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2015/05/23

「男はつらいよ」 第45作 寅次郎の青春 山田洋次監督

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「男はつらいよ」 第45作 寅次郎の青春
山田洋次(監督) 渥美清(出演), 後藤久美子(出演), 1992/12 松竹 DVD 101分 No.3528★★★★★

1)ゴクミ・シリーズ。名古屋の高校を卒業したゴクミは東京のレコード店に就職する。結局はやめてしまうのだが、社会人として化粧した彼女はますます美しい。若い。

2)旅先で偶然、寅やゴクミや、ミツオなどが出会うというのは、あまりにリアリティがなさすぎて、作りすぎな感じがあるが、そもそもこの寅シリーズは喜劇なのだから、シリアスなリアリティにこだわることもあるまい。

3)しかしながら、ゴクミとミツオが展開する恋愛劇は、なかなかシリアスで、リアルだ。もう寅は主役を奪われて、脇役に収まっている。

4)いやいや、ひょっとすると、寅自信がガンで、体調不良だったのかもしれない。その不調を押して、寅シリーズという作品を成立させるために、最小限の出演に抑えられていたのかもしれない。

5)1992/12。あのころ、私はどうだったのだろう。「スピリット・オブ・プレイス」も終わり、さて仕事にせいだそうという時期ではあったが、すでにバブル崩壊の影響は、社会各層に大きくなっていて、私の仕事など、風前のともしびだった。

6)法人化して船出したばかりの営業職は、新たな分野を加えたものの、まだまだ準備段階で、生活の柱になるようなものではなかった。私もまだまだ30代後半、何事かのことができるはずではあったが、あせりばかりが目につく日々だった。

7)寅シリーズもあと数作。今回の再視聴は、手あたり次第、第47作からスタートしたのだったが、まもなく、一つの円環を迎えることになる。

8)最後に来て、ゴクミとミツオの展開が、グッとシリーズを引き締めている。年一回ということで、スタッフの加齢も目につく。タコも痩せた。そう言えば帝釈天の御前様も、たしか、この作品が最後になるのだった。

9)ここまで見てきて、たしかに中ごろにマンネリはあったが、なかなかどうして、これは素晴らしい円環しているシリーズだ。

10)今回、こうして全48作を見通すことになるわけだが、おそらく、そう遠くない時期に、またふたたび、これらの前48作を見る機会がくるのではないかな。そういう予感がする。

11)ますます寅が好きになった。

男はつらいよ全48作 

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