはこれで基本形なのか・・・と。

7)身ごもる妻に離縁状を書き、ふたたび江戸へと旅立つ。

8)江戸にもどってみれば、相棒の道場もうまく行っていない。

<2-第4巻>につづく  

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/03/09

「武蔵『円明流』を学ぶ」 宮本武蔵の身体操作

<

51hepzbucwl
「武蔵『円明流』を学ぶ」 宮本武蔵の身体操作
赤羽根 大介(著), 赤羽根 龍夫(著) 単行本– 2010/1/26 スキージャーナル DVD  288ページNo.3430★★★☆☆

1)さてさて藤沢周平のドラマや映画ばっかりみてないで、すこしは剣道や武士道にも視野を広げようかな、と思い立ってかりてきた。なかなかスッキリしたDVDであるが、まだまだ新しい2010年ものである。

2)11の基本動作が説明されているが、実にこんなにシンプルなものかと唖然とする。しかしスローモーションで説明する、といいながら、ドシロートの私には、一瞬見えなくなる。すっと入ってしまうので、あれ、どうなった・・・? と目が宙を舞う。

3)宮本武蔵やら、佐々木小次郎やら、そう言えばいろいろ剣豪もいたなぁ、と、本当は赤胴鈴ノ介との違いも分からない状態ではあるが、そこになにかの日本の心があると言われれば、ああ、そんなもんかと思う。

4)「禅と武士道」という本も借りてきている。最近、瞑想とビジネスエリートの関係も取りざたされている。禅そのものは武士の独占ではないが、武士の精神性を形作るうえでは禅は欠かせないものであっただろう。

5)そのでんで行くと、ビジネスエリートの世界も殺伐としたもので、彼らのスピリチュアリティを支えるには瞑想が必要である、といわれれば、なるほど、そんじょそこらの凡人よりも、瞑想を求める気持ちは強くなるかもしれない。

6)藤沢周平の映画やドラマを見ているだけで、ナニ流、カニ流と、いろいろな剣道の流派がでてくるが、あのひとつひとつは実在したものか。その違いは一体、どういうものであったのか。その辺も、そのうち余裕があったら、調べてみよう。

7)瞑想にしたって、OSHO流やらTM流やら、ビパサナ、ZEN、ヨガ、テッィクナットハン、やらなんやら、いろいろある。剣術にもいろいろな流派があって当たり前だろう。

8)それともうひとつ、日本刀についてもすこしづつ調べてみようと思う。書店で立ち読みコーナーにいったら、宝島社発行の「日本刀」の本やらDVDがあってびっくり。なるほど、そういう意味では、今、日本刀を調べてみるのもおもしろいかもな。

9)そしてモノの本によれば、日本刀のルーツは、この東北だ、という説だってあるのだ。製鉄の技術やら、駿馬の生産地とやらで、この東北=国のまほろば=ホツマの世界と繋がってくる可能性もある。

10)せっかくの「YAMAN OSHO」というカテゴリにも拘わらず、あちこちヨソ見ばっかりしている当ブログではあるが、この「余裕」がまた、どっかで、どでかいナニかにぶつかるかもしれないよ。

11)気分のまま、あちこちふらついてみようじゃないか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

幼少年のための「楽しい剣道教室」

Img_2186_2
「楽しい剣道教室」幼少年のための
日活 1983/08 VHS 30分
No.3429★★☆☆☆

1)いやはやこのビデオ、ネット上にほとんど情報がなければ、図書館にカバーもなかった。もう30年以上の前の資料である。

2)このところ藤沢周平ワールドにハマり、はてさて剣道とはいかに、と思って、とりあえず表にでていたビデオを一本わしづかみにしてかりてきてみたのだった。

3)内容は至って真面目。30年経とうが、300年経とうが、剣道は剣道だろう。基本は変わらないはず。このビデオは幼少年のためのと銘打ってあるだけに、本当に初歩的なことを教えてくれる。なるほど、そういうことなのか、とこちらの背筋も伸びる。

4)指導する先生方もきわめて教育的。チャンバラなんて冷やかすのは、もうやめよう、っと。

5)私自身はぜんぜんやったことはないが、剣道と言えば、結構思い出はある。私自身にその気があれば、武道や剣道は、いつも身近にあって、その門を叩けば、いつでも道は開かれたかもしれない。

6)私はそうしなかった。私の道とはかなり遠いものと見てきた。

7)藤沢周平の映画やドラマにでてくる剣道道場とはいかなるものか、という、その関心だけでみたビデオだったが、観てよかった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「新 腕におぼえあり」 よろずや平四郎活人剣 第2集  藤沢周平原作

