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2015/09/13

「市民農園体験記」<37>失敗談その②スイカ?

<36>からつづく

市民農園体験記 
<37>失敗談その②スイカ

01

  趣味の市民農園ときたら、まずは家族に喜ばれる作物をつくるのが一番。そして、さらにそのトップに来るのが、スイカであろう、そう一人合点した私は、春に揃えた苗の中に、そっと一株だけスイカを入れておいた、筈、なのである。

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 移植後は春風も強く、根づかずにに枯れてしまった苗も続出した。そこで残った苗は、防風ビニールをかぶせて、大事に育てた、筈、なのである。

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 広い面積を必要とするツタ類は、すべて立体栽培することとして、園芸用支柱ならぬ、キャンプ用ターフテントの壊れた支柱持ち出して、3D構造を構築し始めた。

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 このころちょっとした異変があって、除草したり追肥したりしているうちに、どうやら、大事な苗を折ってしまった記憶がある。今思い出せば、あれが、スイカ、だったのだろうか。

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 ところがである。すでにL字に折れてしまった苗のさらに根元から、もうひとつの芽が出てきたのであった。おお、生命力があるなぁ、と一時は、わが有機農法を、アサハカにも誇ったり、したのであるw

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 この「植物」、私のイメージよりは、更に繁殖力はすごかった。なんせ、拙い私の経験から言っても、スイカって、こんなに葉っぱがおおきかったっけ? 雨の少ない炎天下、他の作物がゲンナリしているのに、どんどん伸びていく。

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 あまり横にも伸びて行くので、テープで縛り上げ、とにかく上に上に伸びるように仕立てた。いつの間にやら、ターフテントの屋根の部分にまで到達し、ついには頂上部分まで屋根を形成するようにさえなったのである。

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 そんなある日、私は、その屋根の大きな葉影の中に、突然現れた、異様な物体に気づいたのである。一言でいえば、恐竜の卵を最初に発見した人は、こんな心境であっただろうか、と言ったような案配だった。

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 立体栽培の屋根からブラ下がってくるので、一生懸命ネットの上に押し上げてみたりした。すくなくとも、これはスイカではない。なんじゃろう。トウガン、でもなさそうだ。もちろんヘチマや、通常のカボチャではない。

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 日々巨大化する「物体」は、一体なにか。私の疑問は日々増長し始めた。農園主に聞いても分からない。少なくとも農業歴45年に及ぶ、私より一歳上の農園主でも見たことないという。ひょっとすると、これはスイカに使われた台木ではなかろうか、と最初に言ったのは彼だった。。

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 大きくなった「物体」を私は最後まで見届けようと思っていたのだが、なんということか、他の作業中に、自重に耐えきれなくなって、ついに、畑に落下したのである。

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 しかも、先日から、もう一個、今度はツルからぶらさがって、同じような物体が増殖し始めていた。なんと異様なできごとであろうか。

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 となりの畑の人は、ピーナッツ・カボチャではないかという。なるほど、そういうものがあるのか、とネット検索。だが、ちょっとばかり色が違いそうだ。そこでSNSでネット繋がりの友人たちに公開質問してみると、ヘチマという感想もあったが、どうやら四国の友達などは、それはテツカブトというカボチャではないか、という。 

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 テツカブトは食用だが、どうも様子が変だ。いろいろ調べて、結局、私が下した結論は、テツカブト(新土佐南瓜)の品種改良で、スイカなどの台木専用に栽培されている「新土佐一号南瓜」であろう、ということであった。

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 台木(接ぎ木)専用となると、これは食味に期待することはできない。家族に調理してもらって、総スカンを喰った日には、あの暑い盛りの炎天下の作業さえ、あえない無駄な徒労であった、という結論になってしまうではないか。

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 私はそこで、わが畑で収獲された他の作物と見比べながらも、当面は、この物体をわがガレージ・オフィスのオブジェとして飾っておくことにした。テツカブトのDNAを受け継ぐ作物なら、ハロウィンや冬至カボチャの季節を通り越して、うまくすれば、来年の春まで腐敗せずに存在してくれる可能性もある。ひと夏で食べてしまうスイカより、こちらはこちらで、楽しみもあろう、というものであろう。

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<後日談>

ところが最近、近くの農産物直販所に行ったところ、これはつる首かぼちゃの一種ということで売られていた。色が青かったので、どうかな、と思っていたのだが、オブジェとして飾っていたら、似たような色に変化してきた。

Photo
 料理法も書いてあったので、そのうち、ポタージュにでもしてもらって、食べてみよう。もし、美味しかったら、またレポートすることとする。2015/10/13記

Photo_2

<38>につづく

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