「男はつらいよ」 第23作 翔んでる寅次郎 山田洋次監督
「男はつらいよ」 第23作 翔んでる寅次郎
山田洋次(監督) 渥美清(出演), 桃井かおり(出演), 1979/08 DVD 107分
No.3503★★★★★
1)この作品もなかなかよかった。寅次郎というより、翔んでいるのは桃井かおり演じる処のアメリカ留学帰りの女性だ。当時、翔んでいる女性と表現された。ある種の好奇心と、ある種のひやかしが、そうさせた。
2)時代は1979/08。我が身はインドから帰国後、一点急降下、農業学校の全寮生となった。番組でもでていたけれど、インベーダーゲームというのが大流行していた。77/12日本を飛び立つときはまったくなかったけれど、一年後に帰ってきたら、街中、インベーダーに侵略されていた。
3)なぜかこの作品にもレインボー評価を下したい。もうすでに36年前の映画だ。当時の日本の若者文化のある一端を象徴しているようなストーリーだ。これから高度成長期からバブルへ向かうという、その時代背景。
4)こうして見ると、寅はすでに時代遅れのおっちょこちょいでしかないのだが、反面、翔んでいた世代も、その後いったいどうなったことだろう。翔んだあとの着陸地点が見えた人と見えない人といた。
5)桃井かおりと布施明のカップルもなかなかいい。今となれば、なんともあやふやな、頼りない若者像ではあるが、そんなこと、誰にも言えない。若者とは、そういうものなのだ。むしろ、訳のわからないシナリオを降りて、自らの足で確かめる姿勢は確かに必要だったのだ。
6)48作中、ちょうど半ばに来て、すこし中だるみかな、と思ったが、この作品でピリリとしまった感あり。
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