<新ー第1集>からつづく 

51l6foacmhl
「新 腕におぼえあり」よろずや平四郎活人剣 第2集
藤沢周平原作 高嶋政伸.段田安則.原田美枝子.村田雄浩.松重豊.羽田美智子.榎木孝明.宇津井健出演 1998/09 NHK DVD2枚組  352分
No.3428★★★★★

1)賢兄愚弟なのか、愚兄賢弟なのか。

2)裏稼業と、子育て。

3)愛。

4)人間。

5)通したい意地。

6)このシリーズ、最初あまりに村上弘明がハマり役だったので、イメージができてしまっていたが、「新」になって、高嶋政伸の役もなかなかいい。むしろ殺し合いばっかりの前シリーズよりもこちらのほがいいかな。役どころも、どこか感情移入できる。

7)これですでに16話。さらに8話あると思うと、すごいなぁ、と素直に楽しみ。

8)藤沢周平ワールドも巾が広く、奥も深い。

<新ー第3集>へつづく 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/03/08

「人情しぐれ町」第1巻 藤沢周平原作

512udbmcksl
「人情しぐれ町1」 第一巻
藤沢周平原作 石田ひかり, 山口祐一郎出演 2001/01 NHK DVD 172分
No.3427★★★★★

1)藤沢周平の世界でも、剣が登場しない物語もあるんだね。せっかくチャンバラに興味を持ち、日本刀ってなんだろうと、興味を持ち始めたにも関わらず、剣なし藤沢周平の世界があったとは。目から鱗の状態。

2)私の好みとしては剣なし時代劇のほうがずっといい。チャンバラの生臭いのはどうもいけない。そうは思ってみるのだが、剣なしは剣なしで、どこか一本抜けてしまっているのではないか、最初はそう思った。

3)しかし、そうではなかった。これはこれで面白い。むしろこっちがやっぱりいい。シリーズものではあるが、毎回、完結する。この短編の数々がとてもすがすがしい。いいなぁ、こちらのほうが、本当の藤沢周平だろう、なんて、勝手にそうつぶやいたりする(笑)。本当のところは知りもしないのに・・・。

4)人情しぐれ町。いいね。

<第二巻>へつづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「70年代のスピリチュアル」書きかけのボツ原稿

 1972年晩春、私たちは80日間日本一周に出かけた。参加したのは4人、まず仙台から北に向かい、三陸を通って下北半島から北海道に抜け、網走、利尻、礼文を経たあと、ひたすら、南へ、そして沖縄へと目指したのだった。

 参加したのは4人、ヒッチハイクが2人、125CCバイクが1人、東京から南に向かう原付バイクが一人。それぞれが、事前にコンタクトしていた地域の人々と交流し、10日に一度ほどの集合地点で情報交換しながら、独自の旅を続けたのだった。

 私たち4人が出会ったのは、1970年のべ平連の活動や街頭デモでのこと。当時、私を含めた2人は高校生。1人が予備校生、1人はすでに東北大生だった。4人にリーダーと言える者はいなかったが、敢えていえば、一番年上で東京生まれの流峰が一番活動的で、企画力があった。

 私が流峰とあったのは、70年の安保騒動の前にしての集会やデモでのことであった。タオルのマスクやカラフルなヘルメットが賑やかな集会において、彼は、頭に円柱形の角を4つ作り、そこには「人・間・解・放」と書いてあった。

 16才の高校生だった私には、正直、政治全体のことはわからなかった。しかし、暴力革命や街頭闘争というものに目を引かれつつも、もうちょっと違う道はないものか、と探していたのかもしれない。そして、時代もまた、いわゆる68/69と言われた過激な時代はすでに終焉し、共同幻想としての敗北感へと、沈潜していこうとしていた。

 まだまだ青年期であった4人ではあったが、体系化さえた公教育秩序からドロップアウトし、また、暴力革命のようなものでないナニカを探そうではないか、とフラクションをもつようになったのだった。

 72年の春にとりあえず市内の一角に共同でアパートを借りて共同生活をすることにした。まずは名前をつけようと、最初は「瞑想の松ビューロー」と呼ばれていた。近くの東北薬科大の構内には、日本へ最初にニーチェを紹介した高山樗牛が若かりし頃にその根元で瞑想したと言われる松の木があった。その所以で地名やバスの停留所は「瞑想の松」と名付けられていた。

 流峰は都内の高校在学中に、校内の政治的集会や新宿西口駅のフォークゲリラ活動に参加し、またそのレポートを深夜放送のDJに何度も書き送っていた。受け取り手はTBCパックインミュージックの桝井論平。二人の交流は「ぼくは深夜を解放する」(ブロンズ社1970)に収録されている。また、同じ高校の同学年に然(ぜん)がいたことも特筆しておくべきことである。

