「わがボタニカルライフ」<19>カプトメデューサ
<19> カプトメデューサ
ふと気付いて回りを見渡してみれば、ほとんど誰でも自然や観葉植物には関心があり、なおかつひとつやふたつは必ず愛する植物があり、なにも今さらボタニカル、なんて名前を付けなくても、みんな好きなのである。
よく行く友人であるO鍼灸院院長の治療院も観葉植物で埋まっている。駐車場をめぐる周囲もであるが、室内もいわずもがである。いままで患者の私は何故にそのことを気付かなかったのだろう、というくらい、たくさんある。
ひとつひとつ聴き出すと、例によってO院長は、ひとつひとつについて詳しくウンチクを披露してくれるのである。額に入った一枚の絵に話が及んだ時、彼は、これはさるところの奥さんで患者さんなんだが、彼女が描いた「ボタニカル・アート」ってやつなんだよ」とのたまわった。 キター!ボタニカル。
先日読んだ「植物図譜の歴史」ボタニカル・アート 芸術と科学の出会いウィルフリッド ブラント 2014/05 八坂書房)によれば、たしか、植物全体をありのまま描く、植物学にも通じる芸術をボタニカル・アート、と呼ぶのだった筈。
つづいて彼が見せてくれたのは、エアープランツ、というやつ。ああ、あれね。先日園芸店でみたよ。壁に貼りつけたりする造花みたいなやつでしょ、というと、ああ、それはおおいなる勘違いであった。この手のひらに乗っているものもその一つである。
じつはこれ、なんとかメデューサとかいうやつでね。たまに水道水で洗うだけで、ずっと生きているんだよ。もともと熱帯とかに生息していて、空気中の水蒸気で生きていくんだね、とおっしゃる。帰宅してからこっそり調べてみたが、これはカプトメデューサというものではないか。凄い名前だね、メデューサなんて。たしかにギリシャ神話に生きる魔界の女王の雰囲気を持っている。
おや、めずらしく芽がでている、と言って、くれたのが、この芽。なんとワンコインサイズの植物である。これをその辺においておくと、このくらいおおきくなるよ、と来た。ホントかな。なにはともあれ、我が家では、水やりを忘れたりするとこまるので、先日つくったインスタントの盆栽風寄せ植えの中に、ポンと置いておくことにした。
<後日談>
残念なことにこのカプトメデューサは、消滅した。水分もあげていたつもりなのだが、いつの間か退化して、他の植物の中に溶け去った(涙)
そのうち新しい苗を探してこよう。エアプランツとやら、なんだか興味が湧いてきたよ。
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