「わが人生の10冊」
「わが人生の10冊」
ある雑誌で「わが人生最高の10冊」というシリーズ企画があることを知った。各人まちまちである。それぞれに興味深く拝読した。当ブログにおいても、10冊を選んでみよう。ただし、「最高」というランクづけではなく、年代の推移によって、大きな影響を受けた本を年代順に選んでみた。
「修証義」
桜井 秀雄 (著), 鎌田 茂雄 (著) 横尾忠則(装丁)1983/4 講談社
8歳になって三日目に私は父を亡くした。すでに父は5年も隔離病棟で闘病生活を送っていたので、その生身の父というものの存在をほとんど知らなかった。その葬儀にあたって、菩提寺の僧侶によって読まれたお経「修証義」の最初のフレーズがいまだに脳裏に残っている。「生を明らめ死を明らむるは仏家一大事の因縁なり」。
「巨人の星」
梶原一騎原作 川崎のぼる画
中学一年生の春に「少年マガジン」で大リーグボール養成ギブスを装着するシーンから読みだした。単行本を揃えて毎日読んでいた。野球を通じての父子愛がなんともまぶしかった。影響を受けて石川裕人らと肉筆誌を作り始めた。後年、高校PTA会長時代に、甲子園出場後援会長として活動したのも、その延長線上にあったか・・。
今となってはお恥ずかしいが、高校生一年生時代の私はこの本が何よりも大好きだった。この人のシリーズ本を全て揃えては傍線を引っ張って熟読した。つまりは自我を強く強く持つことの練習だったのだろう。「いま俺は何かしなければ」などという続巻を授業中に読んでいて教師に小突かれた。「いま、お前はちゃんと授業を受けろ!」
「存在の詩」第一号
OSHO
スワミ・プレム・プラブッタ 1975/08 アッシーシ・ラジネーシ瞑想センター
21歳の私は、仲間たちとの共同生活コミューンに参加し、カウンターカルチャーミニコミを作っていた。時あたかも「ミルキーウェイキャラバン」旅の途上、このミニコミに出遭った。そのことが私の人生を決定づけた。Oshoサニヤシンになり、瞑想センター活動をした。人生最高の一冊、といわれれば、私はこの本を挙げるしかない。
「第三の波」
アルビン・トフラー/著 徳山二郎/監修 鈴木健次・桜井元雄他/訳 1980/10 日本放送協会出版局 p642
1980年、インド滞在のあと、26歳の私は病を得、がんセンターで余命半年の宣告を受けた。死を覚悟した。ジョン・レノンが暗殺された。その頃、ちょうどこの本に出遭った。情報化時代、エレクトロニック・コテッジ、プロシューマーなどなど。未来に対するこの本が提示する夢に胸が膨らみ、死にたくない、と強く思った。
「浮浪雲」 1 遊の巻
ジョージ秋山/著 1975 小学館 浮浪雲 ビッグコミックス
最初に読んだのは1975年、ミルキーウエイキャラバンの札幌からの帰り道。あぱっちと函館の「帰郷庵」というロック喫茶に立ち寄った時。しかし、このシリーズを全巻揃えて熟読したのは、むしろ80年代になってからの子育て時代。新ノ介、おはなちゃんとの生活、奥さんおかめさんとの絡み。勉強になりました。
「ダイヤモンド・スートラ」 OSHO 金剛般若経を語る
OSHO スワミ・アナンド・ヴィラーゴ 翻訳 1986/03 めるくまーる社
80年代に出た本ではあるが、もっとも難解で、もっとも魅力あふれるOsho本として未だに手放せない。ましてや畏友・故石川裕人が、自らの蔵書として所蔵していた一冊が私の手元に来たとあっては、一生大事に熟読せねば、と覚悟している。 「スブーティよ 『仏国土の調和』とは 如来によって無調和として説かれている」
「ウェブ進化論」 本当の大変化はこれから始まる
梅田望夫 2006/02 ちくま新書
この本の書評を新聞で読んだ。それから私の本格的なネット参加が始まった。まもなく我が家は宅配新聞をやめた。情報源はネットに移行し、検証は、便利になった図書館利用にシフトした。 まさにネットはコンテナから、コンテンツの時代へと進化した。そして2015年の今、いよいよコンシャスネスへと熟成し始めているはず・・・だが・・・。
「私が愛した本」
OSHO 1992/12 OEJ
ブログ+図書館+Osho というトリニティのなかで、この本が俄然存在感を増してきた。最初、単なる読書日記だった我がブログは、この本のリストに依ってひとつの方向性を与えられた。全168冊にはまだ目を通せないでいるものもある。それぞれの地方の希少本だったりするから仕方ないが。
「仙台平野の歴史津波」巨大津波が仙台平野を襲う!
飯沼 勇義 1995/09 宝文堂
我が人生の中でも最大級の出来ごと、3・11について、さまざまな出版物がでている。あの日を境に、すっかり世界が変わってしまったかのようだ。しかし、その中にあってもこの本は本当に稀有だ。3・11の前、すでに16年前から警鐘を慣らし続けた飯沼史観の適格性に目を奪われる。続刊ではホツマツタエにも言及。
(最近読んだ本)
「一茶」
藤沢周平 1978/6 文藝春秋
映画「武士の一分」から始まって、映画もビデオもラジオ番組も、藤沢周平ワールドに遊び、すっかりハマってしまった。お隣の山形の出身であること、下級武士や庶民の心がよく書かれていること、田園や里山風景。還暦も超えて、時にイラつくわが老境は、この人の文学にすっかり癒された。
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