 私たちは、この80日間日本一周を始めるにあたり、各地の人々の活動を知り、またできる限り、今後、仙台で活動する上で連絡を取っていきたいと願っていた。そこで、もうすこし別な共同の名前を考えようということになった。新しい名前はもう一人の高校生だった悪次郎が考えた。「雀の森の住人達」。近くには大きな台の原森林公園があり、そこには雀たちが沢山いた、ということがとりあえずのネーミングの所以である。

 すでに18歳になっていた私は、受験も進学も就職もしない、いわゆるドロップアウトというライフスタイルに飛び込むことになった。そして6月から8月にかけて行なわれたこの80日間日本一周は、実にたくさんの体験をさせてくれたのだった。

 数え上げていけばキリはないが、例えば青森にヒッチハイクでたどりついてみれば、劇団「天井桟敷」が青森県民会館で「邪宗門」を公演中だった。私は仕込中の昼間から劇団に入り込み、寺山修司やシーザー、友川かずきなどといった人々と一時行動を共にした。

 山形では、菅原秀氏らが主催していた「サバイバルゼミ」合宿に参加した。秀さんとは、以前からの知り合いで1971年の朝日ジャーナルの「ミニコミ特集」で連絡をとるようになっっていた。お互いのミニコミがそのリストに掲載されていたのである。

 そこで末永蒼生氏とも知りあった。彼については1969年の頃から発行されていた「黒の手帖」(檸檬社)で知っており、彼が盛んに書いていたアサリ式色彩診断法という心理学的アプローチに私は以前から関心を持っていたのだった。

 金沢のやはり私たちと同じような共同生活体「やさしさの夢」を訪れた。京都を過ぎ、三重県の春日山にあるヤマギシ会では、名古屋の「頭脳戦線」の「恍惚合宿」なるものに参加した。西宮では当時大学生で「週刊月光仮面」を発行していた村上知彦氏を訪問した。

 四国にも渡り、羽倉正人氏の実家である旅館で仲間たちと落ちあい、また当時宇和島でUFOを研究していた清家新一氏を尋ねた。九州では福岡の伝習館高校の教師たちの集まりに参加したり、桜島でテントを張って野宿したりしていると、すでに季節は7月末の真夏になりかかっていた。

 熊本では、いわゆる「部族」の一派と見られる「虹のブランコ族」を尋ねた。加藤清正を祀ってあるといわれる「花園神社」の境内の日本家屋に「新撰堂」という自然食レストランがあった。そこが彼らの拠点だった。私がここを尋ねたのは、このグループに参加していた1人、然(ぜん)が私たちのメンバーでもある流峰と高校の同級生で、以前からその噂を聞いていたからであった。私はこのお店で初めてスチュアート・ブランドたちの「ホール・アース・カタログ」を見た。

ーーーーーーーーーーーー

と、ここまで書いてきて、手が止まった。これは依頼原稿の下書きのつもりだったのだが、長すぎて焦点がぼやけているし、そもそものテーマに、依頼字数の中に入らないことが判明したので、ボツにすることにした。

このまま削除してしまうのも忍びないので、ここに断片だけアップしておく。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/03/07

「新 腕におぼえあり」 よろずや平四郎活人剣 第1集  藤沢周平原作

<3-第3巻>よりつづく

51feafnaxhl_2
「新 腕におぼえあり」 よろずや平四郎活人剣 第1集
藤沢周平原作 高嶋政伸.段田安則.原田美枝子.村田雄浩.松重豊.羽田美智子.榎木孝明.宇津井健・出演 NHK DVD二枚組 352 分
No.3426★★★★★

1)高嶋政伸が主役じゃ、どうかなぁ、と思ったが、どうしてどうして、村上弘明も素敵だったか、それに勝るとも劣らない熱演である。

2)「よろずや平四郎活人剣」。この活人剣、という奴がいい。元祖「腕におぼえあり」も素晴らしかったが、どうも人が死に過ぎる。そんなに殺すなよ。そういう反省は、私ばかりが感じたのではなく、みんなが感じたかもしれない。

3)藤沢周平作品であることには変わりはないが、1、2、3と、この「新」シリーズには直接的な繋がりはない。別な作品群を、同じタイトルで繋いでいるだけである。

4)あまりな二枚目も困ったもんだ。見とれ過ぎて、素晴らしすぎて、ちょっと嫌みでもある。ましてや村上弘明の知人のハンサム男に似ていて、どうも落ち着かない。それに比べれば、高嶋政伸も決して醜男ではないが、ずっと身近に感じられるキャラクターである。下手な二枚目より、厚みがあるかも。

