「つくって食べようおいしい野菜」永田照喜治・他

糸井重里の 「つくって食べようおいしい野菜」
糸井 重里(著), 永田 照喜治(著), こぐれひでこ(著) 2005/04 NHK出版 単行本: 95ページNo.3555★★☆☆☆
1)10年前の本。NHKテレビ番組をきっかけとしてこの一冊が出来上がっている。イメージキャラクターは糸井重里だが、実際の番組は永田照喜治という人物の、実にユニークな農法が基となっている。
2)どのようにユニークかというと、
・土はむしろ何も含んでいないほうがいい
・苗を買ってきたら、根についている土を全部洗い流してしまい、根の3分の2程を切ってしまう。
・肥料はバランスのいい液肥(当然、化成肥料だろう)を使う。
というものである。
3)つまりこれは、ある意味においての工場農法で、大地回帰を目ざしているのではなく、プランターなどの大地から切り離された世界観にマッチした農法体系のようである。
4)たしかに、買ってきた苗の前身はよくわからないことが多く、そこまで化成肥料や農薬が使われているならば、有機無農薬とは、名ばかりということになりかねない。全部、苗の土を取り払ってしまうことに妥当性はありそうだ。
5)だから、むしろ土は、脱脂綿のような、定着する物質としてだけ働いてくれればいいわけで、肥料は、キチンと配合された液肥(おそらく化成肥料)だけでコントロールしようというものである。
6)この農法で作られたものが、「糖度」が高く、「おいしい」ということなのだが、この味覚の問題はかなり個々人の差があり、だからと言ってこの永田農法が特段に優れている、とは、私には即断できない。
7)永田農法は、別名スパルタ農法とも呼ばれているようだが、たしかに、「巨人の星」の大リーグ養成ギプスを思い出してしまいそうな農法である。そこまでやるのか、というちょっと痛々しい気分が残る。
8)永田農法からは、森林や地球、大地や自然、環境や子供、未来や全体、という視野へ繋がっていく道が見えない。
9)農法自体については、他の書籍にあらためて依らなければならないだろうが、この本一冊を読む限りにおいて、私は、こちらには進まないだろう、と直感する。
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