「わがボタニカルライフ」<6>サンショウ
<6>サンショウ
サンショウ。この木は、わがボタニカルライフにおいては重要な一鉢である。つまり、丁度一年前から取り憑かれていたエコビレッジ構想の、わが心象の象徴的な一本と言っても過言ではない。
かの地において、資材置き場を作業中に、いい匂いがするなぁ、と思っていたら、この木が挟まっていた。資材の中からギリギリ顔を出していたので、決して姿がいいわけではない。ましてや作業の邪魔になるので、しかたなく抜き取られてしまったのである。
それにしても心残りなので、半分実験で、自宅に持ち帰り、鉢に移植して見たのだった。最初はまずまずだったが、季節も季節だったのか、数日するとやがて葉が落ち始め、数週間すると、あっという間に一本の針金のような状態になってしまった。
最初、室内においてみたのだが、枯れてしまったのかと思って外に出しておいたところ、今春、なんとその枯れ木から芽が出て、葉が付き始めたのだ。そして、あの例のサンショウ独特の香りを楽しむことができるようになったのだ。
しかし、実がなったわけでもなく、枝ぶりがよくなったわけでもない。今後このサンショウを育てていくにはどうすればいいのか。まずは大きな鉢に移植する必要があるのだろうが、そのタイミングや土や肥料、日当たりや、水加減、そんなことを考えていると、なかなか手がでなくなってしまうのである。
それでも、いちどは作業の邪魔になって抜き取られ、さらには枯れてしまったと思われていながら、やがて春には芽を出し復活したところなど、繊細なかおりながらも、なかなか力強い一本であるなぁ、と感激する。今後も大事に、大事に、育てたいと考えている。
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