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2015/06/19

「市民農園のすすめ」千葉県市民農園協会

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「市民農園のすすめ」
千葉県市民農園協会(著)  2004/1 創森社単行本 153ページ 
No.3537★★★☆☆

1)市民農園の原型はおよそ二つの方向性に帰着する。
 一つは、イギリスの産業革命と近代都市計画の過程で土地と生活の糧を失った都市住民に菜園用の土地を貸与したものであり、もう一方は、ドイツにおいて健康増進の目的から土とのふれあいを提供するという視点で医師シュレイバーが提案したシュレイバーガルテンである。これらはアロットメントおよびグラインガルテンとして、今日それぞれの国に引き継がれている。
p148「これからの市民農園への期待」

2)この本は、ローカルな著者名を持ってはいるが、実は、世界的な視野を持っグラインガルテン(ドイツ語で市民農園)「運動」の概要と、広がりをまとめたものである。だから、斎藤 進著「もっと上手に市民農園」4.5坪・45品目 小さな畑をフル活用(2012/3 農山漁村文化協会)のようなノウハウを求めてはならない。むしろ、そういうことは一切書いてない。

3)市民農園活動を長く続けていると、「日本の都市の中にあるのは市民農園であり、クラインガルテンではない」とか、「市民農園はどうでもいいからクラインガルテンを整備すべきだ」という言葉を聞くことが度々ある。p55「市民農園とクラインガルテン~用語をめぐって」

4)いみじくも著者が「活動」と言っているが、これは市民農園と言う趣味の世界ではなく、市民農園活動というムーブメントとして捉えられているのだ。大局的には理解できるし、最近まで考えてきたパーマカルチャーやエコビレッジなどと、「運動(ムーブメント)」ととして捉え直してみる必要もある。

5)しかし当ブログにおいては、最近まで高まりのあったこれらの「運動」的視点に対しては、すこし沈静化傾向にある。理由は、具体的に存在する数万坪の土地の活用の仕方に、関係者間において統一見解を見ないことと、その中のひとつの可能性としてあった「マルチバーシティ」が、その中心人物が亡くなったことで、集中力を失ってしまったからである。

6)ドイツの市民農園は、基本的には都市の中に存在する。小屋があるが、宿泊施設ではない。日常生活の中でくつろぐの時を過ごす空間である。休日を家族で過ごしたり、出勤前や帰宅途中に立ち寄る空間であり、無農薬野菜を栽培し、生活を飾る花を育てるところでもある。p65「マースさんを訪ねて~ドイツ・ミュンヘン~」

7)このところ私をとりこにしていたエコビレッジという概念は、この滞在型市民農園にやや近いものであったが、まずは土地ありきであったために、さまざまな制約があった。まずは都市からの距離、そして冬季期間の閉鎖状況、そしていくつかの法的な問題であった。

8)しかし、現在は、その枠組みを大きく離れて、とにかく手短に市民農園で有機無農薬栽培」というコンセプトに移ったので、かなり意味が違ってきた。特に個人的には、とにかく楽しみたい、ということで「運動」的視点からは大きく開放されている。

9)思えば、ヘルマン・ヘッセの「庭仕事の愉しみ」などは、ドイツのこのようなクラインガルテン的背景をバックにしていたのかもしれない。

10)市民農園は、まずは土を相手にし、野菜や花やハーブを育てていく場である。この空間で楽しく過ごしていくためには、土を知り、作物を知り、お互いがパートナーの関係になっていくことが望ましい。そして土を知り、土づくりをしていくためには、何作か作り続ける年月が必要である。市民農園は毎年契約更新でもよいから、同一区画を10年、20年と利用できる仕組みが望ましい。p145「望ましい市民農園の展開」

11)まさに、そう思うようになってきた最近である。

12)このように考えてくると、市民農園は自宅から自転車で通える範囲で借りて、その規模は、毎日通えるなら大きくてもいいが、週末利用程度の農園通いならば、30~60㎡(10~20坪程度がよいと思われる。p146p145同上

13)現在、私が借りているのは5坪(約15㎡)である。これでもまぁ、足りると言えば足りてはいるのだが、隣の区画が偶然、空いてしまうと、ここは拡大のチャンスかな、と思ってしまう。やはり10坪はほしいよなぁ。

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