「市民農園体験記」<36>失敗談その①ズッキーニ
市民農園体験記
<36>失敗談その①ズッキーニ
半年に満たない春からの短期間の体験なれど、失敗談には事欠かない。その中でも、一番記憶に残るのは、ズッキーニであろう。
そもそも生命力が強いのか、苗が良かったのか、防風を考えなくても、すくすくと伸びてくれた。最初期においては、花もあっという間について、一番の元気の元になってくれていた。
わらで防風や乾燥を防いでみたりしたが、このプロセスが適切だったのか、どうか、よくわからない。少なくとも成長は早かった。
このまま元気に成長してくれるものと期待し、干ばつ気味の初夏には、せっせと水やりをしたものである。
花が付き、雌花もついて、花の根元が黄色くなってきたので、このまま成長するのだろうと、期待したのだが、そうはならなかった。
ある程度の大きさになると、花の根元から腐り始め、落ちてしまうのである。あるいは腐ったままにしておけないので、ハサミで切り取った。
この辺で気付くべきだったことは、ズッキーニは、水をむしろやらずに、乾燥気味に育てることが大事だ、ということ。そして、本来は、二株以上植えて、人工授粉をすべきだったのだ。
そして、そもそもがその生態をよく分かっていなかった。キュウリのような格好をしているので、ネットを伝って育つようなツル性のイメージがあったので、ネットの側に植えたのだが、実はこれが大きな勘違い。
ネットがズッキーニの真ん中にあり、その成長を妨げさえ始めてしまった。もともと混植のわが畑では、隣の植物と干渉しあい、どんどん大きくなる性質がそがれてしまったのである。
仕方がないので、伸びすぎた葉を茎の根元からおとして、なんとかワイ化栽培しようとするのだが、そのような育て方には向いていないようだ。
それでも雌花はどんどん付き、途中までは成長するのだが、次から次と、腐っては落ちていった。(涙)
そこで、他のメンバーさんから教わったように、雄花を切り取って、雌花を開き、人工授精のようなことをしてみた。
よい体験にはなったが、これは功を奏さなかった。時期をはずしたか、同じ株からでは受粉しないのか。
いよいよになって、他の作物がさらに大きくなり、狭くなり始めたので、私はズッキーニを収獲することを諦めた。
そして、あろうことか、根元から掘り起こし、30キロほど離れたクラインガルテンに移植を試みたのであった。もう諦めていたから、捨てるよりも実験になるかな、とダメ元の試みであった。それにしても、あえない一生となった、わがズッキーニであった。
次年度への教訓。ズッキーニは二株以上植えよう。広いところに植えよう。水やりはほどほどに。花が咲いたら、しっかり人工授粉をしよう。
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