「男はつらいよ」 第35作 寅次郎恋愛塾 山田洋次監督
「男はつらいよ」 第35作 寅次郎恋愛塾
山田洋次(監督) 渥美清(出演), 樋口可南子(出演), 1985/08 松竹 DVD 108分No.3513★★★★★
1)「蒲田行進曲」以来、平田満はいい味だしているが、相手が樋口可南子では、ちょっと重荷、って感じないわけじゃない。かたや樋口可南子も、印刷会社に勤めながら、自宅アパートに写植機をおいてアルバイト。これがなかないいいなぁ。
2)写植機つまり写真植字機なんて言ったって、もはや今じゃぁ意味なさないかも。そもそも「植字」がなくなってしまった。すべてはパソコンやコンピュータ端末処理であろう。時代は変わったものだ。
3)この映画は1985/08だけれども、私が写植機のオペレーターをしていたのは1976~7の事。だからほぼ10年昔の話になるのだった。私は独立心があったから、あのまま写植機を担当していたら、きっとあの後、また別な人生が展開したのかもしれない。
4)インドから帰ってきた後、あそこからまた新たに印刷会社への道もあったはずなのだが、人生はそう運んでくれなかった。私は営業系へと転身する。この時に基礎があったから、現在の職業にも結びついてきたのだが。
5)当時、当時私の周りにも印刷系やデザイン系、広告代理店系の友人たちは沢山いた。横目で彼らをみつつ、うらやましいなぁ、と思ったりしたが、長い人生で考えてみると、彼らのビジネスも決して盤石なものでもなかったし、長期安定のものではなかった。その意味では、こちらも同じことだが。
6)1985/08と言えば、我が家では二人目の子供をもうすぐ迎えようというタイミングだった。ひたすら営業系で働きながら、実は心のすさびはどんどん大きくなっていた。これでいいのか。
7)しかしまた、頼みとする米国オレゴン州のOshoコミューンにも黒雲が漂い始めていた。ニュースがダイレクトに届いてこない時代のことである。直接何が起きているのかはわからないが、とにかく、何かが起きている、という危惧感に、うろうろしていた時代であったように思う。
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