5)それにしても、これだけ違ったシリーズならタイトルも、もっと別なものにしてもよかっただろうに、とも思う。

6)いいねぇ、人情話。場合によっては、主人公の境遇に我が身を当てはめて考えてもいいくらい。さすが藤沢周平ワールドだ。

<新ー第2集>につづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/03/06

「腕におぼえあり3」 第3巻 藤沢周平原作

<3-第2巻>よりつづく 

51vabew51el
「腕におぼえあり3」 第3巻

藤沢周平原作 村上弘明, 黒木瞳, 風吹ジュン, 中居正広, 峰岸徹出演 1993/01 NHK DVD 180 分 No.3425★★★★★

1)シリーズものなら、ワンパターンに陥りそうなものだが、長丁場ゆえに、基本構造をすこしづつ変化させながら、次から次へと展開していく。脇役の微妙な変遷。

2)だからこそ、次から次へと見続けたい、と思ってしまう。

3)対決。面白いなぁ。

4)裏切り。恋。殺し。掟。失恋。大義。信念。剣。時代。平和。愛。死。命。武士。サムライ。自害。

5)さぁ、いよいよ、最終回、最後の大団円。

6)家族。子供。国元。江戸。因縁。

7)面白かったな、このシリーズ。今まで私の嫌いだったもの。小説。エンターテイメント。ちゃんばら。今まで嫌いだったものが、このシリーズですっかり好きになったかも。

8)表にいる者。蔭にいる者。何人の血が流れたのか。対決。

9)最初、このシリーズに出遭ったのは、他の何にもおもしろくないなぁ、とおもったからだった。このシリーズは、確かに面白かった。

10)決闘。対決。必死。敵。復帰。

11)愛と死。死と愛。このような対比を、この時代劇で。見事じゃ。

12)私ゃ、涙が流れたよ。完

<新ー第1集>に続く 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「腕におぼえあり3」 第2巻 藤沢周平原作

<3-第一巻>からつづく

51h5antfd8l

「腕におぼえあり3」 第2巻
藤沢周平原作 村上弘明, 黒木瞳, 風吹ジュン, 中居正広, 峰岸徹出演 1993/01 NHK DVD 135 分
No.3424★★★★★

1)国元の嫁が亡くなったことで、よりストーリーに深みがでてきた。陰謀につぐ陰謀。リアルな世界なら、もういい加減に嫌になることだが、ドラマだとすれば、まあ、これはこれで面白い。

2)第四話、五話、六話が収録されている。

3)村上弘明という俳優は素晴らしいが、どうも困ったことには、こいつと似た男に私の知人筋にいる。あいつも、相当持てるんだろうなぁ、といつも画面を見ながら思いだす。そのことがどうも気に食わない(笑)。嫉妬心(爆笑)。

4)いよいよ、終局に向かって、ドラマが展開する。

5)そういえば、ブッタも、マハヴィーラも武士階級だった。

<3-第三巻>へつづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

プレムバヴェシュの孫たちとの対話 <48> 腰の痛みから、心の痛みへ

<47=B>からつづく

「プレムバヴェシュの孫たちとの対話」 

<48>腰の痛みから、心の痛みへ

 4人いる孫のうち、3人の誕生日が、ほとんど三週間の中に固まっている。しかもその中に、クリスマスとお正月が含まれているのだから、さ~大変。

 何が大変と言っても、やっぱりプレゼントとお年玉の準備が大変なのである。せめて、誕生日くらいは、春とか夏に分散してくれていたらいいのに。悩ましい問題である。

 現在、4才、3才、1才と、7ヵ月。まだスタートしたばかりのこの問題、これからあと10数年は続きそうだ。

ーーーーーーーーー

 とかなんとか書いているうちにあっという間に数カ月。次から次へとイベントがあり、もう書きれない。もうこのままにしておこうかな、と思ってはみたが、それじゃぁ、空白期間が長くなるので、ちょっとだけメモしておく。

 孫がうろちょろしていると、どうも抱っこがしたくなったり、抱っこをしなければならなくなったりと、しょっちゅう体をよじっているので、ふと気付くと腰が痛くなっている。

 痛めた腰はすぐには痛くならない。翌日か、翌々日あたりになって腰のあたりが変だ。どうしたのだろう、と友人の整骨院に行ってマッサージを受けながら気付くのである。ああ、そうか、この頃、ずいぶん抱っこしたからなぁ。

 腰も、最近は、右ひざも痛い。どんなタイミングでどうしたのかは覚えていないが、まずは孫ゆかりの痛みであろう、と考えてみる。

 さてさて、腰の痛みでうんぬんしているうちはいいのかもしれない。最近は、腰ならぬ、心が痛くなることがある。

 3才や4才ともなると、それなりに自我が芽生えてくる。いわゆる第一反抗期というやつだ。今までは、猫っこかわいがりでも大丈夫であったが、いきなり反抗されると、こちとらは、爺さんなれど、むかっ腹が立つ時がある。

