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2015/05/20

「男はつらいよ 推敲の謎」 杉下元明<2>

<1>からつづく

男はつらいよ推敲の謎
「男はつらいよ 推敲の謎」 <2>
杉下元明 2009/05 新典社 新書 159p

1)ゴールデンウィークを挟んだ大量休日のなかで、ぽっかりと開いてしまった自由時間。ましてや自宅でひとりで過ごすとなると、これまた貴重ではあるが、何をやっていいやらちょっととまどうことになってしまう。

2)そんな時、ちらっと目についたのが、10年前にNHK-BSで特集を組んだ時に録画しておいた「男がつらいよ」の編集だった。録画とはいうものの、当時も忙しく、自動録画したものをDVDに焼いたまま、ラベルもつけずに放置しておいたのだった。いつかやろうと。

3)全48作全部録画した筈なのだが、今回確認したところ中間ころに2作品の欠番がある。管理が悪いので、どこかに隠れてしまったのかもしれないが、今では図書館に全作品が収蔵されているので、見るだけなら、何にも困らない。

4)しかし手元に「男がつらいよ」全作品があるというのは、ちょっとした自慢なのである。録画も随分手間暇かけてやったぞ。ただ、たしかコーディングとかいう作業は残っている。つまり他のDVD機器でも見れるようにする変換が必要らしいのだが、それは今回できなかった。

5)まずはバラバラに散らばっていたDVDをかき集め順番に並べ替えし、タイトルを書いた。プラスチックケースも統一のものにし、全体性がでてきた。

6)現在のところ5分の4ほど見終わり、やがて大団円に向かっての突進である。

7)今回見ていて気付いたことは、まずはフーテンの寅を好きになったのは自分がようやく30歳になって家庭を持ってからだった、ということだ。そして、この映画でも最初に寅が登場するのは30歳である。

8)若い、ユースカルチャーでは気付けないフーテンの寅の面白さ、中年にさしかかり、ようやく、この世界に足を踏み入れたということになる。

9)放浪と定住。おそらく、この二つとも人間には必要なのだ。30までは精神の放浪が続いていた、というべきだろう。30になって、自分の家庭という定住が必要であることを痛感しながらも、いまだ冷めやらぬ放浪への夢がうずく時、フーテンの寅はやってくるのだ。

10)現在、最後の10作品を見ているところだが、これまでは前半の青年としての寅のほうに共感を持っているようだ。晩年の寅はどうなんだ。ちょっと円熟が増し過ぎてはいないか。

11)かくいう私も、青年期、中年期などはとうに過ぎ去り、初老の域に突入している。気持ちはそう老いてはいないのだが、現実をよく見る必要がある。

12)「男はつらいよ」は1969年から1995年までの作品である、80年代後半までは正月と夏休みの年2回作品だった。そしてその後は年一度の正月映画となる。この定期性が、私の人生を振り返るいいチャンスになっている。

13)1969年は15歳の高校一年生だった。そして1995年は阪神淡路大震災、オウム真理教事件、ウィンドウズ95の発売、と、実にメモリアルな時代であった。この時代を振り返るには、常に寅を複線として考えてみると、自分の彷徨が、より明確になってくる。

14)何年か前に「寅さんとイエス」 (米田彰男 2012/07 筑摩書房)という本を読んだ。その時、私は期せずして「ゾルバ・ザ・ブッダ」を連想した。今回、「Zorba The Buddha」カテゴリを走らせながら、結局「男はつらいよ」全48作に辿り着いたのも、故なきことではなかった。

15)全48作を見たら、この本「男はつらいよ 推敲の謎」や「寅さんとイエス」などを参考に、もういちど振り返って見ようと思っている。

<3>につづく

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