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2015/06/19

「検索の新地平」集める、探す、見つける、眺める<角川インターネット講座8>高野明彦他

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「検索の新地平」集める、探す、見つける、眺める<角川インターネット講座8>
高野 明彦 (監修) 2015/04 KADOKAWA/角川学芸出版 単行本: 250ページ No.3538★★★☆☆

1)「角川インターネット講座」のなかの一冊。インターネットの発明と、検索技術の発展は、実に大きな出来ごとであるが、今となっては、当たり前の話題となり、本当の論点はこの本の腰巻にあるように、「未来はグーグルのむこうにある」のである。

2)「未来はグーグルのむこうにある」と放り投げられてしまえば、あとはこのシリーズの最終巻となるであろう15巻、伊藤穰一監修「ネットで進化する人類」ビフォア/アフター・インターネットの出来に期待をするだけなのであり、この本自体は、おざなりの一冊と言える。

3)参考文献に「意識をめぐる冒険」クリストフ・コッホ(岩波書店 2014)が紹介されていた。既読かなと一瞬考えたがそうではなかった。手元の図書館には入庫していないが、いずれ読みたい一冊。

4)2003年に登場した「Second Life」。プレイヤーは自らの分身となるアバターを通じてポリゴンで形作られた仮想世界を体験し、その中で自由にモノを制作、追加できるだけではなく、リンデンドルと呼ばれる仮想的な貨幣も備えていたため、実世界とは別の場所に新たな経済システムが生まれる可能性も語られるようになった。

 しかし最近のトレンドは、こうした「実世界と切り離された仮想世界」よりも「実世界に紐づいた仮想世界」へ転じているように思える。p130「実世界と紐づいた検索」

5)当ブログも仮想世界「セカンドライフ」には「いっぱい喰わされた」わけだが(笑)、あれはあれで、それなりに可能性を感じた。しかしながら、広大に広がる大陸の中で出会う人が、実に少なかった。つまり、その面白さの反面、その面白さを理解する人が少なすぎた、ということなのだろう。私は、いつかはこの世界は逆襲してくると思っている。

6)まず3・11メモリーズとは、東日本大震災に関するニュース記事を自動言語処理で分析し、3・11以来の時間の流れを、「静かに動く年表」に再編集したウェブ作品である。オンラインニュースの大量の記事を単語に分析し、その統計値から日ごとの重要キーワードを自動的に計測する。その結果をタイムラインに並べて表示することで、震災後の話題の時間的な推移を可視化した。p153同上

7)3・11については、実質、私のこころはまだまだ修復されていない。その全体像を直視することは一体いつになったらできることだろう。私自身は、これらの作業をすることはできないが、誰かがやっておかなければ、それこそ胡散霧消してしまう可能性もあるので、できる人はぜひそのような作業をしておいていただきたい。

8)総体としては、このシリーズはおさらい的な傾向にあり、くわしいけれども、決してセンセーショナルな前衛的なスタイルを取っていないので、全体的に、おざなりなイメージが残る。逆に言えば、おちついて、復習的な教材として読み込むのであれば、いままで見落としていたことにも気付くチャンスもでてきそうだ。

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