「進化するプラットフォーム」 グーグル・アップル・アマゾンを超えて角川インターネット講座 (11)<2>
「進化するプラットフォーム」 グーグル・アップル・アマゾンを超えて角川インターネット講座 (11)<2>
出井 伸之(監修) 2015/07角川学芸出版 単行本: 280ページ
★★★★★
一読して、おおよそ想定していた範囲の内容だったといえる。特に目新しい視点や提案はない。しかし、現況において、これだけは押さえておこうね、と言った内容はほとんど盛り込まれているので、角川インターネット講座全体として、よい教科書になっている。
監修者の出井伸之はソニーの立役者のひとりではあるが、この本全体の一部にタッチしているだけで、ソニー再起に期待をかけているところが、ちょっとドメスティックで、ちょっとだけ哀れ。
大体にして、当ブログは、全体として進化の過程にあるのなら、日本の企業じゃなくたっていいじゃないか、というやや無責任なコスモポリタン的な傾向にあり、「ニッポン チャチャチャ」というようなコールにはいつも冷笑的になってしまう。
2015年にはiPhoneのコンパニオン製品アップルウォッチの発売を開始し、スマートフォンの画面を見過ぎてしまう習慣を正し、健康的な暮らしの促進に乗り出した。p115「アップルのビジネス戦略」
アップルウォッチの登場は今後、ますます気になるだろうが、実際に手にした範囲では、急いで我生活に取り入れなくてはならない、という緊急性は感じない。むしろ、健康的な暮らしの促進、という表現に驚き、笑った。
アップルは、自社のハード製品の幅を徐々に広げつつある。2015年4月に発売されたスマートウォッチ(アップルウォッチ)もそのひとつであるし、一部報道によれば現在までに電気自動車の開発に着手しているとも伝えられている。
一方、グーグルはアンドロイドOSをハードメーカーにオープンソースで提供することで自社のプラットフォームを広げており、アップル同様、グーグルグラスや自動運転車の開発など、次世代ハード製品開発にも着実に手を伸ばしている。p267「進化するプラットフォーマーと日本の未来」
進化の方向として、時計やメガネ、自動車など、これまですでに発表されている内容をなぞる程度の内容しかまとめられておらず、しかも、全体として平坦なまとめ方となっている。個人的には、第12巻「 開かれる国家」境界なき時代の法と政治 (東浩紀 監修)あたりに強い関心を持っており、どうもいまいち割目するような内容には乏しい一冊であった。
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