 いかんいかん、と思いつつ、こぶしを挙げてしまいそうになる時さえある。そろそろ、しつけや教育とやらが必要になるのかな。

 泣いたり、逃げたりする孫たちを見ながら、爺さんの役割も限界だな、と思う時もある。ここは親たちにお任せして、爺さんは、引っ込んでいよう、と、そう決断する時もあるのだよ。

 でも翌日になって、また懐かれると、やっぱ孫はかわいいなぁと抱っこする。すると、また心の痛みから、腰の痛みへと戻ることになるのだった。

<49>へつづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/03/05

「腕におぼえあり3」 第1巻 藤沢周平原作

<2-第四巻>からつづく

5139pq1kdzl
「腕におぼえあり3」 第1巻
藤沢周平原作 村上弘明, 黒木瞳, 風吹ジュン, 中居正広, 峰岸徹出演 1993/01 NHK DVD 135 分No.3423★★★★★

1)女房が殺される。意外な展開だ。10歳の息子が国元に残る。江戸のくノ一が新しいヒロインとなるのか。相変わらず、国元を脱藩し、江戸の裏長屋で用心棒暮らし。

2)と、ここで調べていて、実は「新 腕におぼえあり」は、主人公が変わるのだということを知った。なんと、せっかく村上弘明がかっこいいなぁ、と思っているのに・・・残念である。この「3」でお別れか。

3)古い人間関係をベースとしながら、新しい重要キャストも増えていく。

4)傍でみていた3歳の孫が「あれは何?」というから、「刀だよ」と答えた。すると「刀ってなぁに・・・?」ときた。あ~~~、あたしゃ~答えに窮した。「ドラえもんの暗いシーンなんかでも「怖い~」とおびえる孫たちである。彼らの前では、あんまりこのような人殺しのチャンバラを見るべきではないのかな、と思う。

5)それに比して、実は、このシリーズですっかりチャンバラになれてしまった。どこかチャンバラのシーンを期待してさえいる。何流、かに流という刀さばきにも関心が湧いてきた。これはいいのか、悪いのか。とにかく、そういう変化がある。

<3-第二巻>につづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「腕におぼえあり2」 第4巻 藤沢周平原作

<2-第3巻>からつづく

51p6d6k2yjl

「腕におぼえあり2」 第4巻
藤沢周平原作 村上弘明,黒木瞳, 村上弘明, 黒木瞳, 香取慎吾, 片岡鶴太郎, 風吹ジュン,出演 1992/09 NHK DVD 180分
No.3422★★★★★

1)10話から11話、そして最終話までの4作が修められている。この「2」シリーズでは、まだ第3巻は見ていない。この第4巻で「2」は終わり。「3」へと続く。

2)DVDの数でいうと13枚あるのだが、これでようやく5枚目。まだまだ半分にも至らない。相当の長編だなぁ。これらを一度に見ようという御仁もそうそうはいないだろうなぁ。

3)いずれにせよ、圧倒的なボリュームだなぁ。ボリュームでいえばこのシリーズがに

4)当ブログにおける評価はまちまちだが、このシリーズ全体で評価すべきであろう。一作一作ごとに違いがあるのは、作品よりも、むしろ見る側のその時の状況による。

5)そして子供も産まれた。

<3-第1巻>へつづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/03/04

「腕におぼえあり」 第三巻 藤沢周平原作

<第二巻>よりつづく

51sp8xynkrl
「腕におぼえあり」第三巻
藤沢周平原作 村上弘明, 渡辺徹, 清水美砂, 香取慎吾, 矢崎滋・出演 1992/04 NHK DVD 180 分
No.3421★★★★★

1)同じようなシリーズの同じような展開であるが、それを見ている自分の様々な環境が変化する。ドラマを見ながら、自分の心の中を見直してみる。あっちに行ったり、こっちに行ったりの我が心に、相も変わらずウロウロする。

2)こんな夜は、焼酎でも一杯ひっかけてひっくり返って寝るに限るのだが、分け合って、今週末までは断酒である。あと数日だ。我慢、我慢。

3)どうも落ち着かない気分で、このドラマを見る。すこし画面を追いながら、相も変わらず自分の腹の中のストレスを、どうにかしないといけないな、と思う。

4)浮世を忘れるために、今夜は、焼酎の代りの藤沢周平ワールドとなるか。

5)このシリーズは第9話から11話、そして最終話。本来であれば、この最終話でこのドラマは終わる筈だったのだ。しかし、人気が高かったから、2、3、そして「新」と、連続ドラマ番組が作られた。

6)このシリーズにどっぷり浸かったら、浮世のウサも忘れることができるかな。

7)赤穂浪士の討ち入りがある。どうして赤穂浪士はそんなに人気があるんだろう。

8)いいなづけの弟と対決。腹にすえかねることもあるだろうが、耐えてくれ、と。人生の中では、理不尽なこともあるのだ。耐えてくれ。

9)そうだなぁ、そうだなぁ、と思う。

10)腹も立つ。怒りも湧く。それもまた人生だろう。そんな時もあるさ。

11)兄弟同士が切りあったって、誰も褒めんぞ。親が嘆くだけだ。

12)死ね、と。切腹せよ、と。

13)切腹のシーン。そう言えば、三島由紀夫は切腹したのだった。このことが「大和魂」なのか・・・? 変なの?

