「庭仕事の愉しみ」 ヘルマン・ヘッセ <5>
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「庭仕事の愉しみ」
<4>
ヘルマン・ヘッセ /フォルカー・ミヒェルス 1996/06 草思社 322p 原書HERMANN HESSE FREUDE
AM GARTEN 1992
★★★★★
1)ヘッセが愛したアルプスの南嶺の村々とか、ゲーリー・スナイダーが暮らしたシエラネバダのキットキット
2)おそらく、それにふさわしい人がふさわしい場所へとエスコートされていくのだろう。
3)私は街にあって、車を停めれば精一杯の庭付き家に住んではいるが、そこで何か庭仕事、というまでは行かない。かと言って、車を走らせて、小一時間かかる森に畑を作って通う、というのも現実的ではない。
4)ここにひとつの分離があった。
5)近くの土地をずっと物色してきたのだが、これというところがない。町の中の土地はあっても、周りのマンションから覗かれたり、逆にこっちから覗いたりというのも、いまいちうっとうしいし、もすこしどうにかならんもんかね、とずっと思ってきた。
6)ところが最近、ひょんなことで、十分ではないが、この私のフラストレーションをちょっとだけ解決してくれそうな場所と出会った。
7)契約があるからどことは言えないが、これがなかなかいい。街中をウォーキングしていたあの距離で、ぐっと広くて、しかも樹木に囲まれていた場所があったのだ。使えそうな土地は確かに狭い。狭いけれども、それほど広い土地が私に必要であろうか。
8)自宅から離れているが、歩いても、自転車でも行ける距離である。興に乗ってビールなんぞをかっくらっても、歩いて十分帰れる範囲にある。
9)近くは何度も通り過ぎていたのだが、ちょっと森の奥に隠れていたので、気がつかなかったのだ。ここはいいなぁ。直感である。
10)頭の中ではさっそく、春の作付が始まった。ナスとかきゅうりとかトマトなんかがいいのかな。それとも花? 農業に憧れながらも、ぜんぜん音痴な老人ではあるが、始めれば、割と上達するかもよ、などと友達におだてられながらも、悪い気はしない。
11)探究者や賢者は、成熟するにつれてこのような心の集中へと戻って行きます。が、たいていの人は、この本当に大切なものである内面の世界をとうに忘れ、永遠に見捨ててしまっているのです。そして決して自分の魂の内奥に住まず、決して、魂の内奥へ、故郷へ連れ戻してくれることのない、いろいろな心配ごとや望みや目標などをさまざまな迷路を生涯のあいださまようのです。p263「イーリス」
12)私には今、静かな大地が必要だ。僅かに座る土地があれば、そこは地球全体に繋がる大地であるし、頭上には天空が広がる。風が香りを運び、川や雨が潤す。そんな中で、過ごしたい。
13)無理をせず、自分サイズでいいじゃないか。
14)庭仕事の愉しみ、とはいかないが、小さな農園の畑仕事には、なんとかありつけそうな、この春である。
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