「AIの衝撃」 人工知能は人類の敵か 小林 雅一<1>
「AIの衝撃」人工知能は人類の敵か<1>
小林 雅一(著) 2015/03 講談社 新書: 256ページ
No.3542★★★★★
この本、なかなか面白い。まだ第一章を読んだだけなのだが、かなりの「衝撃」である。少なくとも、角川インターネット講座の一連の本よりははるかに刺激的である。
それは当然であろうと思われる。おそらくあの講座のなかで、この本に匹敵するものは、第15巻伊藤穰一 監修「ネットで進化する人類」ビフォア/アフター・インターネット(2015/10刊行予定)しかないであろう。
つまり、あの講座の結論部分がすでにこのような新書の形ですでに提示されている、ということである。
これらの背景には、「シンギュラリティ(技術的特異点)と呼ばれる未来予想があります。シンギュラリティとは、米国の著名な発明家で、現在はグーグルのAI開発責任者を務めているレイ・カーツワイル氏ら、一部のエキセントリックな科学者たちが提唱している一種の科学思想です。(客観的な裏付けに乏しい思想でもあるため、「科学宗教」と皮肉られることもあります)。
彼らは「AIは今後、指数関数的な成長を遂げ、2045年年頃には人間の知性を超越した存在になる」と予想しています。p41「最新AIの驚異的実力と人類滅亡の危惧」
レイ・カーツワイルについては、「ポスト・ヒューマン誕生」コンピュータが人類の知性を超えるとき(2007/1 NHK出版) 、「加速するテクノロジー」 (2007/05 日本放送出版協会)など、当ブログのスタート地点から注目してきた。
シンギュラリティやシンギュラリタリアンなどのコンセプトについては、それぞれのカテゴリーを立ち上げて追っかけてみたりしたが、ものごとはそうそう簡単に直線的に進むものではないらしい。いままでのところ、大きな成果は見ていない。
しかしながら、シンギュラリティの地点から見れば、牛歩の歩みとはいえ、ITワールドそのものはまさにドッグイアーで進化しているのであって、確実にある特異点にまっしぐらに突進しているかに見えるのは、確実である。
この論文(編注:「私たちの仕事はどこまでコンピュータに奪われるか?」のポイントは今後、AIを搭載したコンピュータやロボットに奪われるであろう職種を定量的に割り出したことです。p44同上
第一章で始まったばかりだが、いろいろ伏線を張りながら、さまざまな問題を掘り出していく。実際に、現在自分が関わっている職業(役割)が、今後、どのような変化を遂げていくのか、立ち止まって、新たに見定めてみるのも面白い。
この一冊は急いで読み捨てるのではなく、ゆっくり読みたい。
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