14)ドラマだからなぁ。ホームドラマのようなのんびりしたものなら、憂さ晴らしの娯楽にはならないか。結局、三島も、あのような死に場所を見つけ、死んでいったのだった。

15)さてさて最終話。

16)三島由紀夫が切腹してから45年。当時45歳。あの時生れ変わっていたら、三島の転生魂ももはや45歳か。早いもんだな。七生報国。そこまで「国」に尽くすのか。

17)女を殴るシーン。そうだな。本当の気持ちを持っていたら、殴ることだってあり得る。本当の気持ちなら。だけど、誰が何をもって、それを本当とするか。己の心。

18)誰が悪訳なのか、敵なのか。どこまで行っても分かりませんな。

19)ここまでくると、ようやく「腕におぼえあり2」に繋がっていくのか。

20)いいなぁ、こんな人情話。サムライでもチャンバラでもいいじゃないか。

21)わたしゃすっかりファンになったよ。

22)男と男の睨みあい。またまたチャンバラか。

23)ところで、このシリーズで、一体どのくらいのサムライが死んでいくのだろう。

<2-第一巻>へつづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/03/03

「腕におぼえあり」第二巻 藤沢周平原作

<第一巻>よりつづく

51ydgwc7t5l
「腕におぼえあり」第二巻
村上弘明, 渡辺徹 (出演) 1992/04 NHK  DVD 180分
No.3420★★★★☆

1)5話から8話まで収録。国元のいいなづけも江戸にやってきて、再会。一挙に4話を続けてみるのも一興だが、それを見させる藤沢周平の力ワザと言っていいのか、ついにこの世界に慣らされたというべきか。

2)村上弘明という俳優、仮面ライダーにでていたとか。出身は岩手県陸前高田らしい。見ればみるほどいい男だなぁ。この男に似ている男がいる。身長も185らしい。あいつも長身だ。あいつもモテるんだろうなぁ、と勝手に嫉妬したりする(爆笑)。

3)ここまで連作でみると、ひとつのパターンが分かってきて、次の展開がなんとなくわかる気がしてくる。どこか水戸黄門のワンパターンが彷彿としてくる。前シリーズのまだ3分の1程度だが、乗りかかった舟。最後まで見通してやろうじゃないか。

4)それにしても、このタイミングで、どうしてこの時代劇を見ているのだろうか。ひとつは本を読むのが飽きているんだろうな。それと、気分転換。いままで踏み込んだことのない領域への、浮気、ともいえるかもな。

5)だが、これがなんとも面白い。いいね。

6)そうそう、このシリーズは、どうやら赤穂浪士を背景にして用心棒稼業が描かれているのだった。

<第三巻>につづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「『仮想通貨』の衝撃」 エドワード・カストロノヴァ

41cnt5oxiwl
「『仮想通貨』の衝撃」 
エドワード・カストロノヴァ(著), 伊能 早苗, 山本 章子(翻訳) 2014/06 角川EPUB選書 単行本   302ページ
No.3419★★★★☆

1)著者はアメリカのテレコミュニケーション学部の准教授。オンラインゲームなどにくわしく、仮想世界の経済学の第一人者として知られている、という。

2)原書は2014/06に英文ででた。タイトルは「WILDCAT CURRENCY」。ワイルドキャットとは山猫だから、山猫貨幣とでも訳すべきなのであろうか。いちぶには、「無責任な銀行によって支給された無謀な通貨」という暴訳も存在するようだ。

61ta7kbvrgl

3)日米同時に出版が進められていたのか、邦訳も同時に出版されている。日本においてはビットコインについての関心が高まっていた時期だけに、緊急出版されたという背景が見え隠れする。

4)しかしながら、この本は「ビットコイン」に特化した本ではない。むしろ、広義の仮想通貨についての大規模なレポートであり、その種別に意見が分かれるところであろう。

5)この本においては、バーチャルゲームや購入ポイントなども、一種の「仮想通貨」として扱われている。例えば本屋で買ったときにTカードのポイントがつき、次にガソリンスタンドでガソリンを入れた時にそのポイントを使って支払いをする、このようなことも「仮想通貨」として語られている。

6)今やどのお店においてもポイントカードというものが流行している。例えばホームセンターに行って木材を買えばポイントがつく。それが一定程度たまると、次回の購入の時に値引いてもらえる。しかし、そのポイントは、そのチェーン店でしか使えない。

