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2015/08/17

「有機野菜ビックリ教室」 米ヌカ・育苗・マルチを使いこなす 東山 広幸

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「有機野菜ビックリ教室」 米ヌカ・育苗・マルチを使いこなす
東山広幸(著) 2015/05 農山漁村文化協会 単行本157ページ
No.3569★★★★★

1)この本も相当に面白い。わがブログの「市民農園関連リスト」の中においても出色の面白さである。と、そう私に思わせるのは、まずはこの本がごく最近でた本であること、さらには、タイトルに「米ヌカ」が抜き書きされていることだ。

2)わが市民農園とクライン・ガルテン計画では、この米ヌカの活用が現在メインのテーマになっている。それというのもの、難しいと思われていたその入手方法だが、割と近くで、無料で入手できることが分かったからである。そして、どうもここが大きなポイントだな、とピンと来たからである。

3)米ヌカで見事に雑草が枯れる 追肥にもなる

 一度雑草だらけになったウネ間を単に中耕しても、完全に草をなくすことは難しい。生育こそ停滞するが、また根がついてしまうのだ。ところが温暖な時期に米ヌカをまいてから中耕すると、ものの見事に草は枯れる。雑草の新たな発芽もしばらく抑えられる。米ヌカが分解すればまた雑草が生えてくるが、雑草の害をしばらく抑えることができ、もちろん追肥にもなる。

 緑肥を早く分解させたいときにも、緑肥をすき込んでから米ヌカを振り、再びロータリーをかける。これだけで分解を早めて、作付けが早くできるようになる。

 量はかなり振ったほうが効果がある。1aあたり50㎏が目安。100㎏振れば効果てきめんである。p15「無農薬有機栽培のしくみ」

4)私としては、この本からこの文章を見つけることができれば、もうそれで十分である。1aと言えば30坪。仮に5坪の市民農園であれば10~20㎏程度入れれば効果あるということになる。わが市民農園ではそのくらいはもうすでに入れている。

5)現在50坪程度のクライン・ガルテンでもすでに100㎏は入れているので、とりあえず基準値には達しているかと思う。ましてや堆肥づくりのために、緑肥や枯れ葉にまぜて米ヌカを多用しているので、ここではわが意を得たりと、踊りだしたい気分。

6)米ヌカは超遅効きの有機肥料である。畑にすき込むと分解の早い夏でも一ヶ月以上たたないと肥料として効かない。秋にすき込めば春、初春にすき込めば初夏に効く。灌水状態で有機物の分解の遅い水田では、秋にすき込んだ米ヌカが効きだすのは初夏からである。

 それぐらい遅い効き方なので、短期決戦の野菜には使えない。使うのはもっぱら持久戦が必要な夏野菜や生育期間の長いサトイモやナガイモなどの根菜類である。また夏にすき込んでおけば、秋から春にかけて少しずつ効いてくれるので、ハクサイ・キャベツなどの結球野菜やブロッコリーなどの花野菜にも効果的である。

 また米ヌカは非常にネギ類との相性がいい。総じて辛みが減って甘味が強くなるようで、味に劇的な変化が起きる。だから十分な量が入らないときはネギ類の野菜に重点的に使おう。p34「長期戦の野菜に米ヌカ」

7)たしかにそうらしいのだが、この遅効性を改良するために作られているのが、ボカシ肥料である。米ヌカ単体では作れないが、即効性が必要とされる追肥にも使えると効いて、わが農園では、試作し、多用中である。

8)このほか、この本にはタメになることがたくさん書いてある。実際に有機無農薬を実践してきた人が書いているだけに、説得力があり、また、実際的である。

9)ただし、最近の私はこの手の本を沢山読み過ぎ、頭でっかちになっているので、まずは畑にでて実践し、失敗したり、成功したりしながら、ひとつひとつ体験して、自分の身についた技術としたいものだと思う。

10)すぐすぐはすべて実践しきれない内容だが、そうそう焦ることもあるまい。この本は、ゆっくり時間をかけて活用させてもらえばいい。そのための役にたつ情報満載の一冊である。

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