「男はつらいよ」 第22作噂の寅次郎 山田洋次監督
「男はつらいよ」 第22作 噂の寅次郎
山田洋次(監督) 渥美清(出演), 大原麗子(出演), 1978/12 松竹 DVD 104分No.3502★★★★☆
1)1978/12。この時期は、わが人生のなかでも、もっとも危機的条件がそろっていたかもしれない。1年間のインド滞在を終えて帰国。東北の寒空でやせ細った体でバス停に立っている自分の姿が思い出される。
2)春の大型連休も今日で終わり。家族が出払ったうちに、録画しておいた寅シリーズをどれだけ見れるか、という寅マラソンもそろそろ中断だ。なんとか24作までは手が届きそうでもあったが、ついに最後はバラバラになってしまった。
3)いままではテレビを一人占めして一人で見ていたが、家族が帰ってきたあとは、寝床でパソコンでDVDを見ている。そのついでに、ソフトも図書館から借りてきたものを見ているので、ややもすると順番がバラバラになる。
4)私が最初に寅シリーズをテレビでみたのはたしか84年とか85年あたりだったと思うが、さだかではない。少なくとも、その時までに制作された作品をみたのであろうが、どうもまだここまで来た中では、たしかこの作品という目途は立っていない。
5)おそらくは第36作あたりまではあるはずなのだが、今後はそのあたりも留意しながら見ていくことにしよう。イメージとして夏の作品で、すだれが印象的に登場した作品だと思っているのだが、いまだにわからない。
6)寅はどんどん先行し、40代の半ばにも達そうという設定である。私はまだ24歳。1995年まで続いたこのシリーズ、その終点の時点で私はまだ41歳だったのだから、とても寅を追い越せるものではない。
7)しかしながら、私ももうすでに還暦も過ぎた老人である。いつか、いつの時点でか、私は寅を追い越してしまっているのである。このビデオシリーズを録画したのでさえもう10年も前のことだ。ジョージ秋山「浮浪雲」を見ながら、子育てをしていた時期と、寅を見ながら人生を考えていた時期の、どこがどう繋がってくるだろうか。
8)この映画ではもう離婚の話題がメインになっている。私の友人間でも、そのような話題もひとしきりあったが、それでもそれはもっともっと後になる。寅は、私の年代よりずっと上の人々に愛されたシリーズだったのではないか、と今思う。
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