7)Yカメラでも、食料スーパーでも、その類はありふれている。しかし、ほとんどがその店の購入促進につながるようにできている。

8)しかしそれが、本屋=ホームセンター=ガソリンスタンド=Yカメラ=食料スーパー・・・とどこでも使えるようになれば、これらのポイントはたしかに「仮想通貨」と言っても可笑しくない実体を持っているということになろう。

9)しかし、例えば本日ポイント5倍だとか、使用期限つきポイントとか、あるいは登録しただけで5000ポイントだの、何がなんだかわからない形で流行しているのが、今のポイントという奴だろう。

10)原著の「山猫通貨」(直訳)とは別に、邦訳は「『仮想通貨』の衝撃」とある。いままでこの「衝撃」という名のついた本を、当ブログでは何冊か読んできた。
「Twitterの衝撃 140文字がビジネスからメディアまで変える」(2009/11 日経BP社)、「キンドルの衝撃 メディアを変える」 (2010/01 毎日新聞社)。あるいは「クラウドの衝撃」(2013/0 kindke版)、「ビックデータの衝撃」(2012/6/29東洋経済新報社)などなど、いわゆる「衝撃」本は数々ある。

11)その本がでた当時はたしかに「衝撃ではあるが、いまとなっては、Twitterも、キンドルも、クラウドも、ビックデータ」も、ごくありふれた日常の実用となりつつある。ということから考えて、この「仮想通貨の衝撃」も、この本がでた2014年においては「衝撃」であったとしても、数年を経ずして、ごく当たり前の風景になっていくかもしれない。

12)しかし、上のようなポイントやヴァーチャルゲームなどが主なる話題となっているうちはまだまだ本当の「衝撃」ではないだろう。センターでコントロールするシステムがあるうちは、政府の規制下におかれる運命にある。

13)ところがビットコインを初めとするいわゆる真正「仮想通貨」が実体を増殖していったならば、本当の「衝撃」がやってくるに違いない。

14)そもそもセントラルオペレーターがいなかったらどうなるだろう。国が生み出したバーチャル世界や仮想通貨が、インターネットの中で自己管理できたらどうなるだろう。中心となる調整役もいなければ、コントロールする機能もないとしたら、どうなるだろう。

 そらが可能になるのは、ピア・ツー・ピア(P2P=特定のサーバーを持たず、対等な関係のコンピューター同士でデータを送受信する通信方式)のサービスによってである。バーチャル世界でのP2Pは、どんな人のものであっても外からの影響は受けないはずだ。p256「ピア・ツー・ピアと説明責任」

15)この地点から眺めてみると、広義として使われている「仮想通貨」などのポイント制に比べ、ビットコインなどのバーチャル通貨は、まったく別システムであることがわかる。

16)仮想通貨のひとつに「ビットコイン」がある。(中略)ビットコインはあるプロトコール(ルール)から生まれた。このプロトコールは、たくさんのコンピューターをせっせと働かせて、かなり難しい円算問題を解かせる。(中略)

 21世紀半ば、つまり2050年ごろには、おそらくコンピューターが採掘できるビットコインはほぼ採掘され尽くしてしまうと考えられている。

 ビットコインのプロトコールの詳細な仕様は複雑だが、2050年の問題を解くには、地球全体に匹敵するサイズのコンピューターが必要であり、しかもそれを高速で動かさねばならない。したがって、これ以上のビットコインを採掘できなくなる日がいずれ来るだろう。p212「ビットコインとバーチャルインフレーション」

17)この本の広義の「仮想通貨」が今後「衝撃」から現実化していくことだけでも、かなりの破壊力がある。しかし、いずれ「ビットコインの衝撃」などという本がでてきたら、そん時は、本当に覚悟しなければならないな、と思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「腕におぼえあり2」 第2巻 藤沢周平原作

<2-第一巻>からつづく

516zqkvhcnl
「腕におぼえあり2」 第2巻 
藤沢周平原作 村上弘明, 黒木瞳出演 1992/09 NHK DVD 135分
No.3418★★★★★

1)藤沢周平ワールドも、ここまでくると大衆娯楽、エンターテイメントだな。

2)いよいよ国元の新妻も江戸に到着、男女関係も錯綜する。倫理観から言えば、いろいろありそうだが、これは娯楽、エンターテイメントだからなぁ。公共放送の限度内でさまざまなエピソードが続出する。

3)救われるのは主人公のすがすがしさとキリリとした颯爽たる人物像。そもそも原作ではどのようになっていたのだろう。

4)おなじタイトルの「腕におぼえあり」であっても、原作はあちこちから持ってきているみたいなので、あとから原作と突き合わせてみよう。

<2-第三巻>へつづく 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/03/02

「腕におぼえあり」 第一巻 藤沢周平原作 

51h3z5yn0sl
「腕におぼえあり」 第一巻
藤沢周平原作 村上弘明, 渡辺徹, 清水美砂, 香取慎吾, 矢崎滋・他出演 1992/4 NHK DVD 203分
No.3417★★★★★

