「Pen」2015年 10/1 号 [インテリアのヒントが満載! 暮らしが楽しくなるアイデア集。]<3>
「Pen」2015年 10/1 号 [インテリアのヒントが満載! 暮らしが楽しくなるアイデア集。]<3>
CCCメディアハウス 2015/9/15 雑誌
★★★★★
またまたまとまりのない、ワケの分からないことを書くことになる。まぁ、それはしかたない。すでにまとまっていて、明瞭な思考に辿り着いているのなら、こんなことを暫定的にであったとしても、書いておく必要などないのだ。いくら個人的にであっても。
暫定的に、61年の人生を一期として、29歳前後の時期を「往相期」(A期)と名づけ、56歳7ヵ月を「還相期」(B期)と名づけてみる。つまり0歳から29歳までの時期を前期と見定め、それまでのプロセスを、おそらく0からの成長、拡大期、と見ることにする。
そして29歳から56歳と7ヵ月までを中期、ととりあえず名づけておこう。それは当然、ひとつのピークを含んだ、活動期と考えておくことは可能だろう。それ以降を、まずは後期とする。
その年齢についての考察は重要なポイントなのだが、この際はぶく。少なくとも、二つの年齢期には、大きな一身上の出来事があった。Aにおいては前駆的な病気、特に余命半年を宣言されるほどの障害があった。そしてBにおいては、3・11があった。
いずれにせよ、個的であれ、全的であれ、「死」が目の前にぶら下がった。
現在は当然Bを過ぎて後期に入っているわけだが、仮にこれらの時期が29年あるとするならば、56+29で85歳までを後期とすることが可能で、それ以降を晩期としておこう。
前段の思考を踏み台として、Aにおける三要素を、仮にボタニカル、エレクトロニック、スノッブ、と名づけておく。象徴的にはAにおける農業学習体験であろうし、「第三の波」であろうし、あらゆることに対する好奇心である。
これらの要素が、Bに向けた中期の27年間に、拡大し、活動し、激動し、そして収束過程に入ってBに向かった、と仮定する。その場合、Aにおいてみられたあの三要素は、どのように存在しているか。
以上の思考のプロセスを経て、ようやく、この雑誌「Pen」No.591に辿り着くわけである(爆笑)。
つまり暴れ回った欲望と、乱雑な思考と、それよりはるかに複雑に仕組まれた限界。それらが結局は、ひとつの可能性の試行や検証であったとして、結局はBに辿り着いたと考えればいいわけである。
「植物のある部屋」 などと言った矮小な世界に自分を閉じ込めたくないのだ。それがかつてユースカルチャーを支えた宝島社などといった出版社の企画であったりすればなおさらのことだ。これは人を小馬鹿にしているだろう。
では、「いますぐわかるiPhone6s iPhone 6s」 はどうであろうか。大局的に見た場合、それは、 「第三の波」の2015年的帰結と言える。それはそうであるべきなのだが、しかし、そこに収束してしまうならば、あのAで熱く語られた世界観、人間観は、多くがそぎ落とされ、実にモノトーンのものになってしまいかねない。
更には「プロレス・マスク・ワールド」などは、茶番中の茶番なわけで、Aにおける茶番の一例を示しているだけで、もしテーマをこの本一冊としてしまうなら、万のうちの1以下を示しているだけなのであり、とてもとても、何事かを示したということにはならない。
むしろ、ここは、「プロレス・マスク・ワールド」でさえ三要素にひとつになり得るという、可能性の巾を示しているにすぎないのである。つまりパラドックスだ。
わずかな工夫ひとつで、日々の暮らしの楽しみがぐっと広がるーーー。今特集では、家具や雑貨、植物から音楽にアートまで、生活を刺激するものと家で過ごす時間を豊かにするアイデアを紹介していきます。スタイリングや実例から、きっと視点を変えるきっかけが見つかるはず。さあ、自分なりの”贅沢な時間”を探しましょう。p42「インテリアのヒントが満載! 暮らしが楽しくなるアイデア集」。
あまり上等なコピーであるとはいえない。しかしながら、全体のまとまりがいいので、この程度のイントロのほうが実はいいのかもしれない。
気付いていない興味、ありますか? もともと興味あるものを手に取るので、どうしても同じようなものに偏りがち。この食わず嫌いが視野を、世界を狭めてはいませんか。ワクワクしながら次号の特集を待つ定期購読が、あなたの世界を、知識を、幅広く、奥深いものにし、知的好奇心や審美眼を刺激してくれるはず。p180「定期購読のすすめ」
こちらのコピーだって、実にごく当たり前の実質的な勧誘文だ。だが、だからこそなのか、ぐぐっと胸に迫る。
だが、一読者としての私なんぞは、このNo.591一冊で十分だ。これだけでも、あまりにも幅広い好奇心に満ち満ちた世界である。バックナンバーの、その特集の巾の広さは、残念ながらというべきか、幸か不幸かというべきか、ほとんど追っかけることはできない。つまり、私はこの雑誌の定期購読者にはなれない。
ということは、つまり、翻って考えるに、AからBにおいてなら、私はこの雑誌の定期購読者になれたかもしれない、という可能性の余韻を残す。そしてB以降の後期において、ようやくこの号が、上の三要素をうまくすくって、私に手渡した一冊となる。
だから、この号の何がいいのか、いままだ明瞭には分からない。決して「暮らしが楽しくなるアイデア集」でなくてもよかったのである。しかし、タイトルからして「おいしい日本酒」でもなければ、円谷プロの大研究!」、「美しい自転車」でもなく、「西欧の家具と器」でもなかった。ここはインスピレーションの問題である。ここは感性の問題である。
今号は、うまく三要素を、分裂なくブレンドしてくれている。そして可能性としては、他の分野に好奇心を持てるのだ、という自負をもちつつ、実は、これから、もっともっと収束に向かって、狭い世界へと入って行こうとしているのである。
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