「わがボタニカルライフ」<11>ゼラニウム
<11>ゼラニウム
よくも悪くも、我が家のガーデンを特徴づけているのはゼラニウムである。いつからそうなったのか定かではないが、気付いた時から、そうなっている。
一番最初に貰ったゼラニウムの成苗の茎を10センチほどに切って、単なる砂に挿し木して数十本に増やしたのが、すでに35年以上前のことだから、人生の半分以上の長いお付き合いということになる。
その後、結婚して奥さんが持参したものや、友人たちからお祝いでもらったもの、引っ越した知人から引き受けたもの、などなどが混然となり、どれがどれやら分からなくなった。
それでも、一本一本のゼラニウムはそんなこと関係なしに、ず~と我が家を彩っている。赤、シロ、ピンク、え~とそれからそれから、と言いたいが、実はこの三色しかない。
それほど多くの水分もほしがらず、冬場も夜だけ玄関に入れてやる程度で、ずっと枯れずに生き続けている。
正直いうと、私はこの花に対して苦手な面もある。一番最初は、その匂いが苦手であった。独特の、ちょっとケミカルな、和風ではない匂いがする。それと、やはり色がけばけばしい。もうすこしセピアがかってもいいのではないか。
それと、たくさんの花を咲かせてくれるのだが、その花びらが散ると掃除に困る。生えそろわない我が家の芝生などの中に落ちると、一枚一枚の花びらを掃きだすのは容易ではない。
しかし、それでもやっぱりずっと我が家の玄関を守ってくれているということは、つまり、この花は丈夫で長持ち、それに実にリーズナブルなのである。
こまかい手入れもほとんど必要もなく、一年中頑張って咲き続けている。あまり増やし過ぎないようにしながらも、これからも、ずっといてほしいな、と思う。
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