1)藤沢周平作品がNHKに本格登場したのがこの作品ということになろう。なるほど、こういうスタートだったのか。

2)シリーズ2より何処か軽くコメディタッチでもある。映画のシリアスな藤沢周平の世界に比べれば、なかなかNHKらしくって、飽きずに見れる。

3)しかし、その「みなさまの」NHKの割には、砕けた表現があちこちに見られる。長屋のおかみさんたちが、主人公の「股間」を掴むシーンがあったり、若い男がかつてのいいなづけに、俺の「体」が忘れられないだろう、なんて力む場面もある。

4)このDVD第一巻では、4週分の番組が収録されている。一編一編がなかなか見ごたえがある。コメディタッチの割には、殺陣は見事だ。いままで、「チャンバラ」なんて言って、あんまり歓迎していなかったが、慣れてきたのか、最近は、この殺陣がスンナリ見れるようになってきた。

5)つづけて続編を見てみたい。

<第2巻>へつづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/03/01

「藤沢周平を読む」 「歴史読本」編

51z1veark3l
「藤沢周平を読む」
「歴史読本」編集部(編集) 2010/09 新人物往来社 単行本 333ページNo.3416★★★★☆

1)Town Mook の「藤沢周平と<海坂藩>を旅する」 日本と日本人の原風景 (2012/11徳間書店)のグラビア風とは違って、こちらは総合雑誌風なガイド本である。図版や画像も多くあり、それを見ているだけでも楽しい。

2)そもそも小説嫌いな当ブログが藤沢周平の世界に近づいたのは、本を読むのが面倒臭くなって、何か面白いDVDでもないかなぁ、と探していた時だった。そのDVD「隠し剣 鬼の爪」(2004/10 松竹)が余りに面白かったので、さて、この原作者は?と気付いて、あらためてこの作家の存在を再認識したのであった。

3)しかるに解説本などで、またまた文章の世界にもどっていくのは、ちょっと大儀である。いましばらくは、原作の小説も読まず、映画やドラマとして制作された作品群から見てみようと思っているのだ。

4)映画も「山桜」(2008東京テアトル)を除いて、すべて見たことになる。テレビドラマはこれからだが、それでも図書館に収められている作品群を見終わるまでには一ケ月以上はかかるだろう。

5)しかもその後は、CDで残されている音声小説を楽しむことができる。いちいち文章を追っかけることが面倒になった当ブログは、しばらくは視聴覚資料で藤沢周平を楽しむのである。

6)しかし、それにしても、これだけの資料が大量に残されているということは、それだけ多くの人々に愛されている、ということだろう。私も還暦を過ぎてようやくこの作家に目が行くようになったわけだが、残された作品群を楽しむには何十年もかかるのではないだろうか。

7)これから20年位、この作家に浸りきって余生を送る、なんてことも、まぁ、ひとつの「老人」の生き方かも、なんて考える。(笑)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「腕におぼえあり2」 第1巻 藤沢周平原作 

<第三巻>よりつづく 

51g7c31dg3l
「腕におぼえあり2」 第1巻
藤沢周平原作 村上弘明, 黒木瞳(出演) 1992/09放映 NHK DVD 160 分No.3415★★★★★

1)1992/04から放映されたシリーズの2。図書館から届いた順にDVDを見ているのだが、本当は1から見るべきだったのだろう。これもよからん。

2)主演の村上弘明が、ドラマの中ではモテ過ぎるので、ちょっとヤケる。実際にはそんなにモテてはいけないだろうw。ドラマだからなぁ。

3)1969年にデビューし、1997年に亡くなるこの作家にして、1992年はすでに晩年に属しているだろう。このシリーズがNHKにとっての藤沢周平作品の始まりなのだろうかと思ったが、「立花登・青春手控え」1982年 NHK 出演中井貴一、篠田三郎)がある。他局では、TBS(1980から)、テレビ東京(1980から)、読売テレビ(1981から)、フジテレビ(1982から)、日本テレビ(1989から)、などが藤沢周平原作のテレビドラマを制作している。

4)このテレビドラマはライト感覚で見れる。あまり涙ぐむようなシーンはない。どちらかというとコメディタッチだ。軽く浅く、かと言って藤沢周平の世界をゆがめない程度に連続ドラマが制作されている。

5)このビデオには第1~3話が収録。藤沢周平原作「用心棒日月抄」がベースになっている。

<2-第二巻>へ続く

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2015年2月 | トップページ | 2015年4月 »